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#5039 福島第一原発から出ている放射性核種は62種類か?Aug. 22, 2023 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 理論上存在が予想される核種はおよそ6000だという。その内放射性核種は2000種類。
 福島第一原発では、何種類の放射性核種が放出されたのだろう?
 実は誰にも分っていない。
 福島第一原発の1~3号機はメルトダウンを起こしており、核燃料ペレットは高熱で被覆管を溶かし、次いで格納容器の鋼鉄製の底を溶かし、その下のコンクリートも溶かして核燃料デブリと化している。核燃料ペレットが入ったさやは被覆管で覆われており、それにはジルコニウム合金が使われている。
 つまり、解けたペレットはジルコニウム合金や原子炉格納容器の底の材料やコンクリートと化学反応を起こし、デブリとなっているが、放射能が強すぎて、取り出せていない。だから、デブリの物理的・化学的組成はいまだに判明していないのである。それゆえ、汚染水に何種類の放射性核種が含まれているのか誰にも分かっていない。百なのか千なのか、そのオーダーすらもわからないのが実情である
 汚染水にはさまざまな放射性核種が含まれているが、それを明らかにするには汚染水ではなくてデブリの組成の分析が必要なのだ
 デブリの搬出機器を開発して遠隔操作でデブリを取り出そうとしているが、放射線が強くて電子機器が壊れてしまう。放射線に強い遠隔操作機器の開発は電子機器の素材開発から考えなければならないので、2011年3月の渡欧北巨大地震によるメルトダウンから12年たっても、取り出すことすらできない。

 さて、汚染水処理のALPSが吸着できるのはたった62種類の放射性核種である。たったこれだけを分離した後にトリチウムしか残っていないというのはあり得ない話だ。デブリの組成すらわかっていないで、汚染水に含まれている放射性核種のすべてが判明するわけがないと思う。わたしはそちらの専門家ではないから言っていることが間違っている可能性はあかるがデブリの化学的な組成がわからないのにそれが接触した汚染水に含まれる放射性核種がすべて明らかになるなんてことがないことは、誰にでもわかることだろう。燃料デブリを取り出した後で、それを専門家が分析してわかることなのだ
 燃料デブリの組成がわかってから、それが冷却水をどれほど汚染しているのか分析が可能になる

 だから、政府や岸田総理が「ALPS処理水はトリチウム水だ」と言っているのは明らかに虚偽である。デブリを取り出して分析しない限り、汚染水に含まれている放射性核種のすべては明らかにならない
 62種類以外にC-14やI-131、 I129、Cs-137、Cs-135などが含まれていることは前に「#5037」へ書いた。

 もうひとつ問題なのは、内部被爆である。薄めても放射能の量は変わらないから、それが生態系を通じて人間に戻ってくるのはあたりまえのことだ。つまり魚貝類を通じて人間に戻ってくる。トリチウム水HTOは魚や人間の体内に入るとOBTとなり糖や蛋白質や脂質と結合する。そして体内にとどまり続けるから、内部被爆で遺伝子が放射線の影響を受ける。染色体異常でさまざまな病気が発症することはよく知られた事実だ。21番トリソミーでダウン症が引き起こされるし、他の染色体異常で脊椎二分裂症や無脳症が生じることもある。この場合は母体が危険だ。
 内部被爆で遺伝子が障害されるが、さまざまな癌も引き起こされる。しかし、それらが内部被爆で引き起こされたかどうかは科学的に証明不可能である。

 問題は、骨髄性白血病やさまざまな癌に罹患する確率が増えることだ。一桁確率がアップしたら、患者の数は10倍になる。トリチウム水での内部被爆が染色体異常を引き起こすことは植物の種子やヒト・リンパ球を材料にして実験で科学的に証明されている。

 昨日、岸田首相は福島県漁連の関係者を首相官邸に招き、トリチウム水の放出の説明をした。漁連関係者は納得していない。トリチウムしか入っていないというのは科学的に虚偽だし、内部被爆についての説明はいまだになされていない。それなのに、明後日、8/24に放出することが決まっているようだ。

 癌の罹患率が1ケタアップしたら、どのように責任をとるのか。影響が出たときには岸田氏はとっくに総理大臣ではないし、亡くなっているだろう。国会で安倍晋三総理(当時)が118回も嘘をつき、それ以来、政治家が平気で大嘘を突く時代の幕が開けたように感じる。日本の政治はまるでパンドラの箱の蓋を開けたような様相を呈している。国の指導層がこんなことでは世も末だ。

<余談:少子化の進行>
 生殖細胞が内部被爆でダメージを受けると、生殖機能が低下するだけではない。遺伝子に傷がついた卵子に傷のついた精子が受精したら、そのほとんどが流れてしまう。日本人の生殖機能が低下することで少子化は社会経済的な要因に加えて、放射能汚染水の大量海洋投棄によってさらに加速するだろう。
 その一方で、遺伝子に傷がついた子どもたちも増える。ALPS処理水の海洋投棄はわたしには日本人殲滅計画の一部に見える。愚かな為政者たちが意図せずに犯す過ち、彼らが責任をとることはない。だが、その子孫たちはさぞかし肩身の狭い思いをすることになるだろう。なんだか気の毒な気がする。

<FB友の専門家へ確認してみた>8/23夜追記
 福島第一原発の汚染水に含まれている放射性同位元素はガンマ線検出器で(γ線を出す)全核種が同定可能だそうです。
 ベータ線検出器でもアルファ線検出器でも同じことでしょうね。どの放射線を出すかで使う検出器が異なります。線量だけでなく元素の同定ができるそうです。
 実際には、汚染水のサンプルが手に入らなければ確認はできません。
 二次処理したときに検出された炭素14がなぜ脱落している、その後ALPSの除去対象を1項目増やして63項目にしないのか、その理由は不明です。他の放射性元素が「処理水」中にあるのかないのかも不明です。γ線を出すC-14はγ線検出器で同定されていたはずですが、見落としたなんてことがありうるはずもありません。なぜ東電はそれを隠蔽したのか理由があるはずです。

 SRLには臨床検査で使用する放射線量を計測するガンマカウンターは6台ほどありましたが、ヨウ素125(半減期60日)で標識した抗体を用いて、抗原抗体反応を起こした数をカウントするもの、核種の同定はできません。
 ガンマ線検出器に核種を同定できるものが存在するということをわたしは知りませんでした。ネットで検索してみたら、セイコー社の「Detictive 200 ポータブルγ線核種同定装置」という製品がヒットした。現場で核種を同定する必要があるときに使用するもののようです。

 不安を取り除くために、願わくば、第三者機関で汚染水に含まれている放射性核種すべてを同定して、データを公表してもらいたい

*I-131は半減期が8.02日ですから、保管している間に消滅していますと専門家からコメントがありました。



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