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#4853 Lesson 9:Science of Love 愛を科学的に分析 Oct, 21, 2022 [49.2 PROMINENCE Ⅲ]

   
===Science of Love:愛を科学する===

 今回はとっても面白そうな話題ですよ。人間は化学物質である脳内ホルモンでコントロールされています。全部がそうではありませんが、恋愛もセックスも学習意欲も、主力はホルモン作用のようです。高校生にはピッタリのトピックスです。愉しんでお読みください。

Hormones in the Brain:脳内ホルモン

 Oxytocin:オキシトシン
   Oxytocin has an anti-anxiety effect and promotes mutual feeling of connection and bonding.
 オキシトシンが分泌されると心が安らぎます。激しい恋愛の後の穏やかな日々に特に分泌が多くなります。学習意欲にも関係があります。不安な中では心が落ち着いていませんから、集中力も失われるということ。深い呼吸と心の安定が、学習によい効果をもたらします。

 Serotonin:セロトニン
   Serotonin has to do with our moods, emotions, and desires.  It is thought that serotonin is produced when we do exercises like walking.
 「幸せホルモン」と言われています。日光を浴びながらするウォーキングなどエクササイズの時に産生されます。なぜウォーキングなというと一定のリズムでやるエクササイズがセロトニンの分泌にいいのです。過剰に分泌されると、不安、不穏、興奮、驚きやすい、錯乱を伴なう譫妄(せんもう)などが起きます。多すぎても少なすぎてもいけません、ちょうどいいのがいい。(笑)

 Dopamine:ドーパミン
   Dopamine creates intense energy, joy, forcused attention, and motivation to win rewards.
 セックスと学習意欲と競争に関係のある脳内ホルモンです。

1.   Some anthropologists once thought that romance was a Western idea, developed in the Middle Ages.  Non-Western societies, they thought, were too occupied with social and family relationships for romance.  Today, scientists believe that romance has existed in human brains in all societies since prehistoric times.

 中世には恋愛は西洋社会の観念だと考えられており、西洋以外の社会では社会的な関係や家族関係にきつく制約されていると考えられていました。現在では、先史時代から恋愛はすべての社会で人間の脳内に存在していたと思われています。人間の脳のホルモン物質による化学反応は先史時代から変わらないということです。それは本能に関わる部分でもあるからです。

2.   Though romantic love may be universal, its cultural expression is not.  To the Fuble people of northern Cameroon, men who spend too much time with their wives are looked down on.  Those who fall deeply in love are thought to have fallen under a dangerous spell.  In India, marriages have traditionally been usually arranged by parents.  Though love marriages appear to be on the rise today, most Indians still believe arranged marriages are more likely to suceed.  Mariage is considered too important a step in India to leave to chance.

 恋愛は普遍的なものではあるが、その表現の仕方は文化によってそれぞれに特殊性がでてくる。北カメルーンのフルベ族の人々にとっては、妻と一緒に四六時中いる男は軽蔑される。愛に溺れる人は恐ろしい呪文がかけられると思われている。インドでは結婚は両親が決めるのが伝統的なやり方である。恋愛結婚が増えてはいるが、ほとんどのインド人は依然として、両親が決めた結婚があとあとうまくいくのだと信じている。結婚は重要なステップなので、偶然に任せることはできないと考えられている。
 日本でもずっとそうでした。結婚は家と家の問題、世話好きのおばさんがお見合い話をもってきて、お仲人さんになる。同じくらいの経済的な背景や家格に釣り合いが取れないと、嫁に行ってから苦労をするという配慮もあったのでしょう。いまでもそうした遺風は社会の一部に残っています。政治家の世襲をみたら、親戚だらけです。安倍家、麻生家など。

3.   Some psychiatrists, such as Thomas Lewis from the University of California, San Francisco, think that romantic love is rooted in experiences of physical closeness in childhood --- for example, how we felt in our mother's arms.  These feelings of comfort and affection are written on our brain, and as adults, our constant desire is to find them again.  We love somebody not because of the future we hope to build but because of the past we hope to live again.  The person who "feels right" has a certain look, smell, sound, or touch that beings back very deep memories.

 恋愛が子どものことにハグされたことにその淵源をもっていると書いてありますね。トーマス・ルイスという精神科医が登場しています。お母さんの腕に抱かれたら気持ちがいいし安心です。オキシトシンが分泌されますね。こういう記憶が脳に書き込まれ、大人になると、再び、そうした心地よい感覚を取り戻そうとする恒常的な欲望が湧き上がるのです。わたしたちが人を愛するのは、未来を築くという希望からではなくて、再び過去の心地よさを取り戻したいと願うからなのです。「しっくりくる」人は、深い記憶の底から呼び覚ます、見た目、匂い、声、触り心地がするのです。

 赤ん坊の時に、頻繁に抱っこされ、あやされた人は古い記憶を呼び覚まし、大人になってからそうした感覚が呼び覚まされ、恋愛へと誘(いざな)うのでしょう。中標津で、「子育て講座」をやっている水野正司さんが詳しい。元、小学校の教頭先生です。中標津で子育て関係のFM放送の番組も担当しています。根室管内にはなかなかすばらしい人がいます。

4.   Evolutionary psychlogists explain, however, that survival skills are inherent in our choice of a partner.   According to this hypothesis, we are attracted to people who look healthy and have a potential to give us healthy children.  Claus Wedekind, a professor at the University of Lausanne in Switzerland, conducted an interesting experiment with sweaty T-shirts.  He asked forty-nine women to smell T shirts worn by men that they had never met.  He then asked the women preferred the smell of a T shirt worn by a man who was the most genetically different from her.  ①This genetic difference means that/ it is likely that the man's immune system has something/ hers does not.  By choosing him as the father of her children, she increases the changes that her children will be healthy.

 進化心理学者が宣うには、パートナーを選択するというサバイバル・スキルは生得的なものであると説明している。生得的とは本来備わっているもの、つまり先天的なものということです。この仮説に従えば、わたしたちは健康そうに見える人や健康な子供を産んでくれる潜在的な能力を持っている人に惹きつけられるのです。クロース・ヴィデアキントは汗まみれのTシャッツで面白い実験をしています。彼は42人の女性にそれぞれ遺伝的に最もかけ離れた男が着たTシャッツの匂いを嗅ぐように求めました。彼女の免疫システムがもっていないものを彼の免疫システムがもっているということはありそうなことであり、それが二人の遺伝子的相違の意味するところである。

 複雑な文が出てきましたのでチャンクごとにスラッシュを入れて、三つの文に分解してみました。
(1) This genetic differnce means that
(2) It is likely that man's immune system has something.
(3) Her immune system doesn't have it.⇒[which] hers does not

「her immune system」が所有代名詞に書き換えられて「hers」となり、itは関係代名詞に置き換えられますが、目的格ですから消去変形が働きます。それで、本文の文ができあがります。

 
5.   According to other researchers, ove may be causedby chemicals in the body.  Donatella Marazzitti,a professor at the University of Pisa in Italy, has studide the biochemicamistry of lovesickness.  She checked the blood of twnety-four people who had fallen deeply in love within the past six months and measured their levels of serotonin,which is a powerful chemical in the brain and body connected with our moods, emotions, and desires.  She found that their levels of serotonin were forty percent lower the normal people --- the same results she found from people with obsessive-compulsive disorder.  Her conclusion was that love and mental illness may be quite similar.

 面白い研究があるのですね。この実験の被験者subjectsは24人で、6か月以内に恋愛をしています。血中のセロトニンを測定してみたら、40%も対照群に対して低かったのです。強迫神経症患者と同じ結果でした。恋に落ちることとメンタルな疾患は同じかもしれませんね。相性がいいと、パートナーを失いたくないと真剣に思い詰めます。まさに強迫神経症状ですね。(笑)

6.   Another scientist, anthoropologist Helen Fiser, from Rutgers University, U.S.A., has been looking at love with the aide of an MRI machine.  She found subjects who were "madly in love," and once they were inside the MRI machine, she showed them two photographs, one neutral, the other of their loved one.  When each subject looked at his or her loved one, the parts of the brain that have to do with reward and pleasure "lit up."  Love "lights up" these areas using a chemical called dopamine, which creates intense energy, joy, forcused attention, and motivation to win rewards.
 
 MRI(核磁気共鳴装置)で脳の活動を分析した研究者が現れました、ヘレン・フィッシャーさんです。MRIは市立根室病院にもありますよ。青字をクリックしたらフィリップス社製のMRIの写真が載ってるページにジャンプします。市立根室病院のX線CT装置はフィリップス社製の高性能な装置でした。MRIは脳検査たとえば脳内出血をしたときには必須の検査機器です。X線CTは骨の組織を見ますが、MRIはもっと柔らかい部分、たとえば、脳とか筋肉とか臓器とか、そうしたやわらかいものをチェックするのに利用します。
 愛し合っている被験者の脳をMRIで調べたら、「報酬や喜びを」つかさどる部分が明るく光っていたようです。片方の人だけがね。一人はもうすでに飽きが来ていたのかもしれません、見つめあった後なのに光らなかったのですから。
 ドーパミンを分泌するのは視床下部あたりでしょうね。ドーパミンは集中力や喜び、そして注意力、報酬を勝ち取るモチベーションを高めます。

7.   Dopamine levels do eventually drop, though, and studies around the world confirm that a decrease in passion is the norm of the world.  Fisher has suggested that relationships freqently break up after about four years because that is about how long it takes to raise a child through infancy.  Passion turn out to be practical afte all.  A couple not only needs to bring a child into this world: they also need a bond that continues long enough to raise a helpless human baby.

 ドーパミンレベルはいつかは下がります。同じパートナーにいつまでもドーパミンがドバドバで続けるわけではありません。人間はそういう風にはできていませんから、情熱が減少するのも世の常であるという研究は世界中にあります。フィッシャーは関係が約4年間で壊れると示唆しています。その理由は子育ての期間に対応しているからです。恋愛の熱情は結局のところ、プラクティカル(実用的)であることがわかります。カップルはこの世に子供を持たらすために必要なだけではなく、いたいけな赤ん坊を育てるに足る期間を継続する絆を必要としています。

8.   Eventually, all coouples find their passion decline over time.  For relationships that get beyond the initial stages of passion to have a chance of lasting, a chemical called oxytocin may be the key.  Oxytocin is a hormone our body produces that promotes our mutual feelings of connection and bonding.  It is produced when we hug our long-term partners or our children.  In long-term relationships that work, oxytosin is believed to be rich in both partners.

 結局のところ、すべてのカップルが時を経て情熱が失われていくのに気がつきます。熱情の初期段階を超えて、関係を持続するために、オキシトシンという化学物質が鍵かもしれません。オキシトシンは体内で産生されるホルモンです。関係と絆を穏やかに感じさせてくれるホルモンです。長い期間一緒にいるパートナーや子供をハグするときに分泌されます。それ(オキシトシン)が作用する長い期間に、オキシトシンはパートナーのどちらにも高い濃度であり続けると信じられています。

9.   We have seen a variety of theoris which try to identify the cause of our romance.  Most of them are based on chemical reactions in our body.  However, tomance is more complex than that.  For example, some couples are long separeted from each other foe certain reasons such ad war, disaster and work but can maintain their relationship without any physical contact.  There may be more to love than science can explain.

 恋愛の原因を特定しようと、さまざまな学説を見てきました。大部分は体内の化学反応に基づいています。しかしながら、恋愛は化学反応を超えた部分があります。たとえば、カップルが長い期間ある理由からお互いに分かれています。その理由は、戦争や災害そして仕事です。しかし肉体的な接触がなくても、その関係は維持できるのです。愛には科学が説明できる以上のものがあります。



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つるはせんねん

 長きにわたる、ふるさとでの子どもたちへのご指導、大変おつかれさまでした。先生の志に、同じ教育者として、そして根室っ子を愛する者として非常に感銘を受けました。
 今回のブログは、ebisuさんらしくないようで、ebisuさんらしいような・・・。
 わたしも考えます。人間も動物である以上、「この人の遺伝子がほしい」という直観で惹きつけ合うのかと思ったこともあります。そして、子どもが産まれたら・・・。この世で一番大切なものを、ともに育てていく雄の存在が必要となるんだと。そう考えていました。でも、それも違うのかもしれませんね。
 「人間が恋愛をするということになんとか理屈をつけたい。納得したい。」そんなことを数年前までは考えていました。日本は一夫一妻制。でもほかの国では様々な形の結婚制度がある。日本の時代を遡っても、然りです。
 「子どもは自分の所有物ではない」特に子どもたちが手を離れるようになってからは、その意識が強くなりました。夫との関係も、子どもがどうのではなく、ひとりの人間としてこの人を尊敬しているということが、残ったのです。とても幸いなことと思っています。

 もともとわたしが教員になったのは、子どもが好きだからではありません。教員を志した方からよく聞かれる「子どもが好きだから」という理由にはいつもしっくりこないものがありました。わたしは人間が好きなんです。だから、子どものことを「人間の小っちゃいの」と呼んでいます。その「人間の小っちゃいの」と毎日様々なできごとを経験しながら、オキシトシンが大放出されることも多々あります。
 なんだか、話が逸れてしまいましたが。

 大変お世話になりました。
 今後ともよろしくお願いいたします。
 東京からも、故郷の子どもたちのためにお力を注いでいただけるとのこと。
 お引越しなど、完了されるまでは様々エネルギーを消耗されることと思いますが、どうかご慈愛ください。
by つるはせんねん (2022-10-21 19:01) 

ebisu

つるはせんねんさん

投稿ありがとうございます。
ご推察の通りです。大方はLesson9を書いた筆者のご意見ですから、それにちょっと味付けしただけ、わたしの意見ではありません。

都会は恋愛事情が違います。誰がどんな恋愛をしていようがあまり関心ありませんし、知る由もありません。あるのは自分がどうしたいかということだけ。
女も男も、その気があればですが、好きな時に気の合うパートナーと食事もできるし、お酒も飲める、恋もできます。そういうパートナーが数人いると、みんな穏やかに過ごせるのではないかと思います。大人こそ、おおらかでいいのだろうと思います。

もっと気さくに、根室人同士、年齢や男女を超えてお酒を飲みながらさまざまなことを取り上げて話すことができるようになるといいですね。街の活性化はそういう「ゆるい」ところから生まれてくるかもしれませんね。根室っ子は大人になると少し不自由そうな気がします。

相性がいい人とは10年20年会わずとも、会えば気持ちは以前にすっと戻れます。たぶん、お互いに歳を取ったなと時の年輪の刻まれた顔を見つめながら。(笑)

ところで、めんこい生徒たちに恵まれました。
先週で塾を終わりにしてから、体調に乱れが出ています。

生徒たちと一緒に過ごす時間が、リズミカルで元気に過ごす大切なペースメーカーだったようです。

16年前にスキルス胃癌の手術をして、苦しい時期もありましたが、20年間やってこれたのは生徒達のお陰だったようです。ありがたい、感謝、感謝です。

根室高校1年生三人のために、Lesson 10まで解説をアップするつもりです。
残りは、東京へ行ってからにします。
年内に、16章全部が終わるでしょう。
旭川医大へ根室高校から現役合格したOT君より、半年早いペースです。共通テストにはまだ2年以上あるので、いまの頑張りを続けたら、英語では高得点が可能になるでしょう。
後は1-3年までの教科書を利用して、繰り返し音読とリテンションをしてもらえばいい。

幸せな20年間に感謝 ... m(_ _)m

by ebisu (2022-10-21 20:40) 

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