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再建団体転落阻止へ根室市 [26. 地域医療・経済・財政]

 北海道新聞11月1日朝刊の記事である。

再建団体転落阻止へ根室市
 庁内に対策チーム

【根室】市議会は31日決算特別委員会を続行し、2007年度市立根室病院事業会計決算と審議した。石垣雅敏副市長は、09年度施行の財政健全化法に対応するために、具体的な対策を検討する庁内プロジェクトチームを、1日付で設置することを明らかにした。
 沢崎文剛氏(新風)の質問に答えた。
 プロジェクトチームは座長を石垣副市長、副座長を小田嶋英男総務部長が勤め、部課長クラス12名で構成。自然体の財政状況や市立病院の経営状況などを分析した上で、再建団体転落を阻止し、持続可能な行財政基盤を確立する方策を模索する。
 沢崎氏が来年度以降の一般会計から市立病院事業会計への繰入などについてただし、石垣副市長は「一般会計から無尽蔵に繰り入れる財源はない。地域医療と私財製の両方を守っていくために、プロジェクトを立ち上げ、市が生き残る方策を必至になって検討したい」と述べた。採決では・・・4事業会計の07年度決算を認定。ただ、市立病院事業会計決算は委員長を除く九人のうち、与党の新風二人と野党の共産党一人の計三人が、経営改善が不十分として反対した。(仁科裕章)

《コメント》
 市立病院は3年続いて一般会計から10億円を超える繰り入れを行っている。07年度について言えば予算で4.8億円、さらに決算で6億円余の繰り入れである。予算で10億円全部を手当てすると、「経営健全化プラン」が立たないので、このような姑息な方法をとってきた。財政課の職員は分かっていながらインチキな予算を作成せざるを得なかったのだろう。やらなければ「経営健全化プラン」実行を前提とした病院新築が完全にアウトになるのである。
 業務命令とはいえ、インチキが明らかだから嫌な仕事だっただろう。ほんとうは職を賭してもこのような仕事をやってはいけない。市長に言われたら、部長が拒否する、部長に言われたら課長が拒否する、課長に言われたら係長が拒否する、係長に言われたら平の職員が拒否する。組合に相談したっていい。どこかで誰かが拒否すればこれほど時間をロスすることはなかった。酷だなと思いながら書いている。そういう反骨精神の旺盛な市役所職員がいたらいいなと思う。島耕作か矢島金太郎だろうか。現実にはなかなかいないから漫画になる。大衆の願望が漫画になる。

 本気で取り組まないと10億円の市立病院赤字は根室市本体を巻き込み、再建団体への転落は時間の問題である。このテーマは何度もこのカテゴリーで採り上げてきた。ようやく市議の中にも、きちんと決算を見る人が出てきたことは市の将来のために喜ばしい。
 ただし、市の部課長クラスを集めたプロジェクトが、それも兼務で実効性があるのかどうかについては意見を保留しておこう。期待はしたい。

 2008年11月2日 ebisu-blog#380
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