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#5042 中国禁輸措置の影響:日本産水産物 Aug. 26, 2023 [8. 時事評論]

  福島第一原発ALPS処理水の放出が一昨日(8/24)から始まった。中国が日本産の水産物の全面輸入禁止を発表して、日本政府はあたふたしている。西村経済産業大臣は「受け入れられない、抗議する」とテレビで述べていたが、他国が買うのが嫌だというのに買えとは言えないのはあたりまえのことだ。いやなことに科学的論拠もへったくれもない。放っておけばいい。これをきっかけに、過度に中国に依存するのはやめるべきだ。

 中国の主張はさておいても、太平洋は日本の海ではない、国際的な共有財産だろうそこへトリチウム水を今後30年間も垂れ流し続けるというのは日本人が古来から持っている倫理感覚に反するような気がしてならない。太平洋は日本のゴミ捨て場ではない。トリチウム水による海洋汚染は米国西海岸のみならず、南米の西海岸へも及ぶことになる。

 低レベルトリチウム水が染色体異常を起こすという論文がいくつか存在する。植物の種を使ったものとヒト・リンパ球を使った論文である。トリチウムが出すβ線は体内では数ミクロンしか届かないし、エネルギーも低いので遺伝子を傷害することはないという専門家もいる。しかし、実験で得られた事実は事実である。糖や蛋白質や脂質と結びついてOBTとなって細胞内に取り込まれたら、距離ゼロだから内部被爆で遺伝子に重大な損傷が生じるだろう。実験で低レベルトリチウム水が染色体異常を引き起こすことはわかっていても、そのメカニズムはまだ確認されていない。確認されるまでどれほどの期間が必要かわからない。
 30年間福島第一原発から、薄められた低レベルトリチウム(半減期間12年)水が太平洋へ垂れ流し続けたら、だんだんたまってくる。

 福島第一原発事故による汚染水が問題になっているが、もっと深刻なのは2006と2007年に六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場でアクティブ試験をしたときに、1京8000兆ベクレルものトリチウムが放出されていることだ。国会で川田龍平氏が質問して出てきた情報である。質問がなければ都合の悪い情報が出されることはない。六ヶ所村を中心に北海道沿岸部も含めて住民の染色体検査を実施したら、すでに異常な状態になっているかもしれない。調べていないからわかっていないだけ。

 SRLにある、35年間約百万人の染色体画像解析データベースを使って調べたら、染色体異常の地域的・時期的な偏りがはっきりする可能性がある、調べる術はあるということ。染色体研究者にとっては百万人の染色体画像解析データベースは論文を書くための「宝の山」です。

 あの使用済み核燃料再処理工場が稼働すれば年間同量の低レベルトリチウム水が六ヶ所村の沖合3㎞の海底トンネル出口から放出される計画になっている。福島第一原発が30年間で予定している放出量の23倍である。日本人の国際的な信用を著しく傷つけ、国際的な信用を失わせる行為である。
 自民党保守派の中に反対を唱える国会議員がいないというのは実に嘆かわしい。日本人の遺伝子が壊され続け、さまざまな癌が増えることになるだろう。統一教会に毒された国会議員がいまだに跋扈しているような体たらくではお話にならない。

 さて、中国の需要増大とふるさと納税で、日本の水産物は値上がりし続けていた。どれくらいかというと、ホタテを例に挙げると、十数年前は2㎏2000円弱だった。いま、24000円もしている。2000円弱だった不揃いの冷凍ホタテを十数年前は古里の鮮魚店でよく買って食材として使っていた。地元で獲れる水産物は新鮮で安くておいしい、古里へUターンした大きな利点だった。昨年11月に首都圏へ戻ってきたが、5年以上冷凍ホタテを自宅で調理して食べていない。
 中国の需要がなくなったから、半値に戻ったとしても、十数年前の5倍の価格である。

 さて、東京電力は「風評被害」の保障額をどうするのだろう?統計データで証明すれば支払うというが、どこをベースにするかで補償額がまるで違ってくる。そして、補償に使われる資金を東京電力は電力量に上乗せして消費者へ転化するだけ、痛くもかゆくもない。東京電力の経営者たちのビジネス感覚は地に落ちている。何をしても恥とは思えぬように見える。

 中国需要増大とふるさと納税で高級水産物の価格は十数年でバカ上がりしてきた。それを当て込んで、売るものだから、国内の一般消費者は「高級水産物」は買えない状態が普通になってしまった。これが正常な状態なのだろうか?

 こういうビジネスの在り方を「浮利を追う」と称して、してはならぬことと戒めているのが日本の商道徳だったが、国内の一般消費者を無視して浮利を追い続けているのが日本のビジネスの普通の姿になってしまっている

 何かが狂ってしまっていると感じるのはわたしだけではないだろう。


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