SSブログ

#4422 視点変換の技を磨こう:数学 Dec. 9, 2020 [5.1 脳の使い方]

 「5.1 脳の使い方」という新しいカテゴリーを追加した。脳の働きは呼吸や心の働きとつながっている。画像記憶や画像を動画のように再生するとか、音の記録と画像の記録の入出力、脳内に数字や文字を「書く」など、学習に利用してきたことを、自分の脳の働きを分析して書き溜めておこうと思う。たぶん、小学生や中学生、そして高校生の勉強に役にたつだろう。
 企業経営や病院経営でも経営分析やシミュレーション、経営改善政策立案などに同じ脳の使い方をしてきた。4業種8企業で試して実績の裏付けのある方法である。おいおい書いていこうと思う。今回は、数学の問題と関連させて書くつもりだ。よい問題提起をしてくれたK川君に感謝。

 高3のK川君が赤本の問題をやっていた。そういう時期になった。
 次のような問題で質問があった。

 サイコロを三回投げる。
 1回目をa、2回目をb、3回目をcとするとき、
   x+y+z=a…①
   x-y+z=b…②
   x+y-z=c...③
  x=p, y=q, z=r とする。
  (1)q=0のときの確率を求めよ。
  (2) xxxxxxx ()

 P(A)の確率は「事象A/全事象」で計算されるから、分子と分母に分けて考えよう。全事象は6^3である、問題は事象A(q=0のケース)がいくつになるかということ。
 ①と②からq=0のとき、a=bとなるので、1回目と2回目が同じ目が出る場合が事象Aのように見える。
 ところが、答えは1/6である。
 6/6^3だから、答えは1/36がではないか、なのに「6^2/6^3=1/6」と解答ページに書いてある。③の条件はこの問題には関係がないというのが質問した生徒の主張である。

 こういう時は思い込みがあると考えよう、そして視点を変える。③が関係ない、そして①と②からq=0を満たすのは(1, 1), (2, 2), (3, 3),(4, 4),(5, 5), (6, 6)の6通りというところまではいい。
 3回投げるから、3項になるということを忘れている。
 (1, 1, 1)
 (1, 1, 2)
 (1, 1, 3)
 (1, 1, 4)
 (1, 1, 5)
 (1, 1, 6)
 (2, 2, 1)
 .....
 (6,6, 5)
 (6,6, 6)
 それぞれについて、cが1~6の6通りあるから、全部で6^2=36通りある。
 したがって、6^2/6^3=1/6となる。

 ヘンだと思ったら、自分が思い込みをしていると考えよう視点をずらす、あるいは絞り込んでいる焦点を解除すればいいが、これは一種の技である。思い込みを消してもう一度問題文を読めばたいがいは気がつく。
 2項で考えてしまったところにすでに思い込みがあることはお分かりいただけただろう。サイコロは3回投げられるのだから、a,b,cの3項。aとbだけに焦点が絞り込まれてしまった。いったん焦点が絞り込まれたら、そこに釘付けになって周りが見えなくなる。焦点の前後にある対象物はぼやけて認識できないのはあたりまえ。被写界深度が浅くなっていると譬えたら、写真が好きな人ならわかりやすいはず。ああ、高校2年生の春に引き伸ばし機など写真機材一式をそろえて購入してくれたオヤジに感謝だな。ほしいと言った覚えはないし、自分が若いころ金がかかるので断念した趣味を息子にやらせて眺めてみようと思ったのかもしれぬ。一切説明なしだった。高卒の給料2か月分の機材だったから、毎日数時間、ビリヤード店の店番をしていることへの褒美でもあったのかもしれない。暗室へ数度入ってきて、自分で数枚引き伸ばしただけで、後はニコニコしてわたしの作業を眺めているだけだった。2階のリビングでフェロと言ったかな、表面が鏡面仕上げになる機材で写真の乾燥をしているのを肉をつまんでビールを飲みながら眺めているだけ、そしてさっとビリヤード場へ下りていく。ああやれ、こうやれなんて一切口出ししない、好いオヤジだった。

 焦点距離を自在に調節出来たら、焦点距離に応じて周りの見えるものが違ってくる、そういうことを脳内でやるのである。焦点距離を意識してイメージできるようになればしめたものだ。いま焦点を当てているのを外せたら周りが再び見えるようになる、思い込みを外せたら、正解へぐんと近づける。それを意識的にやれたら頭の働きが違ってくることは理解いただけたのではないか。

<余談:意識の集中と分散の方法&呼吸のコントロール>
 ヨガの瞑想は1mほど前を見て意識を呼吸に集中する。同じことをやればいいだけ。数呼吸すれば意識の分散、あるいは集中解除ができるようになる。意識を集中するよりも、それを解除して意識を全体にいきわたらせる方がむずかしい
 蝋燭を手前1mくらいのところに置いて炎を見つめ、呼吸に意識を置いてもいい。



nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。