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#5030 「原爆初動調査の全貌」:NHK隠蔽体質の匂い? Aug. 6, 2023 [8. 時事評論]

 午後3時20分から、NHK衛星放送の標記番組の再放送を見ました。米軍は長崎県西山地区の残留放射能調査をし、さらに継続して健康被害も調査していたのに、原爆開発の責任者でもあったレスリー・グローブス少将は残留放射能はないと死ぬまで断言し続け、戦後も原爆開発に邁進しました。

 わたしが驚いたのは、福島第一原発事故の水素爆発の映像です。1号建屋の水素爆発でしたが、あれはこの番組ににふさわしい映像だったのかということ。
 1号炉、2号炉、4号炉は水素爆発だったようですが、3号炉の爆発は赤い炎と黒い煙がきのこ雲状に270mも吹き上げていました。ガラガラと大きなコンクリートの塊のようなものがその雲の中から落ちてくるのもはっきり写っていました。いまだに、明確な説明がありません。真上に270mも吹き飛ばすというのは、筒型の巨大な砲のようなものから発射されたと考えるのが自然でしょう。とすると原子炉格納容器と原子炉圧力容器の上部が吹き飛んだのではないでしょうか。格納容器にはコンクリート製の分厚い黄色い蓋があったはずで、爆発後の飛行機がとった写真には3号炉には黄色のふたの部分が映っていませんでした。水素爆発だと假定したら、高崎放射性核種観測所で、核爆発時直後にさまざまな放射性物質の核種を観測できるはずもありませんでした。状況証拠は核の暴発を指しています。
*爆発後の3号機建屋の写真
 「原爆初動調査の全貌」と題する番組ならあの爆発と3号炉建屋の放射能汚染のすさまじさこそ取り上げるべきではないのかと思いました。番組ディレクターはどういう判断で3号炉爆発映像を避けたのか知りたいものです。

 長崎県西山地区は爆心地とは離れています。山を越えた隣に位置して、プルトニウム原爆が爆発して大量の放射能を空気中にばら撒き、それが黒い雨になって降り注いだのです。住民はその後も危険を知らずに放射能汚染された水を飲み、その水で煮炊きをして生活し、畑で作った作物を食べ、そして商品として販売して生活していました。そういう状況下に30年以上も置かれて、急性骨髄性白血病やさまざまな癌を発症して相次いで住民がなくなったのです。人体実験そのものです。

 福島第一原発でも、4つの原子炉建屋が相次いで爆発した後に、北北西方向に風が吹き、放射能が狭い地域に高濃度で降り注ぎましたが、当時の民主党政権の枝野官房長官は「直ちに健康被害が生ずることはありません」とテレビで繰り返しました。放射能感受性の高い子供たちすら避難させず、そのまま汚染地域に放置したのです。長崎県西山地区の住民と状況が似ていませんか?

 NHKはそのこともこの番組では取り上げませんでした。戦後に駐留米軍がやったのと同じことを福島第一原発災害で日本政府(しかも、民主党政権)がしたのですから、取り上げるべきでした。

 福島第一原発事故で残留放射能汚染の問題はもう12年たってほとんど取り上げられません。たくさん出た子どもたちの甲状腺癌も因果関係なしということになっています。

 原爆被害も原子力発電所爆発事故による放射能汚染による被害も同じです。
 米軍による情報の隠蔽と住民の健康被害を無視して医学実験データを撮り続けた姿勢は、福島第一原発事故でもよく似ています。同じ構図で情報の隠蔽と被害の拡大が続いているのは怖いことです。

 放射線による被害は遺伝子を傷害して、代を継いで被害が現れるリスクがあります。
 1945年の広島と長崎への原爆投下は残留放射能問題と体内被曝による骨髄性白血病や癌などさまざまな病気を引き起こし、人々を苦しめ続けています。妊娠2か月で被爆して、生まれてきた子供が小頭症という事例が紹介されていました。

 NHKの報道番組の在り方が、戦争直後もいまもそれほど変わっていないことに慄然としました。受信料で成り立っているのですから、日本政府の意向に忖度しない報道姿勢を取り戻してもらいたい。


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