SSブログ
40. 医療四方山話 ブログトップ
- | 次の10件

#1385 医療四方山裏話 Feb. 19, 2011 [40. 医療四方山話]

 コメント欄に医療サイドから普段聞くことのできない話しを載せてくれた人がいるので、紹介したい。3回に分けて連載するつもりだ。


 「医療保険とは」1
 先ず、多くの方が誤解されている、或いは御存じないことがあります。健康”保険”であり健康”保健”ではありません。つまり平たく言えば、これはあくまでも病気の治療に掛かった費用を払ってくれるもので、健康を維持する(病気を予防する)為のものではありません。ですから「症状は何も無いけど、入院した序だから胃カメラもやっておきたい」は駄目なわけです。
 しかし現実には大抵の病院では希望通りやってくれます。「胃炎」や「胃潰瘍」の病名を付けると言う裏技で立派な治療行為に”浄化”するからです。一般的に保険上一つの治療行為は、標準的なものを中心にそれ程広い範囲までカバーしておりませ。良い例が投薬で、この薬の適応症はこれとこれだけと決められています。ですからその薬の適応症以外にも有効だからと言って違った症状に使えば適応外使用として査定されてしまいます。「保険上そちらの症状には別の薬があるのだからそちらを使え」と言うわけです。
 また主要な症状が仮に「心筋梗塞」だとします。その患者さんが便秘勝ちなので下剤を出せば、そのままでは査定されてしまいます。下剤の適応症に「心筋梗塞」が無いからです。では現場では・・・その下剤を保険で通すために「便秘症」と言う病名を追加します。このような理由でカルテ上の病名が次第に増えていきます。それがマスコミなどで「〇×病院は儲けを上げるために病名を水増ししている!」と書かれたりします。

 さて、治療行為であれば何でも保険の適応になるかと言えば「ノー!」です。保険ではそれぞれの疾患に対して標準的な治療法の枠があります。ですから未だ開発途上の癌の治療法や遺伝子治療などの先進医療や未承認新薬の使用などは対象になりません。また保険上不必要とされる行為にも保険は適応されません。
 皆さん御存知の形成外科での美容目的の治療行為の多く(治療が必要な病気と認定されない)や正常分娩(病気ではなく正常な”進行過程”と考える)、一般的な人工妊娠中絶(人間の勝手な社会的理由)、避妊手術、各種の健康診断(予防行為)などは全て保険適応外です。また薬にも有名なところで保険外のバイアグラがあります。


by 医療四方山裏話 (2011-02-17 16:02) 

にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村


- | 次の10件 40. 医療四方山話 ブログトップ