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#4378 高レベル放射性廃棄物埋設処理文献調査受け入れ:寿都村&神恵内村 Oct. 2, 2020 [8. 時事評論]

 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物埋設処理の「文献調査」に寿都村と神恵内村が応募を決めた。村長だけでなく、村議会も賛成だそうだ。

 20億円の補助金交付が条件になっているので、それが目的のようだ。「文献調査」に応募しても「高レベル放射性廃棄物の埋設候補地に直ちになるわけではない」と、交付金詐欺のようなことを村長が堂々と述べている。非合法化合法化と問われたら、合法だよ、でもね、合法なら何をしてもいいのか?わたしには、テレビでしゃべる村長殿のご尊顔が、とっても小ズルイ顔に見えた。


 「文献調査」と言うのだから「文献での調査」かと思いきや、担当のお役所のお役人の半数が現地入りして仕事するのだそうだ。看板と中身が異なるのは「ふるさと納税」とまったく同じ構図だ。ふるさとでもないところへ納税して、見返りをもらう。そんな制度を政府が作っていて、それに応ずる住民が多数いる。住民税の脱税を奨励・合法化したような制度である。
 日本は根っこから腐ってしまったのではないかと眩暈(めまい)がしそうだ。
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」は日本人が300年以上にわたって守り育ててきた商道徳であるが、「自分よし」だけの経営者や、村長や、村議会議員がずいぶん増殖してしまっているようで情けない。


 寿都村の村長と村議会も神恵内村の村長と村議会も揃いも揃って、あきれてしまう。ズルイあるいは卑怯なやりかたにブレーキをかける村議会議員はいないのか?
 高レベル放射性廃棄物の埋設処理を受け入れるつもりがないなら、「文献調査」に手をあげてはいけない。

 政府もおかしい、20億円の補助金交付を餌に「文献調査」とは内容のまったく異なる現地調査を実施しようというわけ。「文献調査」ではなくて「現地調査」と言うべきだろう。小ズルイ輩が増殖してます。

 原発関係で一度補助金をもらうと、永遠にもらわないとその自治体の財政が成り立たなくなることは、原子力発電所のある町村がこぞって証明済み。原発稼働停止で補助金が減額された途端に、再稼働要求が当該自治体から上がってくるような体たらくだ。


 ドイツが国内に埋設候補地を探している。地下300m以上の深さで、岩塩や花崗岩の岩盤地層のあるところと地震のないことが条件だそうだ。シンプルでわかりやすい。

 このドイツ基準を用いると、四枚の大陸プレートの継ぎ目に位置している日本には埋設処理の適地はないということになる。地上で管理するしかない。


 何をどのように議論しようとも、原発全部を廃炉すると同時に、高レベル廃棄物を日本列島のどこかで保管するしかない。過去のでたらめな原子力発電行政のツケを払わざるを得ない。
 そこで提案だ。補助金交付で潤ってきた原子力発電所所在地に20%を保管する。巨大消費地の自治体の庁舎の敷地内に3%を保管しよう。東京都なら東京都庁議会のある敷地内に保管、泊原発の文の3%は道議会のある敷地内だ。残りは電力消費の一番大きな都会に保管する。やれるところからやろう。東京都や札幌市や仙台市や大阪市や福岡市の議会のある場所へ3%の保管施設をつくろう。残りの77%の保管はそれから議論したらいい。札幌市や仙台市、東京都、大阪市、福岡市のような巨大消費地に半分の保管を義務付けたい。受益者負担でいい。議論すべきは残りの27%。
 地上保管なら異常があればすぐにわかるし対処は可能だ。


<事故があったらその後の処理は莫大なお金がかかる>
 チェルノブイリ原子力発電所の事故ではいまだに3000人の職員が24時間、爆発して壊れた原子炉の原子炉の安全な維持管理の仕事に従事している。500年間継続するとしたら一体どれくらいの経費が掛かるのか?

 一人1000万円の人件費と物件費が500万円かかるとすると、年間の維持管理に係る経費はいくらか?
 1500万円/人×3000人=4,500,000万円=450億円/年
 450億円x500年=22.5兆円

 現在はいくらお金がかかろうとも、電力料金に上乗せされて、電力消費者が支払っている。それが百年後でも可能なのだろか?高レベル放射性廃棄物はその放射能が1/10になるのに10万年かかるのだ。20万年で1/100になる。近代的な国民国家が成立してから、まだ300年足らずである。千年後にいまの国民国家はありえない。国家形態も変わってしまっているだろう。原子力発電をして儲けている企業もその事業を認可した政府もじきに消滅してしまうが、高レベル放射性廃棄物の安全な保管は「永遠」に続けなければならない。
 100年もしたら他のエネルギー源が開発されて、原子力はもとより、火力も水力もその半数以上が不要になっているかもしれぬ。現在ですら、国内に50基ほどもある原子力発電所が一つも稼働していなくても、電力の不足の事態は起きていないのである。
 百年後に、だれが事故を起こした原発の維持管理費を負担するのか?誰が高レベル放射性廃棄物の保管費用を負担するのだろう?



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