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根室市新年度予算(北海道新聞夕刊より) [26. 地域医療・経済・財政]

2,008年2月21日   ebisu-blog#096
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 2月20日北海道新聞夕刊・地域版より転載。無断転載御免

根室市新年度予算案

一般会計4.1%増

147億円 7年ぶり前年度上回る

【根室】市は20日、2008年度予算案を発表した。一般会計は本年度を当初比4.1%増の147億3千万円で、01年度以来、7年ぶりに前年度当初を上回った。特別・企業会計を含む12会計の総額は同2.4%増の291億6千万円。教育・福祉分野に重点配分したほか、懸案の病院事業会計に一般会計からの繰出金を増やした。(仁科裕章)

病院会計 6億円繰り入れ
 一般会計は本年度当初比5億8千万円増となったが、・・・医療分野では市内の医師との交流を図る市民組織「ねむろ以心伝心ネットワーク会議」に百万円を補助・・・
 病院事業会計は、市立根室病院の常勤医師を、現在より4人多い15人と想定。一般会計から同1億3千万円増の6億千万円を繰り入れ、総額は同31.8%増の46億8300万円とした。単年度で収支均衡を図る一方、政府が08年度限定で創設する公立病院特例債を10億8500万円を発行し、不良債務解消に充てる。
 市は3月3日開催予定の第一回定例市議会に関連議案を提出する。


健全化団体転落を回避
来月までの医師確保カギ

〈解説〉根室市の08年度予算案は、財政難で新規事業を抑制する一方、一般会計から病院事業会計への繰入限度額を大幅に増額した。病院会計の赤字を放置すれば、08年度決算から適用される新基準によって、財政破綻の恐れがある早期健全化団体となる可能性があるためだ。
 新基準は、事業会計を含めた連結実質赤字比率など四指標で財政状況を判断する。根室市は07年度の連結実質赤字比率が26.9%になる見通しだ。病院会計の赤字が重荷となっている。
 このため、一般会計から前年度比27%増の6.1億円を繰り入れ、単年度収支を均衡させるとともに、不良債務を公立病院特例債に振り返る方針だ。これにより08年度末には不良債務がゼロになり、連勝赤字比率は大幅に改善されるという。
 ただこの計画は、市立病院の常勤医が現在より4人多い15人体制となることを前提にしている。予定通り医師が確保できなかった場合、天然殿収支均衡はクズレ、不良債務の拡大は避けられない。
 財政難で自由に使えるお金がない一方、これまでの文化・教育関係など補助金削減で市民の負担増も限界に近い。動くに動けない金縛りの状態の中で、病院会計の改善を打ち出した予算案だが、その正否は、3月末までの医師確保の状況に委ねられる。

《コメント》
 詳しいコメントは後で書こう。舌の根も乾かないうちにとはこのことだろう。赤字特例債は6億円と言っていたではないか。それがたった2週間で10.8億円に跳ね上がっている。市長は市立病院の具体的な数字・状況をご存じなかったのか?そうではあるまい。赤字特例債発行は病院の単年度収支が均衡が条件である。そのための辻褄合わせに、根拠のない常勤医15人を持ち出した。計画上こうしなければ赤字特例債の発行が認められないからだろう。この期に及んでも、市立病院赤字の削減についてひとつも改善案が出てこない。
 論より証拠である。ブログ#077「不良債務解消に特例債(道新地域版)」、2月7日の道新記事を再掲載する。市は11億円の不良債務解消に「6億円程度の特例債発行が必要」と明言している。

本年度決算見通しでは、不良債務は8億3000万円。さらに累積している不良債務2億8000万円を加えると、11億1000万円に達する見通しだ。本年度当初で一般会計から4億8000万円を繰り入れる予算を組んでいるため、6億円程度の特例債発行が必要になる。
   
 
一時借入金が6億円あるから、6億円の赤字特例債では6億円資金が足りなくなると指摘しておいた。その通りになったではないか。
 平成20年度、常勤医師がたとえ15名になったとしよう。離れた患者の半分が戻ると假定してみる。市立病院赤字額は6.5億円である。6億円の予算でほぼ収支均衡する。
 常勤医がH19年並みだったら、赤字額は12.5億円になる。6.1億円の繰入では6.4億円不足することになる。
 記事によると、医師確保についてはまだ具体的な情報がなにも語られていない。具体的な話がないなら、11名の維持すら危ういのではないだろうか?甘い見通しの予算である。甘いというよりも現実的可能性がない予算である。4月まで後一月である。時間が真相を明らかにするだろう。
 もう一つ言っておかねばならない。あまりにも無責任だからだ。赤字特例債による損失補てんは問題の先延ばしに過ぎない。借金だから7年で償還期限が来る。そのときにどうするのだろう。長谷川市長の任期はあと2年半である。こんなにツケを回されたのでは、7年後に市政を担うことになる市長は手の打ちようがない。任期が切れた後は「野となれ山となれ」ということではないのか?「オール根室」で根室を決定的でいっそう深刻な財政破綻へと導くのだろうか?


 


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