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#4377 PCR検査の偽陽性率は0.1%以下:北大研究グループ Sep. 30, 2020 [35.1 COVID-19]

 今朝(9/30)NHK第一放送のニュースを聞いていたら、SARS-CoV-2・PCR検査の偽陽性率は0.1%以下だと言っていた。ラジオニュースだから、どういう調査結果なのか、具体的な内容はわからない。コンタミがない限り、擬陽性と言うのは検査の原理から考えてもPCRでの偽陽性率は限りなく低い。


 ネットで検索したら、5月に武漢市民990万人に検査した結果、無症状検査陽性者が300人、症状のある検査陽性者はゼロだったという。
 ありえない仮定であるが、300人全員が偽陽性だとしても3.03*10^-5であるから、擬陽性率は0.003%以下である。この数値を使って偽陽性の影響度合いを見てみたい。


  検査陽性 検査陰性 合計
感染者 80 20 100
非感染者 0.3 9899.7 9900
合計 80.3 9919.7 10000


  検査陽性 検査陰性 合計
感染者 a真陽性 c偽陰性 a+c
非感染者 b偽陽性 d真陰性 b+d
合計 a+b c+d a+b+c+d


 擬陽性は3.3人だから真陽性は100%と考えていいことになる。
 いま、平均して1日当たり30000人(10/1のPCR検査数は6443件)のPCR検査をしているとすると、擬陽性は

  30000人×0.003%=0.9人

 偽陽性があるからPCR検査は当てにならないという議論はこれで潰えた。PCR検査陽性者=真陽性者である。PCRの検査自体は80%程度の精度だと言われているから、20%は見落としが生ずる。これは検査の特性だからしかたない。感染はしていない(細胞内部にウィルスが侵入して増殖している状態)が、検体を採取した部分にウィルスがあったら、確実にPCR検査陽性になる。つまり、SARS-CoV-2・PCR検査陽性であっても感染していない人が存在しているということ。理屈の上からその人たちは発熱しないし、味覚異常も起きない、検査陽性者ということになる。それがどれくらいの割合かは研究がないのでわからないが、検査陽性で無症状か軽い症状の人が8割いることから、その大部分が「検査陽性&未感染」というカテゴリーに入るのだろう。裏返すと、「検査陽性&感染」というカテゴリーはPCR検査陽性者の7割程度あると言えそうだ。いずれにしても推測の域を出ないので、専門家の研究データが出てくるのを待ちたい。

 不慣れな保健所や各都道府県の衛生研究所で検体を取り扱うとコンタミを起こすリスクが高いのでは?
 大手臨床検査センターなら、世界で一番厳しい品質管理基準である米国の精度管理基準CAPライセンスを取得しているから、心配はいらない。
 検査コストはずっと低いはず、保険点数を500点(5000円)に下げても大丈夫だと思うよ。いま1350点(13500円)だから法外に高い。生産性の悪い保健所や各都道府県の衛生研究所や国立感染センターの原価をベースに設定した保険点数だろう。スマホ料金の値下げを菅総理はしつこく主張しているが、寡占状態にある携帯電話会社が超過利潤を取得していると判断してるからだろう。1350点の保険点数では民間検査会社に超過利潤が発生する。改めるべきだ。心配なら、検査コストを開示してもらえばいい。わたしがSRLの学術開発本部にいたときなら、必要な社内手続きをしてOKしただろう。染色体検査の原価を提示して保険点数を妥当な水準までアップしてもらったことがあった。利益の出ない保険点数では、他社が新規参入して来られないからだった。当時染色体検査外注市場の80%を独占していた。SRLは3000項目の検査の内2800項目は赤字で受託している。特殊な検査は数が少ないから、検査コストが高くなる。でも受託するところがなければ、医者も患者も困る。そのために残りの200項目で2800項目の赤字をカバーしていた。業界ナンバーワンの誇りです。そういう心でSRLで16年間仕事してました。

 業界ナンバーワンのSRL社は1988年ころにCAPライセンスを取得している。その数年後に業界2位のBML社も取得。



<追記10/1 午後3時半>

 今日の検査数は6443件、東京都のPCR検査陽性者数は235人




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