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虚構の予算編成は「根室の夕張市化」への道を拓く #814 Nov.27, 2009 [26. 地域医療・経済・財政]

虚構の予算編成は「根室の夕張市化」への道を拓く
                       #814 Nov.27, 2009
 11月26日付の北海道新聞に、根室市の予算編成要綱が載っている。歳入が前年度比で5.5%増で、普通会計(一般会計+特別会計)の収支見込がプラスだという。昨年度は3.4億円の財源不足、つまり赤字予算だったから、本当ならば、めでたしめでたしなのである。なんだか話しが巧すぎないか?巧い話には裏がある。世の中でおいしい儲け話はほとんどが詐欺だから、騙されてはいけない。

 歳入が増える根拠は、総務省が地方交付税を前年度より7%増やす概算要求をしているからだという。さて、質問その1、概算要求がそのまま通るような状況だろうか?

 新聞記事にも幸坂記者が「事業仕分けで交付税は「抜本的な制度見直し」との結論が出ており、概算要求から削減される可能性がある」と書いている。ガソリン税について政府は来年度から「暫定税率を廃止する方針で、実施されれば、1.1億円の減収になる」ことも。これらは根室市の来年度予算編成要綱には組み込まれていないようなのである。都合の悪い情報は反映しない、希望的観測を積み上げる予算編成は民間企業なら倒産への道を拓くことになる。人口3万人の町で5年間、毎年10億円を超える病院事業赤字を出し続け、経営改善が一歩も進まないようでは市の財政だって破綻へ向かって当然だろう。

 政権をとった民主党は総予算を90兆円に圧縮するためになりふり構わぬ「事業仕分け」をやっている。歳入見込みは、昨日からの急激な円高(86円台)で企業収益の落ち込みが予想され、35兆円にまで縮減するかもしれない。(90-35=55)50兆円を超える赤字国債増発はなんとしても避けたいだろう。
 マニフェストで約束したことすら切り込まざるをえない状況下で、総務省の概算要求が何の見直しもされずに今年度よりも増額されるという前提で予算を組むのは、危うい。交付税は抜本的制度見直しが事業仕分けで決まっているのだ。それにも関わらず、「要綱」で交付税の増額予算を組み、収支黒字ですと新聞発表、シャアシャアとしている市長と財政課に郷土愛などと言うものがあるのだろうか?誰のための市政か?財政課は市長のためにではなく、郷土のためにこそ働いてもらいたい。

 根室市は前年比5%くらい減額される前提で「入りを図る」べきだ。そうするとたちまち15億円もの歳入不足となる。
 
実質歳入不足を隠すために、ありもしない歳入見込みを計算上増やしただけのようにしかみえない。病院事業会計で10億円を超える赤字が出るのに6億円の繰り入れ予算しか組まず、5年間連続して決算時にごまかしてきたのと同じ手法である。
 根室市も公開で「事業仕分け」をやったらどうだろう?

 歳出のうち病院事業会計へ8億円の繰入を予定しているようだが、今年度は予算では6億円だったが、決算見込みでは11億円である。病院赤字を同額とみただけでもさらに3億円歳入不足が上積みされる。歳入不足は合計18億円になる。
 市は59億円の基本計画案を市議会で通しておきながら、2月以降出なければ総事業費がわからない?として建て替えについては予算計上していない。しないのではなく歳入欠陥が明らかになるから、計上できないのだろう。

 財政課も市長も、もうお手上げの状況のように見える。それほど市の財政は悪化している。「オール根室」で現市長を支援した「町の有力者」たちはどのように責任をとってくれるのだろう?

 病院経営改善計画は予定通り進んでいないから、このままでは道庁が着工を認可しない可能性が残っている。そのほうがいい。このまま建て替えるより、療養病棟の問題や暖房費を三分の一にするために外断熱など、本当に免震構造が必要なほど軟弱な地盤なのかについて、建築仕様を含めて、もう一度ゼロから考えた方がいい。市が招請した病院経営コンサルタントである公認会計士の長氏が提言したように、59億円の建て替え費用を30億円に切り下げることができるはずだ。補助金をもらうために急いで結論を出す必要はない。
 市長はにわかに病院の経営改善を叫んでいる。5年間連続して10億円を超える赤字を出し続け、経営改善に成果が出せなかった市長がである。5年間具体的な経営改善を何もできなかったツケが、病院建て替え事業の前にそびえる壁となりつつある。

 休床病棟を療養病棟に転換すれば赤字が2.5億円は減らせる。ヘルパーさんの雇用もパートタイマーで十数人は確保できる。2,007年3月1日の北海道新聞に寄れば、根室地域医療推進協議会が「休止病棟の(療養病棟への)転換提言」を行っている。この協議会には地元の医師がメンバーに入っている。

 もう、辻褄あわせに躍起になっていないで、正直に予算を組み、病院経営改善に取り組むべきだ。現市長は病院のニホロ移転の市民説明会以来、嘘が多い。もっと正直に誠実に仕事をしてもらいたい。このままでは根室は病院の建て替えの有無に係らず、第2の夕張市になりかねない。新聞報道によれば、副市長も普通会計の破綻の懸念を市議会で表明している。
 根室を第二の夕張市にしないために、「事業仕分け」を根室でもしよう。だれか住民運動を始めてくれないだろうか。賛成する市議はいないか?私も手伝うぞ。 


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