So-net無料ブログ作成

基本トレーニングは頭でするな、身体で覚えろ [57. 塾長の教育論]

2,007年12月16日   ebisu-blog#024
総閲覧数: 1,157 (16日午前0時現在、20 days)

今日の授業から・・・
 中学3年のK君は「不規則動詞64」のうち半分は書けるようになった。S君は一つ間違えただけ。Excellent! このごろ気合が入っているね。その調子でがんばって、最後の学力テストが1月にありますので、英語の点数を30点(60点満点)上げてください数学は20点上げられるから、両方で50点アップし合格安全圏突入です。この目標値は君の努力の範囲内で必ず達成できます。
 
 今日、体験授業で来たM君、ちょいと大変そうだけど、男はやるべきときにはやらないとね。渡したトレーニングプリントをやってみてください。
 スポーツと同じで基本トレーニングを毎日きちんとやることが大事です。スポーツマンの君なら、基本トレーニングの大切さがわかるでしょう。入試は試合です。基本とレーニングをさぼって試合に勝てるわけがない。野球にたとえれば、今日最初に渡したプリントはキャッチボールかな。不規則動詞のトレーニング表は素振りでしょう。繰り返しやって身体に刷り込んでください。もちろん、基本トレーニングは頭でやらずに身体でします

 今日の授業のテーマは前置詞でしたね。at, in, on, with, without, during, about, from, to, for, between, before, after, by, tillなど、たくさんありました。説明したように空間的な捉え方をすると比較的理解しやすくなります。前置詞の後には名詞が来る場合と、動詞が来る場合とがありましたね。今日やった問題は前置詞の基本問題ですから、繰り返しやってみてください。

 それから、冬季特訓を受講希望のSさん、今週と来週の数学の授業は出席してください。三平方の定理と空間図形をやっておかないと、特訓の入試問題の最後の問題が解けません

 N君、ユークリッドの『原論』を市立図書館で探したのですか。あるわけないですよね。来週から『原論』を読みに学校からまっすぐに来ますか。いいですね。この本を置いている塾は全国でニムオロ塾だけかもしれません。良質の古典に触れる機会を提供することもニムオロ塾のレゾンデートル(存在理由)です。好奇心の赴くままに読み漁るのが一番好い。どうぞ、学校からまっすぐ塾へ来て読んでください。良質の本が意欲的な生徒にめぐり合えて喜ぶことでしょう。
 ところで、英国の貴族の子弟が行く全寮制のプライベートスクールでは、『原論』に載っている証明問題を抜粋したテキストを数学の教材に使っているようです。同じ中学生が英国で『原論』の定理と格闘している。ニムオロ塾でも貴族の子弟ではないが、ネムロっ子がオリジナルと格闘する。
 教材としては古典のほうが断然優れているのです。教科書の三平方の定理の証明は『原論』のオリジナルに比べてダサく、醜い。なぜオリジナルではなく、あのような証明を載せるのか教科書会社のセンスを疑います。
 塾においてある本は冊数は少ないですが、厳選してあります。英語も用法に関する素晴らしい本があったでしょう?あの本はOXFORD大学から出版されていましたね。
 書斎には3000冊を超える本がありますが、半分以上が専門書です。一度来て見ますか?コンピュータ、会計学、原価計算、経済学、歴史学、法学、医学、言語学など、君が喜びそうな本がありますよ。構造言語学の大家チョムスキーなどの原書を含めて、英語で書かれた本が200冊くらいはあるでしょう。経済学が専門の一つですからドイツ語で書かれたマルクスの本もあるよ。もちろん全部は読んでいません。でも半分くらいは読んだのかもしれません。

 今日の時事英語授業は北方領土 関連の記事を採り上げています

"Nemuro raid survivor longs for homeland"
    (The Japan Times, Sunday, September 23, 2007) 

 択捉に住んでいた山本昭平さんが、医者になるために旭川の親戚の家で受験勉強をしていたときに東京大空襲があった。3月のことである。東京の医科大学はそのほとんどが焼け落ちて、入学試験どころではない状況となった。進学を断念して郷里の択捉に妹と戻る。仕事で根室に来ていた父親と一緒に択捉への船便が出るのを待つ。1945年7月15日に船が根室湾を出ようとしたそのときに、根室空襲に遭遇する。山本さん親子三人は貨物船の船底にある客室にいた。船が出てまもなく、グラマン戦闘機が船に機銃掃射をし、ついでロケット弾を放つ。それが山本さんのすぐそば、1メートルの至近距離で炸裂する。そこまでが今日の粗筋でした。さあ、この後どのような展開が待っているのでしょう。わたしは記事を読みながらところどころで涙がとまりませんでした。取材の英訳がなかなかいい。ひとつだけ例を挙げておきます。

 In the countrysidewhere Yamamoto lived, war seemed far away until the morning of July 15, 1945 ---- a month before Japan surrendered to the Allied forces.
(山本さんが住んでいたのは平穏な片田舎だったので、1945年7月15日の朝(連合軍が日本を占領する一月前)まで、戦争は遙かなたの遠い出来事のように感じられた。)

このあとこういう文が続きます。山本さんはこのとき17歳でした。君たちの年齢に近い。感情移入しながら読んでください。そのときの山本さんの心情が君たちにはよく理解できるはずです

 On that day, Yamamoto, then 17, and his sister were on a cargo steamship with their father, who had come to Hokkaidou on business, waiting to go back to Etorofu because the chaos of the war was preventing him from going to college.

 8月15日の終戦までたった1ヶ月、7月15日に根室空襲があった。戦地は遙かなた。東京空襲で10万人が殺されたというニュースは報道規制で流れてはいないが、噂は広まっていたろう。遥か彼方の根室が7月15日の朝、突然戦場と化してしまう。その転換点の落差をこの記事の文はよく現している。片田舎ののんびりした空気と突然のグラマンの機銃掃射やロケット弾攻撃によるパニックの到来、その分かれ目が簡単な文章で素直に表現される。東京空襲で大学が焼け落ち、とても入試どころではない状況が伝わる中で、若い山本が悩み、その末に進学を断念して、失意のどん底でふる里へ戻る。悪いときには悪いことが重なるものだ。父親も仕事で根室に来ていた。その折に根室で空襲に遭う。ロケット弾攻撃後の状況を山本さんは淡々と話している。淡々と話すことでしか伝えられなかったのではないだろうか。この記事は44パラグラフで構成されている。A3の大きさの記事であり、文量が多い。4島の本土への窓口として栄えた根室である。高校の英語授業でこの記事を是非採り上げてほしいと願う

 このときの空襲の有様を私は母から詳しく聞いている。町の周りに焼夷弾を落として逃げ道をふさいだ後、中心部に焼夷弾をばら撒いていった。町の外へ避難できなかった多くの人たちが焼け死んだ。軍事施設のない根室で、数百人がこの空襲で殺されている。お袋は何も持ち出せずに着の身着のままでホニオイまで逃げ生き延びた。空襲が収まって翌日、戻ってきて死体をリアカーに載せて海岸へ運ぶのを手伝ったという。
 こちらのほうは母から聞いた話ではない。このとき碓氷商店は酒造米を炊き出しに使ったという。食料が配給だった時代、お酒の原料米も手に入れにくかったに違いない。貴重な原料米を炊き出しに使う、なかなかできることではない。自分の商店の損得勘定が先に立ったら、絶対にできないことである個人の損得の前に、公の損得がある日本人の美質がこの時代にはまだ生きていた。助かった人はほとんどの人が着の身着のままで逃げたから、炊き出しはありがたかったに違いない。物を取りに戻った人たちの姿を空襲が終わってからみることがなかった。何もかもかなぐり捨てて、生き延びることだけを選択した人たちが助かったのだろう。
 碓氷さんは敗戦によって択捉の缶詰工場を失い、大打撃を受けた。そのレンガ造りの工場はいまもロシア企業によって使われていると聞く。空襲と炊き出しは、敗戦による大打撃を被る直前の出来事である。戦前に比べて小さくはなったが、その商人道が廃ることはなかった。いまも脈々と生き、碓氷勝三郎商店の伝統となっている。三越百貨店から直接取引の要請が来ても、それを断り地元の問屋を紹介している。目先の利益で原則を崩すことがない。誇り高い地元企業があることを嬉しく思う
 
 根室の町で各分野に一人ずつ、個人の利害よりも公の利害を優先するような人材が、しかるべき地位でいれば、町の未来は明るいものとなるだろう。人口わずか3万1000人、若いエネルギーの大半が高校を卒業すると根室の外へと出て行き、戻ってこない。人材不足は否めない。地元に残る人材の潜在能力をどれだけ顕在化できるかに町の未来がかかっている教育が根室市の最重要戦略となることを願う

 


コメント(0)  トラックバック(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0