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#4960 酸化グラフェンがSARS-CoV-2mRNAワクチンに入っているのか?Apr.15, 2023 [35.1 COVID-19]

<最終更新>4/16午前9時 赤外分光光度計について追記
 午前10時半 HPLCについて追記

 SNS上で、FDA(米国食品医薬品局)へ提出されたファイザー社の資料の中に、ワクチンの材料として酸化グラフェンが使われているという記述があるという情報が盛んに流されている。

 気になるので、それらを調べてみたが、1次資料に言及していないものがほとんどである。根拠になっているファイザー社の資料をチェックしてみた。ファイザー社の提出資料には次のように書いてある。

3.4. Cryo-EM of P2S
For Twin Strep-tagged P2 S, 4 μL prified protein at 0.5 mg/mL were applied to gold Quantifoil R1.2/1.3 300 mesh grids freshly overlaid with graphene oxcide. The sample was bottled using a Vitrobot Mark IV for 4 seconds with a force of -2 before being plaunged into liquid ethane cooled by liquid thane cooled by liquid nitrogen. 27,701 micrographs were collected from two identically prepared grids. ... 

 Cryo-EMとは透過型の低温電子顕微鏡で、前処理で精製したmRNA(プロテイン)を液体窒素で処理して、酸化グラフェンで覆った300の穴の開いた網目状のグリッドにセットするということのようだ。だから、ワクチンに酸化グラフェンが入っているわけではない。それを酸化グラフェンで覆った金製の300の網目状のグリッドに載せて透過型低温電子顕微鏡で測定し、コンピュータで三次元カラー画像に加工するということ。

 何を勘違いしたのか、たとえば「情報公開請求「ファイザー社のCovid 19ワクチンの製造工程における酸化グラフェンの使用を確認」なんて解説をしているサイトがあります。このサイトが参考にした記事を追っていくと「ファイザー社の機密文書によって、「ファイザー社のCovid-19ワクチンの製造工程における酸化グラフェンの使用」が確認された!」」というサイトに行きつきますが、そこに根拠として引用されているのは、先ほど紹介した文書です。
 電子顕微鏡で測定し、三次元カラー画像処理するのに、資料を酸化グラフェンで覆ったグリッドに置くだけのことです。電子顕微鏡の測定について知識のない人の読み違いのようですね。わたしも電子顕微鏡については専門知識も使った経験もないので、調べました。
 先入見というのは恐ろしいもので、ワクチンに酸化グラフェンが使われていると思い込んだら、こんな説明を見ても、ワクチンに酸化グラフェンが使われているというような誤読をしてしまうのです。そして、ネットにアップする。悪気はないのでしょうが、「困ったちゃん」であることは確かです。

 SNS上にはいろんな情報が流れます。そういう時は1次情報を示していないサイトは信用しないほうがいいでしょう。2次情報を元にしているサイトは、「誰々がこう言った」というだけのものです。自分で1次情報を検証していません。
 もう少し突っ込んで分析してみます。「3.4.」というのは「第3章第4節」という意味です。該当部分はファイザー社が公にした試料の7ページ目にあります。そして「Cryo EM」とは「クライオ電子顕微鏡」のことです。平均的な高校生の学力があれば、辞書を引き、ネットで検索すれば「透過型低温電子顕微鏡」がヒットします。そこを読んで理解する国語力と周辺知識があればいいだけ。そんなに高度な学力がなくてもこの「第3章第4節」何をテーマにしているのかは理解できます。「For Twin Strep-tagged P2 S」は副詞句ですから内容がわからなくてもいいのです。物質を測定する前には前処理工程のある場合が多いのですが、mRNAを測定するにはワクチンの入った溶液からmRNAを精製しておく必要があります。そのためのキットのようですね。
 たとえば、カルシウムが主成分の腎臓結石や尿管結石、黒っぽい色のビリルビンが主成分の胆嚢結石や胆管結石、脂肪が固まっできた半透明の黄色っぽい飴色結石などがあります。これらの成分分析をするときには、精工舎製のアームロボットで結石を砕いて穴の開いた五円玉のような金属板に押し固めて並べます、そうしてから順番に赤外分光光度計に資料をセットして測定します。赤外分光光度計の中にはデータ処理部としてコンピュータがあり、その中にある物質のライブラリーと突合して結石の成分が何でできているのかを調べます。結石の成分によって処方する薬が違うのです。
 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は物質の分離や測定に使われることの多い理化学測定器ですが、夾雑物の除去や濃縮、希釈などの前処理が必要です。充填剤が詰まったカラムの中をサンプルが移動してくる速度の差で物質が何であるのかをグラフで表示する機器ですので、前処理工程が分析の精度に大きく影響します。GCMASS(質量分析器)も液体ではなくガスを使うだけで同じです。このように理化学的な測定には前処理工程のあるものが多いのです。電子顕微鏡では資料が小さいので、標的物質がその中に存在しなければ測定できないので、前処理工程でmRNAの精製処理が必要なのだと思います。
 話をファイザー社の公表文書に戻します。ネットで検索してキットであることはわかりました、肝心なのは主語と動詞です。主語である4μLの精製プロティンというのはワクチンに含まれているプロティン(mRNA)のことでしょう、それが「(電子顕微鏡のグリッドに)置かれたwere applied」ということです。何にセットされたのかはそのあとのto以下の句が説明しています。「金製の網目のグリッドに」で、そのグリッドの説明の部分に酸化グラフェンが出てきます。「酸化グラフェンで覆われたoverlaid網目状のグリッドに」ということ。そのあと「4μgのプロティン=mRNA」が「the sample」という用語で置き換えられた文章が続きます。バイヤルに詰めた機器の名称と液体窒素by liquid nitrogenを使ってサンプルが冷却されていることがわかります。あとは、透過型の低温電子顕微鏡をネットで検索したらいいだけですよ。
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* Twin Strep tag P2とは、mRNA精製用のストレプトアピジンに結合する8個のアミノ基からなるタグのことです。組み換え蛋白質の精製に使います。
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 ネットにはさまざまな情報が流れます。EMがなんであるか辞書すら引いて確認せずに、ファイザー社の資料で酸化グラフェンが製造工程で使われているなんてでたらめな情報を発信する者が雨後のタケノコのように現れます。情報の真偽を確認したかったら、自分で一次資料に当たり、辞書を引いて調べるしかありません。必要なのは高校卒業程度の学力です。成績上位1/3の高校3年生なら理解できます。

 ところで、日本の総理大臣は小泉純一郎総理の頃から目立って嘘が多くなりました。民主党政権でもそうでした。安倍政権になって嘘と不正直があたりまえになり歯止めがなくなりました。騙されないためには政府のプロパガンダ情報を自分で確認して真偽を判断するしかありません。
 厄介な世の中になりましたが、高校生程度の学力があれば騙されずにすむことは、酸化グラフェンの問題でお分かりいただけたと思います。

 mRNAワクチンについてすこし言及してみたいと思います。ワクチンのmRNAは細胞にたどり着くとスパイク蛋白を産生します。細胞が「SARS-CoV-2ウィルスのスパイク蛋白の製造工場」になります。すると、それに対する抗体が免疫システムでつくられます。
 当初の政府や専門会議の説明ではワクチンを打った筋肉内でとどまり数か月間で消えるという話でしたが、実際にはそうではなくて全身に回ります。mRNAは免疫システムに異物として認識されてすぐに分解されたり貪食細胞に消化されてしまい、そのままでは細胞までたどり着けません。それでは効果がないので、mRNAワクチンは異物として認識されないように、あるいは分解されないような改造がなされています。だから、いつまで体内に残っているかは不明なのです。分解が遅くて細胞内に残り続けていたら、肝臓などでスパイク蛋白が大量に産生されて過剰になります。これは不要な抗原ですからそれに対する抗体が次々に産生されて過剰になると副作用が出ます。罹ってもいないCOVID-19の抗体が盛んに作られて暴走し、他の免疫が働きにくくなります。過剰な抗原(スパイク蛋白)と抗体産生によって免疫暴走が生じ、サイトカインが大量に分泌されて血管内皮細胞が炎症を起こします。その結果、血栓や溶血という凝固障害が副作用として生じます。
 人間の体内のことですから、個人差が大きい。だから、ワクチンで死亡しても因果関係をこちら側で科学的に証明することはほとんど不可能です。ワクチンの副作用で重篤な後遺症が残ったり死亡しても、保証はされないということ。政府は保証すると言っていますが、実際に保障されたのは数例です。

 いま、ワクチン接種率の高い国で、異常に超過死亡率が上がっていることが問題になっています。ワクチン投与によって免疫の低下や過剰反応が起きていることをうかがわせます。日本もそういう国の一つです。超過死亡についての研究がこれからたくさん出て来るでしょう。
 帯状疱疹が激増しているようですが、これは免疫が低下するとウィルスが表面化するからで、mRNAワクチンが当初の想定とは違って体内に残存し、過剰なスパイク蛋白を産生し続けて、副作用を引き起こしている可能性があります。
 次のサイトをご覧ください。

*「『ファイザー社からmRNAワクチンが全身に広がる報告』主流メデアにより隠蔽された国際的な公衆衛生犯罪」

 このサイトに透過型(X線)低温電子顕微鏡の測定についての解説動画がありますので、ご覧ください。ラボへ行って、電顕の前で研究者に説明してもらわなくてもネットでこうして閲覧できるのですからありがたい。
 "What is Cryo-Electron Microscopy(Cryo-EM)?"
**「極低温電子顕微鏡に言及した文書は、phizer社のCOVID-19ワクチンに酸化グラフェンが含まれていることを証明するものではありません」

 COVID-19mRNAワクチンを打つべきか打たないべきかは、自分でよくよく考えて決めましょう。しっかりした情報に基づいて判断しなければいけません。2次情報に踊らされてはいけません。
 通常の臨床治験をしないまま特例承認したので、わたしはこのワクチンを打っていません。SRLの臨床治験合弁会社の経営に3年弱携わっていたので、リスクが大きいと当初から判断していました。接種を始めたあとでも後追いで臨床治験はできたのにやりませんでした。政府は効果のはっきりしないmRNAワクチンを8億人分も購入して後に引けなかったからでしょう。半分以上が捨てられました。ファイザー社は売上が2倍になっています。企業収益やファイザー社からの政治献金、臨床治験に参加しているドクターへのお金のバラマキ、政治家の「COVID-19対策=やっているふり」、感染研研究者の利害なども考慮に入れて考えてはじめて全体像がつかめるのでしょう。

 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」が企業倫理として求められる時代です。


<余談:理化学計測器>
 一般的に、理化学計測器は、「ディテクター部+データ処理部+インターフェイスバス」で構成されています。ディテクトするのが光りであれば、それらは周波数帯で分かれます。電気的なディテクターもあるし、HPLCのようにカラム充填剤でサンプルの成分を分離して、同定・定量分析するという方式のものもあります。時間周波数標準機は発振器からの出力信号の周波数を元にして計測します。1980年頃は、発振器にはクリスタルやルビジウム、水素メーザーなどが使われていました。HP社とオシロクォーツ社が2大メーカーです。
 電磁波を波長の長いものから短いものへ並べると次のようになっています。

  マイクロ波>ミリ波>赤外線>可視光線>紫外線>X線>ガンマ線
*「電波の周波数による分類」より


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