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#5037 ALPSで除去できない放射性核種はトリチウムの外に12ある Aug. 19, 2023  [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 ALPSで取り除けない放射性核種は12種類あります。長周新聞の記事から一部を投稿欄に張り付けます。
 「2021年4月22日長周新聞」の記事です。
 このサイトには、「セシウム137,セシウム135、ストロンチウム90、ヨウ素131、ヨウ素129など12種類」と記されています。半減期5700年の炭素C-14も処理水に含まれています。テクネチウムTC-99もALPS処理水に含まれています。2021年10月18日の東京電力の資料です。この資料の中には選定された62種類の核種のリストがあります。

 結論を言うと、政府が言っているALPS処理水に含まれているのはトリチウムだけではありません。どうやら12種類の放射性核種が取り除かれないまま残っていますから、それを希釈して放出すれば、日本近海の放射能海洋汚染が起きます。

 2018年にALPS処理水を調べた結果、セシウム137やストロンチウム90、ヨウ素131などが限界値を超えて検出されています。東京電力はフィルター交換をケチったためと弁明しています。

 さて、ALPSは62種類の放射性核種をフィルターで補足できるとしていますが、その中に、ここに挙げられた12種類の放射性核種は含まれているのでしょうか。I-131やI-129、Cs-137、Cs-135、C-14はリストにありませんが、Sr-90は入っています。これらのことから、ALPS処理水に含まれている放射性核種はトリチウムだけという政府の発表は事実と異なるということです。東京電力と政府はバレる都度事実を小出しにしています。原子力規制委はほとんどなす術なし。ほんとうに専門家集団なのでしょうか?それとも事実をちゃんと知っていて、大ウソを平気でつくような人たちが政府によって選定されているのでしょうか?
 これでは、政治家や官僚は国民との間に信頼関係を築くことができません。自分たちだけがよければいい、不都合なデータは隠してしまえということのようです。大数学者の岡潔先生の言葉を借りると、動物本能である「自他弁別脳」の働きです。自分だけがよければいい。自他の区別を立てない「平等性智」でものごとを観て、判断してもらいたい。何人かそういう政治家や官僚が現れてもいいじゃありませんか。

 次回は、低レベルのトリチウム水が染色体異常を引き起こすという研究をいくつかご紹介します。白血病やさまざまな癌の原因、生殖細胞に異常が出れば催奇性の問題も現実になりますから、知っておくべきでしょう。トリチウム水を薄めて海洋放出しても人体には影響なしとの日本政府の主張が誤謬であることがわかります。


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ebisu

2021年4月22日の長周新聞より転載
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福島第一原発の敷地内のタンクに溜まり続けているのは、2011年の東日本大震災での地震や津波によって全電源を喪失した福島第一原発1~3号機(4号機は定期点検で停止中)で溶け落ちた核燃料を冷却し続けている汚染水だ。また、流入した地下水が核燃料デブリに触れて汚染水となっている。現在では1日に140㌧が発生しているとされている。

 政府や東京電力はこの汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理しており、海洋放出される処理水にはトリチウム以外は含まれていないので安全だとしている。また、トリチウムは海外の原発、国内の原発でも海洋放出しているので安全だといっている。

 だが、通常運転している原発から放出される排水とメルトダウンを起こした福島原発から放出されるALPS処理水はまったく性質が異なる。ALPS処理で除去できないのはトリチウムだけではない。セシウム137やセシウム135、ストロンチウム90、ヨウ素131やヨウ素129など12の核種は除去できていない。ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種だ。それは、通常の原発では燃料棒は被膜管に覆われ、冷却水が直接燃料棒に触れることはない。だが、福島第一原発では、溶け落ちて固まったむき出しの核燃料デブリに直接触れた放射能汚染水が発生しており、危険性は通常の原発排水どころではない。2018年にはALPSで処理したにもかかわらずセシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素131などトリチウム以外の放射性核種が検出限界値をこえて発見された。

 「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」では処分方法として最終的に五つの方法を提示した。その処分方法別の費用は34億~3976億円の幅があったが、結局もっとも安い費用で済む海洋放出(費用34億円)に決定した。科学的な安全性より「安さ」を選択したのだ。
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by ebisu (2023-08-19 11:54) 

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