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#5044 トリチウムは除去できる Aug. 28, 2023 [8. 時事評論]

<最終データ更新情報>8/29午前9時<#3587胎内被曝と小頭症>追記

 トリチウムは取り除けないなんてことをマスメディアが報じていますが、真っ赤な嘘です。コストがかかるから東京電力はやらないだけで、原子力規制庁も異を唱えません。もちろんIAEAもです。

 米国とフランスの使用済み核燃料再処理工場が最大のトリチウム放出源ですから、これを規制するとこれら2か国は多額の処理費用を負担せねばならず、原子力発電も使用済み核燃料再処理工場も採算上不可能になります
 参考までに書くと、六ケ所村の再処理工場が2006年と2007年にアクティブ試験を実施していますが、そのときの排出量は1京8000兆ベクレルです。六ヶ所村の再処理工場が稼働すると毎年同じ量のトリチウムが排出されます。福島第一原発で保管している125万トンのALPS処理水に含まれるトリチウムは860兆ベクレルですから、再処理工場が排出する放射能汚染水の量は21倍です。

 トリチウムの除去技術について、7/10のヤフーニュースが「処理水からトリチウムを除去する技術は完成している」と題して報じています。
 昨年11月にネイチャーに掲載された新技術があります。京都大の北川進特別教授のチームが開発した方法で、従来法の100倍の効率が期待できるそうです。プロトタイプを作り、うまくいけば、この分野で日本は最先端のトリチウム除去装置を開発して世界中に販売できます。

 トリチウム水で忘れてならないのは、半減期間が12年ということです。40年保管すれば1/10となり、80年保管すれば1/100、120年保管すれば1/1000になります
 計算式は指数・対数計算ができればいいだけですから、高校2年生数Ⅱの知識だけで計算できます。
 ①y=0.5^x
 ②Z=12x

 1/10にするにはY=1/10として、対数をとります。「底変換公式」使って常用対数に変換して計算します。Y=3.321となり、Z=39.9年です。数学はとっても役に立つので、数Ⅱまではしっかり勉強してください。少し得意なら、数Ⅲも履修しておきましょう。文科系大卒でも社会人になったら数Ⅲが必要な仕事がたくさんあります。
 高校生は関数電卓を使えるようにした方がいいですね。わたしのおススメはHP-35sです。このシリーズを1978年から使い続けています、5台目。十数年前に10,500円で買いましたが、75,000円もするのですね、凄い値上がりです。アップルのスマホをもっている人は、ハイエンド機種だと関数電卓機能がついているので、それを利用できます。

 40年保管するには現在の福島第一原発の約4倍の敷地面積が必要になります。それと、タンクの耐用年数がそんなに長くはないでしょうから、40年に一度解体・建設作業が必要でしょう。その間には震度6強の地震があり得ますから、それに耐えうるタンクの開発も必要になります。要するに、現在よりもコストは10倍はかかるでしょう。原発は採算が合わない事業なのです。政府補助金や再処理コストや廃棄コストが入っていません。東京電力も政府も、嘘と偽りの採算データを公表しています。こんなことを続けているから、政治不信が大きくなるのでしょう。

 トリチウムを分離回収しても、今度はその保管が問題になります。放射のは煮ても焼いても減らないのです。

 問題なのは内部被爆です。2021年4月17日に公表された分子生物学者河田昌東氏へのインタビュー記事「トリチウムの人体への影響を軽く見てはいけない」をご覧ください。

 内部被爆問題を歴史的に眺めると、米軍は被爆の人体実験データが欲しくて、広島と長崎の住民を戦後も調査し続けました。実際に調査した医師は日本人の医師です。調査結果の口外は禁止されました。福島第一原発事故での内部被爆を言いつのれば、戦後の内部被爆人体実験データの存在が公にならざるを得ないし、協力した日本の医学者の良心の問題が取り上げられることになります。東大医学部を中心に各大学の医師たちが集められたのです。医学界の重鎮であった人も少なくないでしょう。彼らにとっては、被爆の治療もせずに、ただただ人体実験の観察記録のような仕事をしたわけですから、やった人たちにとってはとても不都合な事実です。
 内部被爆のむごたらしさが公になれば原爆開発が不可能になるという判断で、マンハッタン計画を指揮したレズリー・グローヴス准将が被爆データを隠蔽しました。彼は繰り返し内部被爆による影響はないと言い続けました。
 福島第一原発事故でも、内部被爆の問題は過小評価されています。小児甲状腺癌が多発していますが、調査の陣頭指揮を執った福島医大は内部被爆を軽視し、福島第一原発事故との関連性を否定しています。成長期の子どもが大人よりも放射能への感受性がずっと高いことを無視しています。論理的にいうと細胞分裂が激しい胎児へ一番大きな影響が出るということ。

 低レベルトリチウム水が染色体異常を引き起こすという論文がいくつかあります。太平洋で獲れた水産物を一番多く食べているのは日本人です。トリチウムの内部被爆によって、遺伝子が障害され、さまざまな染色体異常が発生することは想像に難くありません。ダウン症は21番染色体トリソミーによって起きます。たとえば、骨髄性白血病の罹患率は10万人当たり3~4人ですが、これが10人になったら、骨髄性白血病患者が2.5倍以上になります。さまざまな癌は遺伝子障害によって起きます。癌抑制遺伝子はいくつもありますが、それが障害されたら、多発性の癌に見舞われます。
 もう一度書きますが、放射能は若い人ほど感度が高いことに注意しましょう。一番影響を受けるのは胎児です。一つの卵子と精子が結合すると、爆発的な細胞増殖が始まります。成人よりも2ケタ感受性が高ければ、遺伝子が障害され胎児に何が起こるかわかりません。次に影響の大きいのは成長期の子どもたちです。小児癌の発生確率が2倍あるいは3倍になったらかわいそうです。骨髄性白血病が子どもたちに現れてからでは遅いのです。思春期の子どもたちの精神への影響もあるかもしれません。内部被爆で脳や人間の精神がどのような影響を受けるのかそんな研究はありませんから、何が起きるのか不安です。本人ですら理由のわからない犯罪が起きるのかもしれません。
 広島と長崎への原爆投下は胎児の染色体異常を引き起こしました。小頭症の子どもが45例生まれています。生きて生まれなかった子どももいます。駐留米軍はサンプルを全例収集して、秘匿しました。そのいきさつは弊ブログ「#3587胎児被爆と小頭症」に書いてあります。

 日本に新しい成長産業、トリチウム水処理装置事業を育てるために、そして唯一の被爆国である日本がトリチウム処理で世界に範を示すという意味でも、日本政府は福島第一原発事故で生まれた放射能汚染水問題から逃げてはならないのです。80年保管することで、1/100にできるなら、そうすべきでしょう。福島第2原発が廃炉になるので、そこへ運んで保管することだってできます。つまり、日本政府も東京電力もやれることをやりつくしていないのです。
 福島第一原発事故が起きたことは仕方がない、しかし、その汚染水の処理については世界最高の厳しい基準を作って、やりうることはやりつくしてもらいたい。決然とした誇り高い日本であってもらいたい。


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 こちらは、59,204円です。同じ品物で、ケース付き。標準でケースついてます。

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