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#5096 国民の40%が頭痛持ち:北里大学客員教授五十嵐久佳医師 Oct. 30, 2023 [36. 健康]

 朝5時37分頃からのNHKラジオ番組で、頭痛学会理事の五十嵐久佳(ひさか)医師が解説していました。
 日本人の40%が頭痛持ちで、女性は男の3.6倍も多いということですから。男が9%、女性が31%であわせて人口の40%が頭痛持ちということになります。総人口に対する割合なので、男の9%、女性の31%ではありません。それでは合わせて総人口の20%にしかなりません。
 めんどうなの男女比が1:1だと仮定すると、男の18%、女性の62%が頭痛持ちということですよ。何だかヘンだと思うでしょ、日本の総人口は2023年10月1日現在推計値で1億2千4百万人ですからそれを使って計算してみましょう。男女比は1:1とします。男女はそれぞれ6200万人ですから、男は「6200万人×18%=1116万人」、女性は「6200万人×62%=3844万人」、両方の合計は4960万人です。これを総人口で割って百分率にすると、「4960/12400×100=40%」となります。女性は6割強の頭痛持ちがいるということです。男も6人に一人の割合、18%いるのですから、少ないとは言えません。それぞれ皆さん社会生活を営んでいますから、頭痛を抱えている人は日常生活や仕事に支障が出ているケースも少なくないでしょう。

 片頭痛と偏頭痛と2通りの書き方がありますが、日本の頭痛学会では「片頭痛」と書くそうなのでそれに倣います。

 ずいぶん多いなという気がします。古里の極東の町へ戻って20年間小さな私塾をやっていました。あるとき、中学生の女の生徒の手が止まって、しばらく観察していても動かないので、異常を感じて、そばに行って、「ひょっとして具合悪くない?」と小声で訊いたら、「わたし頭痛もちなんです、しょっちゅう頭痛がするんです、いまもそうなんです」、そう聞いてびっくりしました。この生徒は看護専門学校へ進学して看護師さんとして仕事しています。
 数回中耳炎になったことがありますが、耳の奥を針で指すような痛みで、とても本など読めません。歯痛でも同じで、痛みが増すと数学の問題を解くのもしんどくなります。意識が痛みを発しているところは集中してしまいます。周期的に襲うので、次の痛みが来るのではないかと不安になるのです。頭痛も似ているのかなと想像するしかありません。
 岩見沢の看護学校へ進学した男子生徒も片頭痛の持ち主でした。やはり授業中の様子がちょっとおかしいことがあったので、聞いてみましたら、当たっていました。照明が強いとそれが引き金になるようでした。頭痛がしてくると勉強が頭に入らない。「突っ伏して寝ていていいよ、おさまったら問題やってください」、塾長一人で教えている1クラス最大7人編成の個別指導塾ですから、調子の悪い時は寝ていて、他の曜日に来てもいいのです。集団指導ではありませんので、授業進度に問題はありません。問題集を解いて、理解できないところをわたしに質問して、その生徒の学力に応じた解説をするだけですから。
 軽度の頭痛に悩んでいる人は塾生たちを見ても少なくありませんでした。ひどいと学力の伸びにブレーキをかける場合があります。自分の頭痛に対する理解と、周囲の理解があれば、頭痛と上手に付き合い、影響を小さくできます。

 こんなに多い頭痛ですが、市販の痛み止めを飲んで我慢している人が多いのだそうです。
 五十嵐医師は頭痛専門医の受診の目安を5つ挙げていました。
①頭痛が1か月に5日以上ある
②毎週2日は頭痛薬を飲んでいる
③薬を飲んでも、頭痛が1時間たってもよくならない
④家事や仕事に差し支えるほど頭痛がする
⑤頭痛が不安になる⇒予期不安を抱えている

 市販の鎮痛剤の乱用で出てくる頭痛のことをMOH(薬物乱用頭痛)と言います。生理痛でロキソニンやバッファリンを常用している人が少なくないのですが飲み過ぎによって頭痛が起きますから、服用回数の多い人は予防薬へ切り換えたほうがいいそうです。頭痛専門医へご相談ください。塾生の何人かは効かなくなって飲む量が増えているって言ってました。
 これで、女性が男の3.6倍の頭痛持ちのいる原因がわかったような気がします。

 痛みを抱えているが、我慢して日常生活を送り、頭痛専門医で受診していない人が多いので、上記①~⑤に該当する人や、ふだんよりも急に頭痛が激しくなったという人は、頭痛専門医に受診をお願いしましょう。
 脳疾患、例えば脳出血や脳腫瘍で起きる頭痛があるので要注意です。
 三叉神経とは12対ある脳神経のひとつですが、三叉神経が圧迫されて起きる三叉神経痛や脳疾患で起きる頭痛など頭痛の原因はさまざまで、解明がされていない原因がよくわからない頭痛も多いようです。頭痛のタイプと自分の頭痛症状の特徴を照らし合わせて、どのタイプなのか探ってみましょう。一生付き合うことになるかもしれないので、相手(頭痛)をよく知っておくことは大切です。悪化させないことができるかもしれません。

 明日10/31朝5時35分頃から2回目の放送があるので、頭痛持ちの方は聞いて参考にしてください。
 頭痛持ちのみなさんの、悩みと痛みと不安がいくらかでも軽減できたらうれしい。

 片頭痛について解説した医師のサイトがあったので、紹介します。
*「片頭痛の特徴」

<余談:頭痛専門医の偏在、それを打開する遠隔診断システム>
 古里の地域中核病院は市立病院ですが、人口2.4万人で135ベッドの規模ですから、頭痛専門医は今までいたこともないし、これからもいないでしょう。120m離れた、釧路市の市立病院か芦野にある脳神経専門病院で受診するしかありません。
 片頭痛の潜在患者がたくさんいても、地域に頭痛専門医がいなければ拾いきれません。専門医の受診ができるのはごくわずかです。この問題はなかなか解決が難しいように思えますが、遠隔診療で対応で来る日がそう遠くありませんね。市立根室病院の頭痛外来を設置して、釧路の病院の脳神経科のドクターが症状を聞いて遠隔診断すればいい。MRIはあるので、頭部のスキャンはできるので、その画像の伝送も問題ありません。入社2年目の1986年に「臨床診断システム開発と事業化案」を書いて、SRL創業社長藤田さんの承認をもらい、フィジビリティスタディをしたことがありましたが、そういうシステムが地域医療を支える時代がようやく現実になりつつあります。うれしいですね。血液検査も病院が違っても、臨床医学会公表の日本標準臨床検査項目コードで全国の病院やクリニックのシステムが動いているので、問題なく使えます。1991年に大手6社と臨床病理学会(現臨床医学会)の産学協同プロジェクトで成立しています。コード管理事務局はいまでもSRLの学術情報部がやっているのかもしれません。あれは「臨床診断システム開発と事業化案」で提案した10個のプロジェクトのうちのひとつでした。臨床病理学会臨床検査項目コード検討委員会の櫻林郁之助教授(当時:自治医大助教授)と大手6社の産学共同プロジェクトを立ち上げるために最初の3度ほど参加しています。3年間くらい毎月一回の作業部会を開いて完成しました。臨床診断システム(エキスパートシステム)事業化はグローバルな展開を考えていたので、世界標準臨床検査項目コードがシステムを支えるインフラとして必要でした。
世界標準コードを制定するつもりでした。事業化案を書いてから36年、いまなら、通信速度やコンピュータの処理速度の制限がないので事業化できます。海外の企業がいくつも走っていますね。
 根室高校から旭川医大へ現役合格した生徒は、道北・道東推薦枠で現役トップ合格でした。2次試験の小論文が300点満点で295点でしたが、面接の点数が低かった。遠隔地域医療が面接で話題になったそうです。エキスパートシステムの話を、授業中に何度か雑談していたら、面接の点数もトップだったでしょうね。高校生には少し専門的過ぎる内容でしたのでしてませんでした。コンピュータシステムやコンピュータプログラムを利用した医学教育システムもその中に含まれていました。もちろん遠隔診断や遠隔手術に関する僻地医療の問題も網羅されていたのです。NTTデータ事業本部が美しいイラストをたくさん作成していましたね。NTTとのミーティングで、「30年後に必要となるので、それまで大切に保管しておきましょう」なんて発言したような気がします。
 こういう成長力がありリスクの大きいビッグプロジェクトを牽引できる人材が日本の大企業にはいないのでしょうね。年間売上が十兆円を超える事業分野に成長するでしょう、もったいない。
 政府が成長政策を声高に唱えても、やるのは民間企業ですから、大企業にそうした人材のいないことが大問題なのでしょう。なぜか?受験勉強ではそうした戦略構想力や実行力が育つことはないからです。難関大学出身者が多い企業は成長できないのでしょう。生態系と同じで、いろんな能力を備えた者が適当に混ざっているのがいい。
 難関大学出身者というラベルでひとくくりにしてはいけませんね。受験エリートたちの世界も玉石混交ですから。凄い人がたまにいます。


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