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#4181 武漢新型コロナウィルスの正体:HIV遺伝子が組み込まれている Feb. 14, 2020 [35. 感染症および自己免疫疾患]

 新型の病原性ウィルスの致死率が高ければ、宿主を殺してしまい、次の宿主に移れない。だから、新たな感染症は時間をかけて弱毒化して、人類と共存する戦略を選んできた。武漢新型コロナウィルスも数百年をかけてそのような経緯をたどるのかもしれない。
 いまのところ若い人の重症化の例は日本国内ではないようだ。免疫が低下しているお年寄りのリスクが若い人たちに比べて数十倍高いようだが、流行が終わればそれがどれほどか調査研究がなされるだろう。

 ところで、ショッキングなニュースがある。この新型コロナウィルスで肺炎を起こし、白血球数が減少して、免疫不全で死亡する症例が報告されている。このウィルスは免疫細胞を攻撃する能力をもつ。
 免疫不全症状を起こすことですぐに頭に浮かぶのはエイズである。AIDS(Acquired immune deficiency syndrome)は「後天性免疫不全症候群」の頭文字をとった病名である。原因ウィルスはHIV(Human Immunodeficiency Virus)である。新型コロナウィルスも似たような機序で免疫システムを破壊するということ。三番目に取り上げられているインド人科学者によれば、新型ウィルスにはエイズ由来の蛋白質があるという。免疫不全を起こすのはそのあたりに原因があるのだろう。
 まるで、コロナウィルスにエイズ由来の蛋白質を組み込んだような構造をもっている。その点が、いままでのコロナウィルスと決定的な相違なのである。そういうコロナウィルスは他には一つもないと書いてある。コロナウィルス・ファミリからまるで孤児のように距離がある。どうして短期間にこのような特異的ともいえるinsertion(遺伝子組み込み)が生じたのか謎である。
 it is quite unlikely for a virus to have acquired such unique insertions naturally in a short duration of time.

 中国の医師が「武漢肺炎はSARS+エイズのようなものだ」と解剖学的所見を述べている。
*https://www.epochtimes.jp/p/2020/03/52988.html

 蝙蝠由来のコロナウィルスにHIV遺伝子の中の免疫不全を起こす部分を組み込めば、「短期間」でこういうことが起きるが、それは生物兵器の研究である、まさか、中国が武漢でそのような研究をしていたわけではあるまい。
 今後の調査研究がどういうメカニズムで、蝙蝠由来のコロナウィルス遺伝子にHIV遺伝子が混ざってしまうという突然変異が生じたのかが、明らかにされるだろう。
 遺伝子モデリング解析の結果、武漢の食肉市場由来とは思えない特異な遺伝子構造を新型コロナウィルスは有している。この論文の共著者はランセットに、「遺伝子組み換えはおそらくはこのウィルスの出現の理由ではありえない」と寄稿している。だが、最初の太字部分に見るように、「武漢新型ウィルスは、自然界で生ずる遺伝子組み換えとは考えられない」とも指摘しているのだ。それは、コロナウィルスの中で今回の騒動の原因になっているウィルスだけが、HIVの遺伝子が組み込まれているからだ。自然界で起きた現象なら、その周辺に間をつなぐコロナウィルスが見つかるはずというのが根拠なのだろう。そういう意味で、武漢新型コロナウィルスは、コロナウィルス・ファミリーから孤絶しているのである。
 問題は、どれくらいの確率で肺炎重症患者が免疫不全症候群を呈するのかということだろう

 そしていま考えうる標準治療手順を全国の病院へ公開することと、各地で患者の治療に当たったドクターから治療方法と効果に関する情報を収集して分析し、治療に当たっているドクターたちへ速やかに伝える体制をつくることが大事なのだろう。

 エイズは体液の接触がないと感染しないが、武漢新型ウィルスはインフルエンザと同程度の飛沫感染力やエアロゾル感染力をもっており、それに感染したら、肺炎を起こして急激に免疫不全状態に陥るのでは、ずいぶん物騒なウィルスである。中国から毎年数百万人の規模で観光客が来るから、感染症からみたら日本と中国は「一蓮托生の地域」になっている。

 観光立国、いま一度考え直した方がいいのではないか?
 札幌冬季オリンピックは新型感染症対策を点検すべき、やるなら数千人規模の隔離施設を用意しておきたい。インフルエンザの流行期の開催なのだから。今回のようにいったん市中感染が広がりだしたら、施設がなければ対処の使用がなくなる。


 タイトルはそのものずばり、Scientific Puzzles Surrounding the Wuhan Novel Coronavirus(武漢新型コロナウィルスをめぐる科学的な謎)」です。

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 最初の段落で、中国のウィルス感染症予防国立研究所の教授が、遺伝子組み換えがこのウィルス出現の理由ではないと言っていることに注意。
 ギリシアの5人の研究者の主張を紹介した後で、インド工科大学のPrashant Pradhanの「自然状態で短期間のウィルスがこのような組み換えを獲得することはありえない」とする説が紹介されている。かれも「HIV遺伝子組み込みが人為的に行われたとは言ってない、しかし、そう示唆しているとも読めることは事実

 ネット上で、「人為的に組み替えられた」という風に読みかえられて、拡散したので、このインド人研究者は原論文を急遽撤回している。自分の意図したところとは違うというのが理由である。武漢新型コロナウィルスをめぐる六つの謎は、以下の正六角形の図にまとめられている。(2/15朝11時追記)
https://img.theepochtimes.com/assets/uploads/2020/02/04/Puzzles-of-nCoV-1-1200x696.jpg

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*read:https://www.theepochtimes.com/scientific-puzzles-surrounding-the-wuhan-novel-coronavirus_3225405.html

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Lancet Article Reports Wuhan Virus Not Likely Caused by Natural Recombination

 

 Most papers reported that the 2019-nCoV is only 88 percent related to the closest bat coronavirus, only 79 percent to SARS, and just 50 percent to MERS. Professor Roujian Lu from the China Key Laboratory of Biosafety, National Institute for Viral Disease Control and Prevention, Chinese Center for Disease Control and Prevention, and his co-authors commented in a Jan. 30 paper in Lancet that “recombination is probably not the reason for emergence of this virus.”

A Jan. 27 2020, study by 5 Greek scientists analyzed the genetic relationships of 2019-nCoV and found that “the new coronavirus provides a new lineage for almost half of its genome, with no close genetic relationships to other viruses within the subgenus of sarbecovirus,” and has an unusual middle segment never seen before in any coronavirus. All this indicates that 2019-nCoV is a brand new type of coronavirus. The study’s authors rejected the original hypothesis that 2019-nCoV originated from random natural mutations between different coronaviruses. (Paraskevis et al 2020 BioRxiv) The article is a preprint made available through bioRxiv and has not been peer-reviewed.

.....

 

Stunning Finding: S-Protein Insertions From HIV

On Jan. 27, 2020, Prashant Pradhan et. al. from the Indian institute of Technology published a paper entitled “Uncanny similarity of unique inserts in the 2019-nCoV spike protein to HIV-1 gp120 and Gag,” which is currently being revised. The corresponding author of this paper, Professor Bishwajit Kundu, is specialized in protein genetic and genetic engineering and has published about 41 papers during the past 17 years on PubMed, including high-impact biomedical journals.

The authors found 4 insertions in the spike glycoprotein (S) which are unique to the 2019-nCoV and are not present in other coronaviruses. “Importantly, amino acid residues in all 4 inserts have identity or similarity to those of HIV-1 gp120 or HIV-1 Gag. Interestingly, despite the inserts being discontinuous on the primary amino acid sequence, 3D-modelling of the 2019-nCoV suggests that they converge to constitute the receptor binding site. The finding of 4 unique inserts in the 2019-nCoV, all of which have identity/similarity to amino acid residues in key structural proteins of HIV-1 is unlikely to be fortuitous in nature.” (emphasis added) author.

Pradhan et al. added, “To our surprise, these sequence insertions were not only absent in S-protein of SARS but were also not observed in any other member of the Coronaviridae family. This is startling as it is quite unlikely for a virus to have acquired such unique insertions naturally in a short duration of time.”

“Unexpectedly, all the insertions got aligned with Human immunodeficiency Virus-1 (HIV-1). Further analysis revealed that aligned sequences of HIV-1 with 2019-nCoV were derived from surface glycoprotein gp120 (amino acid sequence positions: 404-409, 462-467, 136-150) and from Gag protein (366-384 amino acid). Gag protein of HIV is involved in host membrane binding, packaging of the virus and for the formation of virus-like particles. Gp120 plays crucial role in recognizing the host cell by binding to the primary receptor CD4. This binding induces structural rearrangements in GP120, creating a high affinity binding site for a chemokine co-receptor like CXCR4 and/or CCR5.”


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 時事英語教材に使いたい記事だ。

*CD4: ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/CD4

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分子生物学において、CD4cluster of differentiation 4)とはいわゆるヘルパーT細胞単球マクロファージ樹状細胞などの免疫系細胞が細胞表面に発現している糖タンパク細胞表面抗原の1つである。1970年代後半に発見されたこの分子は、1984年にCD4と名付けられるまではleu-3、T4として知られていた。[5]ヒトの場合、CD4遺伝子にコードされている。[6][7]

CD4陽性T細胞はヒトの免疫系において必要不可欠な白血球である。しばしばCD4細胞、Th細胞、T4細胞と呼ばれることもある(以下CD4細胞)。この細胞の主要な役割はCD8陽性T細胞(いわゆるキラーT細胞、もしくは細胞傷害性T細胞、以下CD8細胞)などの他の免疫系細胞にシグナルを送ることであり、このことからCD4細胞はヘルパー細胞と呼ばれる。CD4細胞がシグナルを送ると、CD8細胞はそれを受けて感染細胞を破壊しこれを殺す。無治療のHIV-1感染患者や臓器移植前の免疫抑制状態のようにCD4細胞が枯渇してしまうと、健康な人では感染症を起こさないような様々な病原体に対して感染を起こしやすい状態になってしまう(日和見感染)。

HIVの感染[編集]

ヒト免疫不全ウイルス-1 (HIV-1) は宿主のT細胞へ侵入する際にCD4を利用する。これはgp120として知られるエンベロープタンパク質を結合させることによる。このCD4への結合は、宿主細胞が発現している供受容体へ結合するようにgp120の形態を変化させる[8]ケモカインレセプターであるCCR5やCXCR4がこの共受容体にあたる。さらに他のウイルスタンパク質 (gp41) が構造を変化させると、HIVはウイルスの外膜を細胞膜に融合させるために、融合ペプチドを宿主細胞に挿入する。



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<厚労省はSRLに協力要請したらいい>
 臨床検査項目コードは25年前に標準化して、全国の病院と臨床検査センターがそのコードで連動して動けるようになっている。武漢新型コロナウィルスのPCR検査の保険点数をつければ、SRLが日本標準臨床検査項目コード管理事務局になっているから、即日ネットを通じて全国に配信できる。そうすれば、翌日から全国の病院からの検査を臨床検査センターが受けられる。
 (日本標準コード制定産学協同プロジェクトの発案と作業部会発足時のマネージメントをやったのはebisu、「臨床診断システム事業化案」の10個のプロジェクトのうちに一つでしたが、まさかこんな形で役に立つとは思っていませんでした。)





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#4180 武漢新型コロナウィルスと臨床検査センターの役割 Feb. 12, 2020
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フェイクニュースですね。予稿のインド論文が陰謀論者たちに拡大解釈されて発信された模様。当の発信源の論文執筆者が撤回しました。
https://www.jijitsu.net/entry/India-coronavirus-HIV
https://www.jijitsu.net/entry/coronavirus-HIV-2019-nCoV
by お名前(必須) (2020-02-15 10:02) 

ebisu

unknouwnさん

人為的な組み換えだという風に読まれて拡散したのですか。そこまで書いていないのですが…
「it is quite unlikely for a virus to have acquired such unique insertions naturally in a short duration of time.」
 この部分は、このような組み込みは短期間でウィルスが獲得できるものではないとしているだけで、人為的な組み換えを直接示唆はしていませんが、間接的に示唆している、そうも読めます。

13時間前にPrashantPradhan(原稿の執筆者)の書いたものを読むと、HIV遺伝子の人為的な組み込みという読み替えが拡散したので、そこはわたしの意図するところではなかったので、撤回するということのようです。フェイクニュースというのは、人為的にHIV遺伝子が組み込まれたという情報のことですね。

依然として、武漢新型コロナウィルスをめぐる6つの謎は未解明のまま。正六角形の図で整理された6つの謎が示されています。その中の一つに、「抗HIV薬による実験的な治療」があげられています。効果は上がっている様子。なぜ抗HIV薬が効くのかはこれからの調査研究に注目したいと思います。

<新型コロナウィルスをめぐる6つの謎>
https://img.theepochtimes.com/assets/uploads/2020/02/04/Puzzles-of-nCoV-1-1200x696.jpg


お示しの二つ目のURLの最後の「まとめ」にわたしがいま書いたことと同じことが書かれていました。
どうもありがとう。
by ebisu (2020-02-15 10:39) 

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