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ノサップ岬マラソン(北海道新聞より) [21. 北方領土]

 8月25日付北海道新聞29面 釧路根室地域版より転載

   領土返還願い疾走
       ノサップ岬マラソン

 【根室】第27回北方領土ノサップ岬マラソン大会(北方領土復帰期成同盟など主催)が24日、根室市で開かれ、道内外の550人が領土返還の願いを込め、根室半島を疾走した。8月とは思えない気温14度台の肌寒さのなか、午前10時50分にスタート。
 「ハーフ」が珸瑤瑁小前、「10㌔」が共和小前、納沙布岬から歯舞群島貝殻島までの距離に当たる「3.7㌔」が根室市青少年センター前から、それぞれゴールの根室市役所を目指した。
 ハーフには昨年に続き、箱根駅伝9回の優勝を誇る日体大陸上部20人がエントリー。2年の出口和也さん(21)が1時間2分46秒の大会新記録で優勝した。(仁科裕章)

《コメント》
 参加人数が550人、気温14度。わたしも3時頃サイクリングに行ってきたが寒かった。主催は「北方領土復帰期成同盟など」となっている。引揚者の団体が乱立しているからだろうか。戦後、引揚者が国へ補償を求めて運動が始まった。その運動は引揚者だけのもので、当面の目的は補償金を補助金として受け取ることだったといっては言いすぎだろうか。
 択捉生まれ育った母は引揚者ではないが、母親の墓がある。墓参に行きたいと思っていたようだ。しかし、一度も行ったことがない。もう高齢でとても墓参は無理だ。ついに古里の土を踏むことなく根室の土となるだろう。択捉で生まれ育った妹の叔母が墓参をしたいと言っていたが、昨年古里の土を踏むことなく亡くなっている。引揚者でない者には古里はなおいっそう遠いものになっている。

 南樺太のある町で戦後8月20日にソ連が攻めてきて、9人の電話交換手のうら若い乙女たちが青酸カリ自殺を図ったという事実に基づく特別番組を日本テレビが作り近々放映するという。
 (「霧の火」というタイトルで今日25日に放送された。番組紹介にはこうあった。「樺太真岡に散った9人の乙女たち~終戦5日後も最北の地は戦場だった!!少女たちの青春と愛と死…みなさん、これが最後です、サヨウナラ…竹山洋脚本、雨宮望演出」)
 8月15日ポツダム宣言受諾によって無条件降伏したあともソ連は国際法違反の戦争を続け、南樺太のみならず北方領土の島々まで占拠していった。8月15日以後、ソ連が何をしたのか知らない国民がほとんどだろう。ロシアは逆手を取ってオリンピック開催日にグルジアに侵攻した。歴史は繰り返される。あくなき領土拡張願望は戦後63年たってもまだロシアを支配している。
 ポツダム宣言受諾後に当時のソ連が何をしたのか。事実を文書にまとめ、テレビなどのマスメディアを通じて広く国民に知らしめることこそが、矮小な引揚者だけの返還運動を誰もが参加できる北方領土返還国民運動へと切り替える契機となるのではないだろうか。
 幸いに根室高校同期の土田こと通称「ヨッチ」がもう7年も前からHTBの取締役東京支社長だ。関係団体は彼に正式に申し込んだら如何?きちんと形を作って申し入れたら彼は断らないと思うよ。そういう奴だ。後は仕事だから具体的な段取り次第だろう。
 何周年かの開局記念に併せて特別番組を作ってもらい、系列親局から全国ネットで流してもらえばいい。番組企画をテレビ局にもち込むことも、重要な返還運動である。もっとマスメディアを利用することを考えるべきだ。
 多くの国民は事実を知らない。中高の社会科教科書にも詳細な記述はない。まずは自分たちの団体内部で、資料をきちんとした形で文書や映像に残し、事実をさまざまな媒体で記録しておくべきだ。それが関係諸団体の義務だろう。
 戦後63年たち、当時20歳だった人ももう83歳だ。関係者はすでに亡くなった者の方が多い。生き残っている者にもあまり時間は残されていない。

 2008年8月25日 ebisu-blog#271
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