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鳩山首相の言い訳を聴こうではないか #838 Dec.22, 2009 [B7. 政治に求めるもの]

鳩山首相の言い訳を聴こうではないか Dec.22, 2009
 鳩山首相はマニフェストが実行できない言い訳として、
  ①地球規模での景気悪化、
  ②税収の落ち込み
 の二つを理由に挙げている。次の理由で、これらは言い訳にはならない。
 
 ①は昨年9月のリーマンショック以来のことであり、民主党政権ができてからのことではないし、②も景気が落ち込めば税収が減ることぐらい中学生でもわかる理屈だろう。鳩山首相はこういうことにはさっぱりオツムが回らないらしい。
 鳩山首相だけだろうか?心配になる。マニフェストを作成したのは民主党の重鎮や若手の「切れ者」と目されている面々であるからだ。
 このような簡単な理屈が(衆議院議員選挙間近の7・8月に)マニフェストを作成していた民主党議員にはわからなかったということだ。わかっていたら、3年程度は財源確保のために暫定税制は廃止できないと正直にマニフェストに謳っただろうし、他の項目も数年に分けて段階的実施ぐらいの但し書きを入れただろう。
 どうやら勉強が必要なのは100余名の新人議員よりはベテラン議員であるようだ。

 民主党議員大塚耕平氏はマニフェスト作成のメンバーだったが、見通しの甘いこの程度の人物が金融担当副大臣をやっている。亀井静香金融担当大臣だけが問題なのではない。総務大臣の原口もマニフェスト作成にタッチしていたがお粗末の限り、同罪だろう。
 こういう人物たちが乏しい智慧をしぼって作成したバラマキ・マニフェスト、政権をとったら一気に実現できると本気で妄想していたのだ。
 大塚議員は今日のテレビで、事業仕分けの成果を3兆円と言い切っていた。それは目標値で、6770億円が実績値、財務省見直しでおおよそ6000億円に過ぎないのに、知っていて平然とでたらめを言う、すぐばれる嘘を言うようでは人物にも信用がなくなる。せめて、正直な物言いをしてほしい。

 民主党は「ガソリン税値下げ隊」というのを2年前に組織したことがある。民主党大会直後の2008年1月16日に菅直人代表代行(当時)や山岡国対委員長(当時)が桜木町交差点前で街頭演説をした。URLを注記しておいたから、クリックして当時の様子を見て、昨日の鳩山首相の「決断」との落差にあらためて驚いてほしい。同じ党とは思えない内容である。
 35年も続いた「ガソリン暫定税制」を廃止するのは民主党全国大会の総意はずだったが、鳩山首相の決断は別項目に置き換えるだけに過ぎないものだ。
 あのときは山岡氏も菅氏も本気でガソリン暫定税制を廃止するつもりだったのだ。「財源はある」「ガソリン暫定税制は「暫定」でありながら35年も継続しているから、即刻廃止すべきだ」と声高に演説していた。
 ベテランだけではなく民主党中枢幹部のほとんどに見通しの甘さがあった。上から下までこのようなお粗末な仕事ぶりで大丈夫だろうか?

 鳩山首相はつい最近の今年の夏に「財源はある」と明言していたが、政権誕生後100日を過ぎた現在、財源探しに汲々としている。政権トップのこの人もまた見通しが甘かったようだ。言い換えれば仕事がお粗末だ。

 大々的にインターネットで流され、ショーアップされた「事業仕分け」作業もその成果は6770億円で、概算要求予算総額の1%に満たない。その後の財務省の見直しで、6000億円に減額されるという。
 財源はいくらでもある、事業仕分けで3兆円捻出できると豪語して、わずか五分の一。5%=4.7兆円は削減実績が出せなければ、仕事ではないだろう。
 話半分ではない、実績を見る限り、五分の一以下である。

 赤字国債を増発し、今年度末には累計940兆円に積みあがる。自公政権の無反省な財政運営にうんざりして民主党政権なら何とかするだろうと私は期待した。期待値が高かっただけに、政権誕生後のわずか100日でのこのていたらくに落胆もまた大きい。

 バラマキはやめよう。次の世代へツケを回さないために何ができるのか、少なくとも今後3年間の赤字国債の増発は10兆円以下にしよう。長期的には新規増発をやめて、累積赤字国債残高を毎年10兆円返済していこうではないか。そうするためにはどのような苦難が待ち受けているのだろう。政治家にはそういうプログラムを真摯に語ってもらいたい。


*2008年1月「ガソリン税値下げ隊」妄想
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=12521
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