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#4855 Lesson 10 : Human BUYology Oct. 22, 2022 [49.2 PROMINENCE Ⅲ]

<最終更新情報>10/23夜9時 No.6へモクロ―さんの投稿を貼り付け

 PROMINENCE ⅢのLesson 10”Human BUYology”を取り上げます。今回は生徒の気分になって、スラッシュ入れて、チャンクごとに語順通りに読解していきます。音読トレーニングに参加してない高校生にやりかたを見せてあげたいと思ったからです。語順通りに、後戻りしない読み方に替えただけで、読む速度は2倍以上になります。いま全国模試で、英語の問題を解くのに時間の足りない人は、はやく身につけたい技です。
 でも、複雑な構文や、省略の多い文は別なのです。スラッシュリーディングでは当面は歯の立たない文もあるということ。[新月]をつけて明示しておきます。でも、そんなに頻出しないので、心配いりません。大方は、語順通りのスラッシュリーディングで間に合うのですから。
 意味がつかめたあとで、リテンションと組み合わせたら、読解が作文トレーニングにもなります。読み・書きの両方が揃うと、あなたの英語力は大きくアップします。

 Biology(生物学)をもじって同じ音のBUYologyと洒落たところを見ると、「買い物学」のようですね。買い物とは何かなんてことから始めるのかな。

(1) Have you ever been to a store/ not intending to buy anything,/ only to come home/ with a whole bunch of goods?? Believe it or not,/ the hard sell starts long before/ you hit the mail.? Advertisers use everything/ from product placement in moves and TV shows/ to subliminal messaging/ to get us to buy their goods.?

only to~:結局~する羽目になる

「お店に行ったことありますか?/なんにも買うつもりがないのに/結局は家に帰る羽目になる/どっさり商品を抱えて。信じるか信じないかどっちだっていい/買いたくないものすら買わせるのはずっと前から始まっている/あなたがメールを開封する。広告を出している企業は何でも利用しちゃいます/映画やテレビ番組の中に製品をそれとなく置いて/(説明ルール:説明は後に置く)それがサブリミナル・メッセージ/(説明ルール:理由・目的)スポンサー企業の製品を買わせるために」

 こんな風に読んでください。意味がつかめたら、このスラッシュを入れた日本語訳を英語に戻して口に出していってみましょう。5回やってください。それがリテンションです。

 ところで、サブリミナル・メッセージという語彙を知らないと、意味がつかめませんよ。青太字部分をクリックして、秀逸なサブリミナル・メッセージの具体例をご覧ください。
 じつは英文を読むのにも、日本語語彙が大きい方が圧倒的に有利なのです。いろんなものを読み、見て、聞いてください。知らない語彙が出てきたら国語辞典を引きましょう。ふだんそういうことを心がけているのといないのでは、たった3年間でも日本語や英語の理解力に大きな差がつきます。もちろん、高校の全科目の教科書も日本語で書かれているので、日本語語彙が貧弱だと、理解できないところが頻繁に出てきます。語彙力の豊富な人は、高校の主要科目の予習が短時間で簡単にできます。予習してあれば、授業は理解が進んでずいぶん簡単なものに変わります。

(2) Already affected up/ by these messages,/ once you arrive at the mail,/ you are an easy target.? There are confusing layouts/ designed to keep you/ in the shop/ for as long as possible,/ aromas/ that put you in a relaxing holiday mood/ and clothes/ that are simply wanting to be touched and tired on.

「すっかり汚染されてしまっています/(説明ルール:手段)サブリミナルメッセージで/一度でもメールが届けば/あなたは篭絡可能な標的です。ごちゃごちゃしたレイアウトがあります/あなたをつかまえておくようにデザインされた/(説明ルール:場所)お店の中に/可能な限り長い間/アロマがあります/(説明ルール:関係節修飾)心休まるお休みムードにあなたを包み込むために/そして衣類があります/(説明ルール:関係節修飾)単純に触ったり試着したくなるような」

 さっそく省略がある文が出てきましたので、省略されたものを補って読んでください。慣れたらすぐに補って読めますよ。
 [there are] aromas that put you in a relux mood
 [there are] clothes that are simply wanting to be touched and tried on
 同じ語句の繰り返しは避けます。[...]で省略部分を補いました。
 文章が冗長になってしまいますから、省略できるものは省略します、そして節は句に書き換える。そうするとコンパクトな切れる文章になります。よく読むことは、よく書くことに通じます。


(3) Mail and store designers map out the journey/ they want shoppers to take.? For example,/ supermarkets place fruit and vegitables/ at the front/ and to the consumers' left.? This is make people feel better/ about guiltier purchases/ they may make later/ --- such as sweets, beverages, and other luxuries --- and to draw them/ past as many goods as possible on their way to necessities.

map out:綿密に計画する
journey:旅、行程
 旅では意味をなしません、ここでは「経路」や「動線」と訳したほうがよさそうです。
draw:注意などを引きつける SVO
 to drawという不定詞句の意味上の主語は「store designers」です。目的語Oは「shoppers」です。
このto不定詞句のおおよその意味は次のようになります。
「[店舗設計者は] 買い物客をできるかぎりたくさんの商品の前を通り過ぎるように引きつけます/(説明ルール:場所)生活必需品へと至る途中で」

「モールや店舗設計者は綿密に買い物客の動線を検討します/店舗設計者は買い物客を誘導takeしようとします。たとえば、スーパーマーケットでは果物と野菜を置きます/入り口付近、買い物客の左側に。こうするとthis、買い物客は気が楽になります/買ってはいけないものを買うことについて/後で気がつくかもしれませんが、身体によくないお菓子や、清涼飲料水や本当は不要な贅沢品の類/そしてそういうたくさんの商品を通り過ぎます/(場所)生活必需品へ至る経路の途中で」

 モールはスーパーをいくつも合わせたような巨大な施設です。ハワイにはアラモアナセンターというモールがあります。ここが目当てで繰り返しハワイ旅行する女子社員がいました。

(4) Danish marketing researcher Martin Lindstrom spent three years/ and seven million dollars to find out/ about the brain's "buy" switch/ with more than 2,000 volunteers/ from China, Japan, the U.S., Germany and Britain.? He revealed that/ companies around the world are discovering that/ they would be better off/ not just making us see lots of logs,/ but appealing to our senses as well.

bebetter off:「より良い状態である」
logo:logotypeの略で「社名や商標を表すシンボルマーク」です。
as well : その上、おまけに
 ”Practical English Usage”p.37より
 alsoとas wellとtooは意味が似ているが節中での位置は同じではない。alsoは動詞の前か文頭であるが、as wellと tooは文末に来る(日本語では「その上」は文頭にしか来ないことに注意)。
 She not only sings; she also plays the piano. 
 She not only sings; she plays the piano as well.
 She not only sings; she plays the piano too.
   It's a nice house, but it's very small. Also, it needs a lot of repair.

「オランダ人のマーケット・リサーチャーであるマーチン・リンドストームさんは三年間と7百万ドルを投じた/(説明ルール:理由)脳の「買う」スイッチを発見するために/(説明ルール:手段)2000人のボランティアを使って/(説明ルール:出身地)中国、日本、米国、ドイツ、英国出身の。 マーチンは以下のことを明らかにした/世界中の企業がいま発見しつつある/(説明ルール:関係節修飾)広告スポンサーはよりよいであろうと/たくさんのロゴをわたしたちに見させるだけではなく、買い物客の五感に訴える」

 チャンクごとに区切って語順通りに訳したのでは、最後の文の意味が取れませんから、書いてみます。
[新月]「マーチンが明らかにしたのは、たくさんのロゴを見せるだけではなく、そのうえさらに五感に訴える方がいいことに世界中の企業が気がつきつつあるということです。」
 they=companies around the world


(5) Our senses are incredibly important/ in helping us interpret the world around us/, and in turn play an important role/ in our behavior.? Of the five/, smell is the most primal, the most deeply rooted.? It is the only sense/ that bypasses the rational part of our brain/, and brings back memories and strong feelings/ even when the smell is not real.? When we smell something/,our emotions and sense of well-being are stimulated.? As a result/ our response is instantaneous.? With all other senses/, you think before you respond/, but with scent/, your brain responds/ before you think.

in turn:「順番に、次いで、同様に」
well-being:幸福
instantaneous:瞬間の
scent:香り、匂い

「わたしたちの五感は信じられないくらい重要なのです/周りにある世界をわたしたちが解釈するのに役に立ちという点で/同様に/ごかんはわたしたちの行動においても重要な役割を演じています。五感の中では/嗅覚が一番本能に近い/一番根っこが深いところにあります。嗅覚のみです/嗅覚は脳の理性的な部分を飛び越えてしまいます/記憶と強い感覚を呼び起こします/匂いが現実のものでなくてもです。わたしたちが何かの匂いを嗅ぐときには/感情と幸福感が刺激されます。その結果/反応は瞬時に起きます。嗅覚以外の他の感覚を使うときには、感覚器官が反応する前に考えます。だが、匂いを使って、あなたが考える以前に脳が反応しています。」

(6) This helps us understand/ why most modern supermarkets now have bakeries/ so close to the store entrance.? Not only does the aroma of just-baked bread signal freshness/ and create powerful feelings of comfort/, but store managers know that/ when you smell the aroma of bread and dougnuts/ you will get hungry/ --- to the point/ where you just may discard your shopping list/ and start picking up food/ you had not planned on buying.

 二つ目の文のsignalは動詞ですよ。ここはSVOの第3文型です。なぜ疑問文の形になっているのでしょうね、解せません。主語が長いことが関係しているのかな?こんな用法見たことありません。強調のdoは動詞の直前に置きますから。
  Not only the aroma of just-baked bread does?signal?freshness and [does]?creat?powerful feelings of comfort, but store managers know that when yousmell the aroma of bread and dougnuts you will get hungry.
 こう書くのが普通だと思います。わたしはdoesを入れた筆者の意図が読めないのです。率直に言うとおかしな文に見えます。どなたかわかったら投稿欄で教えてください。

 モクロ―君から投稿がありましたので、転載します。
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Not only does the aroma……のdoesですが、倒置でしょう。

本来の文は 確かに 
does signal……and does create………
ですが、動詞部をさらに強める感覚で助動詞のdoesが主語の前にでたものでしょう。

同じ意味の語が近いところで繰り返し出てくると英語の感覚では語彙が少ないとみなされるので、それを避けてsmartな文にするはたらきもあります。

by モクロー君 (2022-10-23 20:17)  

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モクロ―さん

コメントありがとうございます。やはりこの箇所、見落としがありましたか。気になっていました。

強意のdoesが動詞から離れて、主語の前に出るのは、疑問文と形が同じになるので、避けたい書き方ですね。否定辞が文頭に来ている場合だけに限定されるようです。それなら疑問文とは区別がつきます。
安井稔『英文法総覧』p.546にそういう例が載っています。
Little did I dream that I should never see him again.
「わたしは彼にもう二度と会えないとは夢にも思わなかった。」
Not once while I was in the Netherlands did I see a traffic accident.
「オランダにいた間、一度だって交通事故を見たことがなかった。」

さて、本欄の方へ手を入れてみます。

by ebisu (2022-10-23 20:55)
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 少し付け足します。倒置変形手順を書いておきます。
I dreamed little that I should never see him again.
 ⇒ Little did I dream that I should never see him again.
 littleの位置が文頭に来ることによって、didが主語の前に現れます。否定辞のlittleが文頭へ異動することで否定辞と主語の間に倒置のマーカーとしてdidが置かれます。
 次の文例も同じです。
While I was in the Netherlands I didn't see a traffic accident once.
Not once while I was in the Netherlands did I see a traffic accident. 

もう1例出しておきます。
Mr. Brown had little slumber that night.(その夜のブラウン氏はほとんど眠らなかった)
Little slumber did Mr. Brown have that night.  同書p.548

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「匂いがすると理性がすっ飛んでしまうということはわたしたちがthat以下を理解するのに役に立つ/スーパマーケットのほとんどになぜパンの製造設備があるのか/入り口のそんなに近くに。焼けたばかりのパンが新鮮な信号を送りだす/そのうえ、[パンを焼く匂いが]強い満足感を産み出します/店長は知っています/パンとドーナッツの匂いがすると/買い物客のお腹がすきだすのを/---/そこで買い物リストが頭の中から飛んでいってしまいます/お客は食べものを買い物かごに入れ出します/購入計画にはなかった」

 チャンク単位でのスラッシュリーディングで、意味はとれましたか?この程度の文なら「語順通りのスラッシュリーディング」で大丈夫だということです。PROMINENCE Ⅲなら8割前後はスラッシュリーディングで読めるでしょう。リテンションもこの訳文を参考にチャンクごとの意味のカタマリを意識しながら積極的にやってみてください。

(7) Although/ there is now little data/ on whether pleasing aromas increase sales/, scent-marketing is coming to a store near you.? In the U.S.,/ some stores have introduced "aromatic billiboards"/ which put out the smellof delicious steak or waffles/ to attract coustmers to nearby shops.? In Japan, Matsizalaya Department Store releases different scents/ into the air/ depending on the time of day/; stimulating scent are released/ early in the day/, while soothing scents are relesed/ later in the day.? All are aimed at/ encouraging customers to spend as much time/ --- all money ---/ in the store as possible.

scent:香り、匂い
billboard:広告板、掲示板
「aromatic billboards」はネット検索してもヒットしません。米国ではそんな語彙はなさそうですが、米国でこのアロマチック・ビルボードが導入されていると書いてありますね。
soothe : なだめる、<神経、感情>を静める

「けれども/いまのところほとんどデータがない/好ましい香りが売上を増やすのかについて/匂いを利用したマーケティングがあなたの近所のお店までくるのか。 米国では/アロマティック・ビルボードを導入しているお店があります/アロマティック・ビルボードはおいしそうなステーキやワッフルの匂いをお店の外へ出しています/(説明ルール:目的)お店の近くの顧客を引くつけるために。 日本では松坂屋百貨店が香りを漂わせている/時間ごとに/;早めの時間には刺激の強い香りを/感情を穏やかにする香りは遅い時間に放散されています。 すべての香りが狙いを定めています/多くの時間をお客様に快適に過ごしてもらうことに/おおくの時間を過ごすしお金をできるだけ使ってもらうために/お店の中で可能な限り。」

 こんなことをやっているのは、どうやら香りに鋭敏な日本のお店だけのようですね。やはり「aromatic billboard」は日本語の英訳のようです。日本には香道という平安時代から続く、香りをかぎ当てる品の良い遊びがあります。そういう日本だからこそ、香りを広告に利用するという広告戦略、マーケティング手法が生まれたのかもしれません。


(8) The potencial of sensory marketing does not end here.? Stores know quite well the senses are connected with each other/; that sight can help you imagine touch/ and that the sense of touch increses a sense of belonging.? Indeed/, we like to stroke and run our figures/ through the clothes/ we are considering/ before we buy them/ --- kind of like a sensory test run.? Why do you think those tables of clothing at Gap and UNIQLO stores are positioned where they are?? To be looked at?

kind of like : ~みたいな 
 用例:It tastes kind of like coffee.「珈琲みたいな味がする」

sensory:形容詞 知覚による
clothesは「衣類」ですが、clothingは帽子から靴まで身につけるもの全般を表します。
「知覚によるマーケティングは香りだけで終わりではありませんよ。 お店の方は五感が相互につながっているのをよく知っています/;視覚は触覚を想像させるのに役に立ちます/そして触覚は所有しているという感覚を増大させます。 実際に/わたしたちは指を動かして商品に触るのが好きです/衣類/衣類を買う前に触ってよく考えます/---/知覚によるテストランのようなものです。 ギャップやユニクロの店舗には衣服用のテーブルがどこに置かれているのかなぜそこ(テーブルがあるところ)にあるのかわかりますか? 見るためですか?」

(9) Of course not.They are there awaiting your fingers.? This is why/ stores place piles of appealingly textured clothes at their entrances/ --- they cry out to be handled and tried on/, drawing you inside the store/, where further temptation awaits.? ?The sense of touch reminds you of the associations of a collaboration and connection between you and the product/ as you start your journey together,/ hand in hand.? This will be more effective/ in winning your mind, your loyalty, and your dollars/ than you ever thought possible.

 「あなたと製品の間の a collaboration and connection」とは具体的には何を意味しているのでしょう?それだけではわからないから、説明ルールで追っかけ説明しています。「手に手を取って旅をするような」そういう「協力と関係」を「手触り」が連想させています。共通項は「手触り」、つまり「触覚」です。触感を媒介にして買いたいお客と製品の共同作業と相似関係を想起させるということ。手に手を取り合って旅をする人のような関係が、買いたい人とその製品の間の関係を想起させるということ。製品があっても買いたくなければ、手に手を取り合って旅をするような関係は生まれませんね。品物を手に取ることはありません、客と製品の関係が疎遠になります。
 手に手を取って旅をすることを想起させるというのは、それを買いたいお客と製品が何か一緒に共同作業をしているようなさまを想起させるということのようです。これを短い和文にするのは翻訳のプロの仕事です。スラッシュリーディングではとても及ぶところではありません。名翻訳家になったつもりで、遊んでみてください。

「もちろん、見るためだけではありませんよ。 テーブルの上の衣類はあなたの指をまっています。 それが理由です/お店が入り口付近に手触り感のある衣類を積み上げておく/---衣類は手に取って試着してほしいと叫んでいます/お店の中へと入っていくと/そこにはさらなる誘惑が待ち受けています。  触る感触があなたと製品の間の同調と関係を連想させる/一緒に旅をし始めるように/手に手を取って。 このことはより効果的である/あなたのマインドを勝ち取るのに/あなたの忠誠心を/あなたのお金を/あなたが可能だと考えていた範囲を超えて。」

 これも、スラッシュリーディングでは意味を読み取ることが困難な文章ですね。何度も読み、意味をくみ取るしかありません。

[新月]「もちろん、見るためだけではありません。視覚にとらえられた、お店の入り口付近に配置されたテーブルに置かれた衣類はあなたの指をまっています。そこにある衣類は手に取り試着されるように大声で叫んでいます。店内に入っていくと、さらなる誘惑が待ち受けています。実際に触ってみたら、手に手を取って一緒に旅をするかのような共同作業と関係があなたと製品の間にあることに気がつきます。触感によって生まれるこのような連想が、あなたのこころや忠誠心やお金を、あなたが可能と考えていた範囲を超えて、勝ち取ってしまうのです。」

(10) Even if you wonder why there are moments/ when you seem to lose control and end up on a shopping spree, do not worry. It may not be your fault --- you just cannot resist the psycological force at work, from subliminal message to sensory stimulants.? Clever marketing strategies were at work to tap into your most primal urges.

a shopping spree:派手な買い物
stimulant:興奮剤、覚せい剤、刺激するもの
urge:(n)衝動
tap into:(他社の考え、経験、資源などを)利用する

 "at work"が問題ですね、「会社で」や「仕事中」では意味をなさぬ。この場合のworkはshoppingです。つまり、"at shopping"ということです。すぐ前の文に"on a shopping spree"があるので、"at shopping"を避けたのではないか。ではその次の文で使われている”were at work”は?やはりヘンだ、shoppingの言い換えではない。マクミラン英英辞典を引いてみる。
at work:② in the process of doing or making something(何かをするとか、何かをつくる過程にある)
? She is currently at work on a new book. (彼女はいま新しい本を執筆中だ)
 ③ having a paticular effect or influence(特定の効果や影響をもつこと)
 You don't know what forces are at work behind the scene.(その場面の背後にはどんな力が働いているのかあなたは知らない)
 さて、本文をもう一度見直してみたい。
 「心理的な力が働いていれば抗いがたい/サブリミナルメッセージから知覚的な刺激まで」
 「賢明な戦略が働いていた/最も原初的な衝動を利用するように」

「瞬間があるのはなぜかと思ってすらも/(説明ルール:時)コントロールを失い結局は派手な買い物をしてしまうように思えるときに/あなたは心配しなくていい。 あなたの間違いでないかも知れないのです/---人は心理的な力が働いていればそれには抗えないないものです/(説明ルール:forceの説明)サブリミナル・メッセージから知覚の刺激まで。  賢いマーケティング戦略が働いていました/(説明ルール:force)本能的な衝動を利用するように。」

[新月]「セルフコントロールができなくなり、結局は派手な買い物をしてしまう瞬間ですらも、心配しなくていいのです。人はサブリミナルメッセージや本能的な刺激という心理的な力には抗えないものなのです。賢明なマーケティング戦略は最も原初的な衝動を利用するように働いていました。」

 なぜ最後の文だけ、過去形で書いているのだろう?現在は違うということか?
 サブリミナルメッセージは普通に存在しているし、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)に訴える宣伝戦略も依然としてあるから、そういう事実はない。ここは過去形で書く必要がないと思う。

 ああ、思い出しました。サブリミナル・メッセージが問題になったことがありました。テレビに瞬間だけスポンサーが売りたい商品の映像を入れます。視聴者はそれに気づかずに見ていますが、潜在意識は視認しています。それがカップラーメンをおいしそうに食べている映像だったとします。お気に入りの番組を見終わった後に、そのカップラーメンが食べたくなるのです。そういう類のサブリミナル・メッセージは禁止になりましたね。1995年にNHKが、1999年に民法放送協会がサブリミナル・メッセージの挿入を禁止しています。
 映画やテレビ番組の中で、売りたい商品を使うのはOKなのです。
 こうした事実を踏まえると、最後の文を過去形で書いても、事情が変わったのですからOKですね。



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モクロー君

Not only does the aroma……のdoesですが、
倒置でしょう。

本来の文は 確かに 
does signal……and does create………
ですが、動詞部をさらに強める感覚で助動詞のdoesが主語の前にでたものでしょう。

同じ意味の語が近いところで繰り返し出てくると英語の感覚では語彙が少ないとみなされるので、それを避けてsmartな文にするはたらきもあります。



  


by モクロー君 (2022-10-23 20:17) 

ebisu

モクロ―さん

コメントありがとうございます。やはりこの箇所、見落としがありましたか。気になっていました。

強意のdoesが動詞から離れて、主語の前に出るのは、疑問文と形が同じになるので、避けたい書き方ですね。否定辞が文頭に来ている場合だけに限定されるようです。それなら疑問文とは区別がつきます。
でも、安井稔『英文法総覧』p.546にそういう例が載っています。

Little did I dream that I should never see him again.
「わたしは彼にもう二度と会えないとは夢にも思わなかった。」
Not once while I was in the Netherlands did I see a traffic accident.
「オランダにいた間、一度だって交通事故を見たことがなかった。」

さて、本欄の方へ手を入れてみます。

by ebisu (2022-10-23 20:55) 

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