SSブログ

破綻寸前のビッグスリー [91.経済]

破綻寸前のビッグスリー

 11月12日ブログ#363でビッグスリーが経営破綻の瀬戸際にあることを書いた。今日の新聞によれば自力再建できないと当事者が言い始めているようだ。今日(11月14日)の北海道新聞夕刊5面に次の見出しが載っている。
 「クライスラー米政府に支援要請」
 「ビッグスリーの2社悲鳴」

 予想どうりの展開である。本文には「未曾有の需要低迷を乗り切るには極めて困難な状況にある」「2社(GMとクライスラー)が自力再建のさじを投げる異常事態」とある。記憶によればGMは手元流動性が80億ドル程度しかなかったのではないだろうか。
 通常年間売上の1月分の現預金があれば資金繰りに支障は出ない。それが60%にまで減少すれば自転車操業状態に陥る。GMは50%を切っているから、明日にも資金ショートしても不思議はない状況である。財務担当役員の悲鳴が聞こえてくるようだ。
 9月末に599億ドルだったGMの債務超過額は12月末には1000億ドルを超すだろう。資金不足で年が越せない状態だ。米国政府による救済措置が遅れれば12月中にも経営破綻の可能性が高い。

 2社ばかりでなくフォードも経営危機だ。来年1年間もつだろうか?GMかクライスラーが潰れれば生き延びるチャンスがあるが、この2社が政府の支援で生き残ればフォードが来年度中に経営破綻するだろう。
 ビッグスリーのうち1社が早く潰れれば、他の2社は生き延びられるかもしれない。余計な支援でGMとクライスラーが一時持ちこたえれば、3社のドミノ破綻が現実性を帯びる。そのときは日本の自動車メーカーの一人勝ちとなるだろう。10年先には米国の道路を走る車の半分は日本製かもしれない。
 全米自動車労組の支援を受けて選挙に勝利したオバマ新大統領に有効な政策選択肢はあるのだろうか?
 経営は具体策を立案し果断に実行しないと手遅れになり、打つ手がなくなることがある。ビッグスリーとは比べるべくもないが、わが町の病院や小中学校の統廃合も何年たっても具体策が見えてこないことでは共通項がある。危うい。

 2008年11月15日 ebisu-blog#398
  総閲覧数:48,228 /355 days(11月15日0時00分)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0