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#4511 首都直下型地震が発生:何が起きるのか?Mar. 17, 2021 [8.1 政策放談&時事放談]

<最終更新情報>3/19 23時 投稿欄のコメントを二つ本欄へアップ

 関東大震災の震源は小田原付近だった。だから東京よりも震源に近かった横浜(28.7㎞)も甚大な被害を出し、その瓦礫を海岸に隣接する沼地に埋め立てた後に現在の中華街ができた。
 東京と小田原の距離は80㎞ある。東京駅を起点に円を書いてみた。南西は小田原、西は山梨県大月市、北西は埼玉県深谷市、北は栃木県小山市、東は千葉県館山の手前までが半径80㎞の円内に入る。

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 安政江戸大地震(1855年11月11日)はM7クラスの直下型地震で、現在の江東区か千葉県北西部が震源地と推定されている。関東大震災よりも規模は小さいが、震源地がまさに江戸であったことで、被害が大きかった。
 安政の大地震は他に2つある。安政東海地震(1855年12月23日)と安政南海地震(同24日)である。
 江戸大地震の後で巨大地震が1856年8月23日に起きている。安政八戸沖地震である。震央を八戸沖に推定するとM6.9、十勝沖と推定するとM8.0である。津波が起きている。日本列島を支える地殻全体の歪が限界を超えて、あちこちで地震が起きた。東南海連動型巨大地震が起きれば、江戸大地震が連鎖して起きる可能性がある。

 仮に、半径80㎞圏内でM7.9の直下型地震が起きたらなにがどうなるのか。

 極東の町である根室も無関係とはいかなさそうだ。理由は簡単、物流が止まる。センター(首都圏)とペリフェリ(辺縁部)で考えると、センターが壊滅したら、物流システムの基幹サーバーがやられる。物理的に壊れても、電気が止まっただけでもサーバーは動かない。光回線が断線してもバックアップサーバー起動のためのデータやソフトが送信できない。
 あらゆる情報と商品が東京に集められて、そこで処理され、全国の物流拠点へ運ばれている。それが止まってしまう。使えない物流拠点や通過できない道路などもシステムに入力して迂回できるなら、それを指示できるような仕組みも付け加えておかないといざというときに対応できないものだ。どの道路がどのような状態で通行不能になっており、復旧手配の状況をモニターしつつ、どこのどれだけの商品在庫があり、それを配送するのに適切なう回路を指示しなければならない。さまざまな調整や準備、システム改造などがなされなければできない話だ。いざ災害が起きてからではとてもできない。準備しただけしかやれないのだ。
 そういうわけで物流網はいまはとても脆弱なのだ。首都圏を通らない海上輸送網を準備しておかなくてはいけないようだ。どの会社のどの船をチャーターして、どこからどこまで何を運ぶのか計画がなければ、直下型地震が起きてから考えるなんて馬鹿なことになる。
 福島第一頑発事故で見たではないか。海水を注入しても、原子炉内部には届いていなかった。全電源喪失でバックアップ電源が用意されていなかった。40年間ベントのテストすらされていなかった。手動でどの弁をどう操作すればいいのかすらわからなかったのである。そういう中でメルトスルーが起きて、3号機に至っては小さな核爆発すら起こしてしまった。福島第一原発は自然災害ではなくまさしく人災であった。
 似たようなことが形を変えて壮大なスケールで繰り返されるのだろう。何が起きるのかまだ誰にもわからないし、準備はないにひとしい。

 生産拠点が無事でも、それを消費地へ運べなければその企業の売上にならない。クラウドなんて言っても、空にサーバーが浮かんでいるわけではなく、どこかにサーバーが設置されていて、光回線で莫大な情報が処理されている。サーバーの設置台数は全国で何台あり、首都圏にどの程度集中しているのか、そんなデータすらないだろう。データがないのでシミュレーションすらできぬ、まったくの無防備だ。

 バックアップサーバーを首都圏以外へ設置するにしても、メンテナンス要員がいなければ、すぐにシステムの普及などできはしない。あらゆるシステムはそのソフトもデーターも日々更新されている。バックアップサーバーがあってもそれをメンテナンスできる人員が配置できていなければどうしようもない。各企業でバックアップサーバーを起動し稼働させることのできる人員を移動させる計画をあらかじめ作って準備しておかなければならない。それだけでも大仕事ですよ。その人たちの衣食住も保障しなければならないのですからね。その一方でクラウドコンピューティングが急速に普及していく。災害への脆弱性はますます大きくなっているのでは?

 つまり最悪の事態を想定して、具体的に周到に準備しておかないとアウトということ。1年間にわたり、物流が1/10以下なんてことが起きる。介護施設の老人がもたない。赤ん坊が命の危機に晒される。癌にかかっても手術できないような医療逼迫の事態が首都圏で起きる。強い者しか生き残れないなんて事態が起きる。

 首都直下型地震や富士山の噴火によって首都機能が一時的に停止する可能性は大きい。オリンピックを招致したばっかりに経費が掛かりすぎて、東京都はいままで積み上げた余剰資金が底をつきかけている。災害は必ず来る。新型コロナとバカ騒ぎしている間に、本物の危機がひたひたと迫っている。
 東京都政は首都直下型の災害が来ることを忘れ、オリンピックにご執心で金を使うことばっかり考えてきた都知事、石原慎太郎⇒猪瀬直樹⇒舛添要一⇒小池百合子。一人くらい震災被害に備えようという都知事がいてもよさそうなのに、この体たらく。選んだ都民が悪いとばかりに、被害の大半は選挙民が引き受けることになる。でも、被害は東京都民だけではすまないのだ。そこは日本の首都である。

 GDPは半分以下、企業は赤字で内部留保を500兆円以上吐き出し、株価は暴落する。日銀は20兆円の赤字をだして経営破綻、円は国際主要通貨から滑り落ちる。赤字国債発行のために長期金利が上がると、政府財政もタイムラグを置いて連鎖的に破綻。財務省は預金房や株売買凍結を宣言し、課税して政府財政破綻の穴埋めをする。国民の持つ金融資産はいま1948兆円あるそうだ。1000兆円召し上げれば、発行済みの国債はチャラにできる。
 東南海大地震や千島海溝を震源とする四百年に一度の地震もいつ起きても不思議ではない、なのに日本人は何と暢気なことよ。ほとんど備えがないではないか?

 最悪の事態が起きたときには、あらかじめ最悪を想定して準備してあったことしかできない。2011年3月の福島第一原発事故で学んだはず。海水注入しても原子炉に届かなかったし、ベントすらできなかった。吉田所長は一生懸命やってたが、準備して来なかったことはまるでできなかった。ピエロのような奮闘ぶりが後日明らかになった。津波対策に防潮堤のかさ上げに反対したのが当の吉田所長だったというからあきれる。自作自演の一人芝居。お気の毒に事故の後ほどなく癌で亡くなった。
 日本人は最悪の事態を想定するのが嫌いだ。想定して準備すれば、その最悪の事態を招来することになると無意識に考えてしまう。言霊の国なのである。

 地震ばかりではない。富士山は1707年に宝永の大噴火を起こしている。東側で甚大な被害を出した。同じ規模で噴火が起きれば降り積もる火山灰で首都機能は停止するだろう。

 さて、日本人はどこまで備えを固めることができるだろう?
 日本は火山と地震はダントツ世界一の国。福島第一原発敷地内には使用済み核燃料保管の共用プールに6000本を超す燃料棒が保管されている。地震で水が抜けたら、もうだれも福島第一原発敷地内には入れない。南風が吹いたら東京まで深刻な放射能汚染が広がる。
 おのおの方、御油断めさるな。具体的な対策を講ずれば、被害はより小さくできる。何もしなければ、被害はとてつもなく拡大する。

  以下投稿欄より転記
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AmazonのAWS、マイクロソフトのAzure、Google Cloud、Oracle Cloud、SAP Cloud Platform、日本ではGMOクラウド、大塚商会のクラウドサービスは海外のデータセンターにも遠隔バックアップサービスを行っていて、瞬時に切り替えられる仕組みになっているので、大震災や大災害が起こっても上記のクラウドサービスで基幹系のシステムを稼動している企業さんは、問題ないと思います。

データセンターはわりと散らばっていて、首都圏では東京都の多摩市(特に多摩センター周辺)、千葉県の印西市に多いです。意外と沖縄県や岐阜県にデーターセンター多いです。私も何度か出張で沖縄県の宜野座市、岐阜県の大垣市のデータセンターに行きました。大規模なデータセンターで驚きました。

by C++python (2021-03-19 19:34)
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C++pythonさん

ご協力に感謝します。
クラウドサービスは海外のデータセンターにバックアップがあるのですか。それなら大丈夫ですね。
そこにつなぐ回線が生きていれば復旧できますね。首都圏の光回線網が断線しても、たとえば仙台や大阪からクラウドへアクセスできる。そちらへ必要な要員を手配する準備をすればいいだけ。どれくらいの規模になるのか調べる必要があるのでしょうね。
東京本社の仙台移転のような仕事になりそうです。
上場企業は3764社ありますが、東京本社が8割とすると3000社ほど。
東京から200km圏の外側に数十か所の拠点を配置する必要がありそうです。
5Gが利用できれば、光回線がダウンしても状況はぐんと改善できそうです。でもアクセスが集中してダウンしそうですね。何らかのルールを作って利用の優先順位をつけておかないといけないように感じます。

多摩周辺のデータセンターはアウトですね。送電はストップ、光回線は断線。復旧にどれほどかかるか被害次第。しばらく動かないでしょう。震源地が千葉なら千葉県のデータセンターも多摩市周辺のデータセンターもストップしそうです。

スーパーやコンビニのレジがとまっても何とか販売ができるような準備も必要です。在庫のある分だけでも災害時には貴重な物資です。
銀行システム、ATMの復旧の手段もしっかり考えておかないといけませんね。

そうすると、一番問題なのはクラウドサービスを利用していない基幹系システムということになりそうですね。これもどの程度あるのか経産省はおそらく調べたこともないでしょう。
直下型地震や富士山噴火があったときに、何がどうなるのかをあらかじめシミュレーションするには、システムや実際の物流に関してさまざまな現状調査データが必要になります。それらのデータの更新も。

備えあれば患いなしです。
日本人の叡智が試されています。

何か気がついたものがあれば、引き続き具体的なご意見いただけたらありがたい。
by ebisu (2021-03-19 23:02)  
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C++python

AmazonのAWS、マイクロソフトのAzure、Google Cloud、Oracle Cloud、SAP Cloud Platform、日本ではGMOクラウド、大塚商会のクラウドサービスは海外のデータセンターにも遠隔バックアップサービスを行っていて、瞬時に切り替えられる仕組みになっているので、大震災や大災害が起こっても上記のクラウドサービスで基幹系のシステムを稼動している企業さんは、問題ないと思います。

データセンターはわりと散らばっていて、首都圏では東京都の多摩市(特に多摩センター周辺)、千葉県の印西市に多いです。意外と沖縄県や岐阜県にデーターセンター多いです。私も何度か出張で沖縄県の宜野座市、岐阜県の大垣市のデータセンターに行きました。大規模なデータセンターで驚きました。


by C++python (2021-03-19 19:34) 

ebisu

C++pythonさん

ご協力に感謝します。
クラウドサービスは海外のデータセンターにバックアップがあるのですか。それなら大丈夫ですね。
そこにつなぐ回線が生きていれば復旧できますね。首都圏の光回線網が断線しても、たとえば仙台や大阪からクラウドへアクセスできる。そちらへ必要な要因を手配する準備をすればいいだけ。どれくらいの規模になるのか調べる必要があるのでしょうね。
東京本社の仙台移転のような仕事になりそうです。
上場企業は3764社ありますが、東京本社が8割とすると3000社ほど。
東京から200km圏の外側に数十か所の拠点を配置する必要がありそうです。
5Gが利用できれば、光回線がダウンしても状況はぐんと改善できそうです。でもアクセスが集中してダウンしそうですね。何らかのルールを作って利用の優先順位をつけておかないといけないように感じます。

多摩周辺のデータセンターはアウトですね。送電はストップ、光回線は断線。復旧にどれほどかかるか被害次第。しばらく動かないでしょう。震源地が千葉なら千葉県のデータセンターも多摩市周辺のデータセンターもストップしそうです。

スーパーやコンビニのレジがとまっても何とか販売ができるような準備も必要です。在庫のある分だけでも災害時には貴重な物資です。
銀行システム、ATMの復旧の手段もしっかり考えておかないといけませんね。

そうすると、一番問題なのはクラウドサービスを利用していない基幹系システムということになりそうですね。これもどの程度あるのか経産省はおそらく調べたこともないでしょう。
直下型地震や富士山噴火があったときに、何がどうなるのかをあらかじめシミュレーションするには、システムや実際の物流に関してさまざまな現状調査データが必要になります。それらのデータの更新も。

備えあれば患いなしです。
日本人の叡智が試されています。

何か気がついたものがあれば、引き続き具体的なご意見いただけたらありがたい。
by ebisu (2021-03-19 22:53)
by ebisu (2021-03-19 23:02) 

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