SSブログ

#5038 低レベルトリチウム水でも内部被爆で染色体異常を起こす Aug. 19, 2023 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 政府はトリチウム汚染水は安全だと言っているが、ずいぶん以前から、低レベルトリチウム水(HTO:トリチウム水の化学式)が染色体異常を引き起こすという論文が発表されている。

 癌の発生とトリチウムの線量の間には正の相関があるので、低線量なら癌の発生はナシという結論が出せそうだがそうではない。トリチウム水による内部被爆はまた別で、低レベルトリチウム水が引き起こす染色体異常に関する研究論文が1972年に帝京大学医学部教授の田中信徳氏と東京都立アイソトープ総合研究所放射線障害研究室の黒岩常祥理学博士の共同研究が日本遺伝学会で発表されている。この実験に使われたのは植物だろう。
 その後、1976年に「物理保健」11月号に「低レベルトリチウムの遺伝的効果について」という論文が公表された。ヒト・リンパ球で低レベルHTOが染色体異常を引き起こすことが確認されている人間が内部被爆したら同じことが起きるということ
 
 政府はトリチウム汚染水は安全だと言っているが、ずいぶん以前から、低レベルトリチウム水(HTO:トリチウム水の化学式)が染色体異常を引き起こすという論文が発表されていることがわかる


 低レベルトリチウム水が、体内では糖・蛋白質・脂肪などの有機物と結合して十数年間体内にとどまり、内部被爆を起こすということ、白血病をはじめとしてさまざまな癌を発症させ、生殖組織も傷害する。精子や卵子の遺伝子を傷害し、深刻なダメージを与える。不妊が増えるということ。少子化は経済的な要因だけでなく、生殖組織のダメージによって、加速的に進行することになる。
 体内に入ったHTOは有機結合型のトリチウム(OBT)に変化し動物実験では造血組織を中心に障害を生ずることがわかっている。造血組織や生殖細胞に影響が出る。白血病を起こしたり遺伝的に催奇性をもつことが知られている。
*OBT:Originally Bound Tritium

 トリチウムはベータ線を出すので、簡単に遮蔽できるが、内部被爆すると遮蔽物なしで距離がゼロだから、生体への影響が大きい。ガンマー線の比ではない
 ところで、内部被爆による影響は、米軍がマンハッタン計画以来ひた隠しにしてきた事情がある。広島や長崎で大量にサンプルを集め、住民を移動させずにその影響を世代にわたって観察・記録し続けていた。被爆で最も都合の悪いものが内部被爆である。この問題を取り上げると米国から圧力がかかるだろう。だから、小児甲状腺癌の多発の調査を指揮した福島医大は内部被爆に口をつぐんだ。

 こうして福島第一原発でも空間線量が問題になるだけで、内部被爆の影響は無視され続けている。放射能が降り注いだ地域に子どもたちを居続けさせた政府の責任は限りなく重い。1か月以上にわたり放射性物質を含んだ塵を吸い込んだり、放射性物質が混入した水を飲んで、危険を知らされずに子どもたちは生活し続けた。風は吹くしホコリは舞い上がる、水道水も汚染されていた、内部被爆しないわけがない。ロシアですら、バス数千台で数日で住民避難を完了させたのに、日本政府は「直ちに健康に被害はない」と住民を放置した。そう叫んでいたのは当時の官房長官は民主党の枝野幸男氏だった。よく政治家を続けていられるものだ。その厚顔無恥にあきれてものが言えぬ。「わたしの判断は誤りでした、あまりにも重大なので政治家をやめます」とあの後で発言していたら、立憲民主党はこれほど国民に愛想尽かしをされることがなかったかもしれぬ。弁護士出身の国会議員は口舌の徒が多い。口が達者で、言葉に責任がない。論語に「巧言令色鮮し仁」というではないか。

 前回ブログ#5037で書いたように、ALPS処理水は炭素14やヨウ素131、セシウム131,セシウム129など11種類の核種が取り除けていないので、トリチウム水(HTO)ではなくて、「放射能汚染水」である。「処理水」にC-14の外の核種があるのかどうかは東京電力も原子力規制庁も発表していないのでわからないとしか言いようがありません。C-14が含まれていた事実から、トリチウムだけではないということは事実のようです。
 安倍元総理が国会で118回も虚偽答弁をしてから、政治家も官僚も都合の悪いことには嘘を平気でつくようになった。国の指導層がこれでは話にならぬ。
 健全な保守主義を標榜する政治家や官僚が現れてもらいたい。

 <結論>
 トリチウム水HTOは体内に取り込まれると、糖・蛋白質・脂肪と結合してBTOとなり、体内にとどまって内部被爆をし続けることになる。だから、薄めて低レベルにしてもトリチウム水の人体への影響は死活問題なのです。その海洋投棄は大規模な海洋汚染を起こし、白血病やさまざまな癌や催奇性のある遺伝疾患を広範に産み出すことになります。
 ALPS処理水だけの問題ではないのです。原発がある限りトリチウム水は大量に海洋放出され続けますから、原子力発電自体をやめなければいけません。骨髄性白血病やさまざまな癌や、遺伝疾患が急増しているはずです。

 SRLには染色体画像解析データが35年分ほど電子データとして蓄積されています。世界最大の染色体画像解析データで、百万人分くらいの染色体異常データがあります。それを福島第一原発以後と、トリチウム水HTOの海洋放出が始まった後で比較してみたらいい。凄い事実がはっきりするでしょうね。分子生物学者や遺伝学者は論文たくさん書けるでしょう、宝の山です。そのデータベースを調べたら、染色体異常に起因する疾患が激増していることが判明します。

 新型コロナワクチンでも副作用として骨髄性白血病が起きます。以前ブログで理由を書きました。新型コロナワクチン副作用に関するシリーズ記事になっています。
 高校時代の同級生50人の中で2人、白血病患者が出ました。一人は1月に亡くなっています。急性骨髄性白血病AMLの出現確率は人口10万人当たり3~4人だそうです。50人のクラスで2人なんてありえない確率です。

<余談-1:日本人の遺伝子の劣化とその影響>
 別の視覚から何が起きているのかを考えてみたい。日本人の遺伝子全体のプールがあると仮定しよう。11種類の放射性核種を取り除かずに、希釈してばら撒くことで、福島県の太平洋岸に放射能汚染が広がる。黒潮と親潮のぶつかる場所だから、そこで餌を食べて大人になる魚がたくさんいる。「小魚や貝類⇒中型の魚⇒人間」へと放射能が移転していく。重金属のような生態系での濃縮がなければ幸いである。
 トリチウムがこうした経路で人間の体内へ摂取されたら、有機結合型のトリチウムOBTとなって、数年間も体内にとどまり、内部被爆をし続け、遺伝子や染色体を傷害し、さまざまな癌が発症することになる。そして日本人の遺伝子プールは長期間にわたって劣化し続けることになる。
 これはまるで統一教会の目標とするものとそっくりに見える。病気が増えて医師が足りなくなり、医療費が増大して、教育や国防にまわるお金が少なくなるだろう。
 首都圏直下型地震や富士山大噴火、気象変化による集中豪雨と水害や土砂崩れの多発、東南海連動型巨大地震、千島海溝を震源とす450年に一度のM9クラスの巨大地震と津波、毎年襲ってくる台風。国債残高は増え続けいずれ政府財政が破綻する。国債発行残高を減らせる術がないのだから、いずれそうなる。
 現実を直視するなら、災害復興資金を1000兆円ほど積み立ててなければいけないが、現実は国債発行残高がとっくに1000兆円を超えている。しかもそのうちの55%ほどが日銀保有である。まことに危うい国家運営だと思わざるを得ない。政治家も官僚もどうしてこんなにいい加減になったのか?

<余談-2:HTOからトリチウムを分離する方法>
 多孔性材料をつかい、トリチウム水からトリチウムを分離する新しい方法が京大の北川進特別教授らによって開発されています。従来法に比べて100倍効率が良いと書いてあります。
 政府と東京電力はなぜトリチウムを分離回収しようとしないのでしょう?
 実はこの問題は福島第一原発のALPS処理水だけの問題ではありません。六ヶ所村の再処理工場で1993年にアクティブ試験が半年間ほどなされたときに、福島第一原発で保管している以上のトリチウムが空気中あるいは海へ放出されています。再処理工場はアクティブ試験をした1993年以来稼働していませんが、核燃料サイクルが回れば、使用済み核燃料再処理工場から、恒常的に莫大なトリチウムが垂れ流されることになるからです。福島第一原発のALPS処理水とは比較にならぬほどたくさんの量のトリチウムが海洋を汚染することになります。再処理工場が稼働したときの海洋へのトリチウムの放出管理目標値は年間1京8000兆ベクレルです。沖合3㎞推進44mのところから排出されます。福島第一原発から放出予定のトリチウムは780兆ベクレルですから、桁が違います、毎年福島第一原発にたまっているトリチウムの23倍が海底から放出されます
 それらのトリチウムを分離回収するには、原発の存続が問題になるほどのコストがかかるのでしょう。
*「報道されない六ケ所の再処理工場の恐ろしい実態」

<余談-2:魚類への生殖機能への影響>
 プランクトンや魚の生殖機能へも稼働中の原発から排出されているHTOが悪影響を与えているのではないか。悪影響があるとしたら、六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の稼働は生態系に取り返しのつかぬ大災害を引き起こすことになる。
 この方面の研究がほとんどなされていないので、分子生物学者でやる人がいたらありがたい。

<余談-3:季節の移ろい>
 うるさかった蝉しぐれは、今週に入って日ごとに音量を下げている。先週の2割もいるだろうか?
 夜になるとコオロギ鈴虫が鳴き始めた。


にほんブログ村 

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。