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中学ブラスバンド根釧地区コンクール [62. 授業風景]

中学ブラスバンド根釧地区コンクール

 今日(8/1)ブラスバンドのコンクールが釧路で開かれた。1年前は音がきちんと出ない、曲が難しいとこぼしていたが、成長が著しい。「先生、金賞もらってくるからね」と自身ありげに言うので、「そんなに上手だったっけ?」と冷やかすと、「だって練習したもの、うまくなったよ」としっかりした返事だった。
 夜9時頃バスで戻ったようだ。結果は銀賞だったという。金賞のつもりだったから残念だっただろう。他の2校も銀賞のようだ。
  部活の先輩の高2の生徒が白糠が強いと言っていた。市民バンドがバックアップしていて技術レベルが高いのだそうだ。これも伝統だろう。根室ではバドミントンがそれに近いやり方をしている。良き伝統があるかないかは、成績を大きく左右する。現在の活動が日々積み重なって伝統となっていくから、毎日をおろそかにしないことだ。

 どういう偶然かブラスバンドの仲良し4人組みが全員3月の学年末テストに比べて6月の学期末テストの点数が上がった。2人は2回続けて計100点以上上がり、ニコニコ顔だったし、そのうち一人は5科目合計点が中学校3年間の目標値としていた点数を超えた。合計点を計算しているときに手が震えたという。点数の報告を聞きながら暗算していた。「あれ、目標値超えてるよ」「やった、やったよ先生」と返事。英数の点数がよかったのはもちろんだが、一番苦手だった社会の勉強の仕方がわかったことが決定打となったようだ。だけどご褒美で買い換えてもらったワンセグ携帯は中学生には高価すぎる。本人はすごく喜んでいたけど・・・「先生が親だったら成績下がったら携帯とめるよ。2回続けてこの点数をクリアするには大変な努力が必要だ」「そう、お母さんに言われている。頑張るよ」、それでいい。成績が続けて上がったときがピンチになる。慢心して努力をやめると成長が止まる。内容が理解できて勉強はずっと面白くなるから一段と努力することだ。お母さんは子供を良く見ている、きちんと予防策をはって一枚上手のようだ。親も子供の成長を願って見えないところで努力しているのだろう。
 世の中を見ると、塾に通わせたくても通わせることの出来ない場合もある。北海道全体を見ても通塾率は半分程度と首都圏に比べてかなり低い。経済の疲弊と比例しているかのようだ。親になってみればわかる。教育費を捻出するのはなかなかたいへんだ。親に感謝の気持ちのある生徒は勉強する。「皆が塾に来れるわけではない、お父さんとお母さんに感謝しろ、せめて塾にいる時間は一生懸命に勉強しろ、家でも時々は一生懸命にやれ」と生徒に言う。家庭で一生懸命勉強するようになったら塾をやめても心配いらない。そういう自立した学習習慣を身につけることが塾での勉強の最終目標である。
 大地みらい信金の調査によれば、地域振興券で根室の地域経済はカンフル剤を注射したかのごとく一時的に良くなっているらしい、しかしそれはまやかしの反映である。いつまでも税金で地域振興券をばら撒くわけには行かない。税金だから自分たちのお金だ、消費税の値上げとなって結局ツケが回ってくる。ごまかさず、基本体力を充実することでしか永続的な反映はない。だからカンフル剤を使ってはいけない。基本は智慧をしぼって日々努力することである。経済もまた基本は同じである。ごまかしのない誠実な努力の積み上げが永続的な繁栄をもたらす。
 話しが脱線したが、楽器の扱いも上手になり、成績も上がったのは、すべからく一日一日の練習や勉強の賜物だろう。実績が出ることで自信もつく。
 生活習慣がしっかりすれば、演奏と成績のどちらもよくなる。他人の見ていないところでもきちんと練習・勉強をする。演奏も勉強も、ごまかしのない努力が成長期の生徒たちを飛躍させる。

 それにしても歳のせいもあり教師の私の方はほとんど進歩がない。成長期だったのははるか昔であり、見ていて若い生徒たちがうらやましくなる。生徒の成長にしばしば驚かされながら、わたしも勉強する。数学も英語も教授法は進化している。理科がわからないから教えて欲しいという生徒もいるのでついに理科まで補習しはじめた。これで5科目全科目を教えることになった。理科は物理・化学・生物と範囲が広いので躊躇していたが、生徒の要望でついに踏み切ることになった。生物は仕事で関係していたからかなり専門的なことまで知っている。物理の一部や化学も仕事で関係していた。しかし、中学生に理科を教えるとなると最新の高校の教科書ぐらいは目を通しておかなければならない。もちろん教科書に付属する問題集も。
 成長期にやってこそ効果が極大になる。勉強も趣味も若いうちにトコトンやって極めておくことだ。

 教える側が生徒の成長に触発されることはしばしばある。教えることは教えられることでもある。啓発するつもりでいつの間にかこちらが生徒の成長に驚き、触発されてしまう。
 同じ学年で成績の下がった生徒が二人いる。夏休みの努力が2学期の成績を左右するので、お祭りが終わった後は毎日3時間ほど来て勉強してもらうことにしている。理解できていないところを見つけきちんと個別指導してあげるが、成績を向上させる力は生徒自身のやる気だ。本気で1ヶ月勉強してみることだ。結果は必ず出る。8月一杯は来られる日は学校帰りによって勉強し、わからないところを質問して結果を出せばいい。夏休みにしっかり勉強した生徒には飛躍の2学期が待っている。しなかった生徒には・・・脅かすつもりはないが、大げさに言うと、誰も見ていない夏休みの過ごし方次第で人生が変わる。
 根室の夏は涼しいので勉強するには最適の地だ。今年の夏も成績の下がった数人の生徒とともに歩けるところまで歩いてみる。

 高校生を対象に3日間だけ英字新聞の読解トレーニング授業をする。4日からだ。3時間ずつ9時間、集中的にやることで生徒の長文読解力が上がれば嬉しい。先生が連れて行けるのは学問の入り口付近までだ。その奥へ分け入るのは君自身の努力だ。

 2009年8月1日 ebisu-blog#681
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