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#5043 福島第一原発事故トリチウム排出で日本人が持つべき倫理基準 Aug. 27, 2023  [8. 時事評論]

 8月だから、原爆の特集番組をいくつかみました。その中の一つに長崎のものがありました、爆心地から山一つ越えた向こう側の西山地区の話です。
*「原爆初動調査 隠された真実(前編)」NHK

 爆風は山が防いでくれましたが、すぐに真っ黒い雨が降り注ぎます。その雨で住民のほとんどが被爆します。そのあと飲み水は黒い雨に汚染されていますが、それを飲むしかありません。ほどなくいろんな病気で人が死んでいきます。
 小さな村ですから、自給自足。放射能の汚染された畑でとれた野菜を食べるしかありません。うすうす危険だと知っていたようです。それでも、作った作物を売らなければ生活が成り立ちません。身体に悪いとわかっていても現金収入を得るためには、放射能で汚染された畑からとれた作物を売るしかありませんでした。住民たちは水や野菜を食べることで内部被爆しました。
 米軍は東大医学部をはじめとして、全国から医師を動員して内部被爆の実態調査をしています。その結果の報告書は全部米国に渡されました。調査内容について口外は許されませんでした。治療をしないで調査記録だけしていたのです。米軍は原爆の効果がどの程度なものなのか、人体実験データを集めたかった。
 内部被爆によって遺伝子が壊れ、骨髄性白血病を始めさまざまな癌を発症し、住民は亡くなりました。

 低レベルトリチウム水が染色体異常を起こすという研究があります。植物の種子を用いたものとヒト・リンパ球を用いた実験に関する論文です。

 トリチウムの排出で一番大きいのは使用済み核燃料の再処理工場から排出されるものです。2006年と2007年に六ケ所村の再処理工場がアクティブ試験をしました。そのときに排出されたトリチウムは1京8000兆ベクレルです。この施設は稼働していませんが、稼働すれば、毎年1京8000兆ベクレルのトリチウムを排出します。福島第一原発が今後30年間で排出するトリチウムの数十倍にもなります。

 1988年だったかな、SRLで染色体画像解析装置を3台導入したときに、製造会社のIRSの副社長へ八王子ラボで講演をお願いしました。わたしが調整した講演会だったので、講演が終わってから話す機会がありました。
「染色体の研究を30年間してきたが、最近染色体異常が急激に増えている。」
「原因はどのようなことが考えられますか?」
「シャンプーを疑っています」
そうおっしゃっていました。このドクターは染色体に関して分厚い著作のある方でした。シャンプーにはさまざまな化学物質が使われており、それらが頭皮細胞に入り込んで遺伝子を傷害しているのではないかというのです。

 それから1年後、わたしは学術開発本部へ異動し、放射線に関する専門家たちの合宿研修に参加しました。学術開発本部長あての招待状でしたが、前日に「俺は都合が悪いので、ebisu明日行ってくれ、合宿研修だ」、職務命令でした。(笑)
 専門家でもないので、仕方なくいきましたが、そこで面白い情報を耳にしたのです。札幌市の空間放射線量が高いので理由がいままでわからなかったが、どうやら、フランスと米国の使用済み核燃料再処理工場がこの緯度帯にあり、空中に排出された放射性物質がジェット気流に乗って流れてきて、ちょうど落ちるところが札幌市付近だと説明がありました。再処理工場は莫大な量のトリチウムを排出しています。
 染色体の専門家はシャンプーを疑っていましたが、再処理工場がばら撒く放射性物質もさまざまな癌や染色体異常にかかわる疾患を増やしている可能性が高い。
 低レベルでも内部被爆したらアウトです。身体の中を放射性物質の微粒子が駆け巡り細胞内に入り込めば、そこで放射能をだします。数年から十数年体内で放射線を出し続けます。だから内部被爆は怖いのです。

 米軍の原爆開発チームの責任者であったレズリー・リチャード・グローヴス准将は、戦後原爆被害実態の医学的調査資料を集めておきながら、あまりのそのむごたらしさに隠蔽の必要を感じ、内部被爆はないと言い続けました。内部被爆の実態を公にすると、原爆開発がストップしてしまうからです。
 いまだに日本では内部被爆に関しては口が重い。言えば、1945年8月6日と9日の原爆投下の被害実態が明らかになるからでしょう。東大医学部を頂点とする日本の医学会が米軍の被害調査に全面的に協力して、治療を一切しなかった、そして結果について公にもしなかったことがバレるからでしょう。福島第一原発でも内部被爆が大きな問題になることはありませんでした。しかし内部被爆は事実としてあり、深刻な問題です。

 日本は唯一の被爆国背あるからこそ、使用済み核燃料工場から大量に放射性物質を垂れ流してほうっかむりしている米国やフランスとは違って、汚染水の取り扱いに関しては厳格な基準で望むべきではないでしょうか?
 海にばらまいたトリチウム水は、いずれ魚の筋肉や脂肪にくっついて人間の体内へ入り込み、内部被爆を起こします。骨髄性白血病は10万人当たり3~4人の罹患率ですが、これが10人(1/10000)へと確率が上がれば、骨髄性白血病患者は3倍になります。
 海へトリチウム水をバラまいたら、もう取り返しがつかないのです。太平洋沿岸でとれた魚を一番食べるのは日本人です。わたしたちの子どもや孫に影響が出ます。
 だからこそ、他の国とは違って、日本は原発の処理水に関しては世界一厳しい基準で臨むべきなのでしょう。トリチウム水は排出しない。排出技術はあります。100倍も効果的な方法が提案されています。お金がかかるからハナからやるつもりがないのです。そんなイージーなことでいいのでしょうか。
 いい機会っですから、日本は世界に向かって範を示すべきです
 排出をやめて、トリチウムも炭素14も取り除きましょう。ごまかしは一切なしです。


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