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#4182 武漢新型コロナウィルス:生物学分類 Feb.15, 2020 [35. 感染症および自己免疫疾患]

<最終更新情報>
2/16朝8:45

 武漢新型ウィルスはエンベロープのあるタイプのウィルスであり、エンベロープは脂質でできているからアルコール消毒が有効とされている。アルコールに晒されると、ウィルスのエンベロープが破壊され、機能を失う。

 wikiでウィルスの生物学分類を参照したら、第Ⅳ群に「コロナウィルス科」があった。科とはfamilyである。その下の分類は属(genus)となっている。ちなみに人間は「サル目ヒト科Homo属ヒト種」である。チンパンジーと人間は科(family)を異にしている。目(order)は科(family)を束ねる分類、上位概念である。「生物分類」というキーで検索すれば、出てくる。最初に挙げたアドレスでは出てきません。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/生物の分類
**https://ja.wikipedia.org/wiki/ウイルスの分類

 SARSとMERSは「ベータコロナウィルス属」にある。同じ属のコロナウィルスに蝙蝠由来のものが二つある。「アルファコロナウィルス属」にも蝙蝠由来のものが二つある。新型コロナウィルスは果たしてどちらに属すのか?どちらでもない新しい属であるというのがいまのところの結論だ。

 さて、ここから面白い、前回とりあげた記事から引用する。

Most papers reported that the 2019-nCoV is only 88 percent related to the closest bat coronavirus, only 79 percent to SARS, and just 50 percent to MERS.

 新型コロナウィルス(遺伝子)の88%がもっとも近接している蝙蝠由来のものであり、79%がSARS、50%がMERSであるということが大方の学術論文の示すところ。
 同じfamily(科)でもこんなに違いがあるということに驚く。人間とチンパンジーは違うfamilyだが、その遺伝子の相違はわずか1.5%といままで言われてきた。それに比べて、たとえば、50%しか同じではないというのは同じ属ではないどころか同じfamilyでもないということを示しているようにすら感じる。「新種」というよりも「新属」、それも「新科」というほどかけ離れているということ。生物学者ならずとも「なにかおかしい」という感覚が生ずるのはあたりまえ。
(最新のDNA解析チップを使用した研究によると、チンパンジーとヒトの遺伝子にはもっと大きな隔たりがあることが判明しているようだ。その違いの部分に、ヒトがヒトである理由がコーディングされているのだろう。こちらも研究が急速に進みだしている。技術の進歩がいままではできなかった新しい知見を生み出す。)

 5人のギリシア人の科学者は次のように述べている。
A Jan. 27 2020, study by 5 Greek scientists analyzed the genetic relationships of 2019-nCoV and found that “the new coronavirus provides a new lineage for almost half of its genome, with no close genetic relationships to other viruses within the subgenus of sarbecovirus,” and has an unusual middle segment never seen before in any coronavirus. All this indicates that 2019-nCoV is a brand new type of coronavirus. The study’s authors rejected the original hypothesis that 2019-nCoV originated from random natural mutations between different coronaviruses. (Paraskevis et al 2020 BioRxiv) The article is a preprint made available through bioRxiv and has not been peer-reviewed.

 これらの研究者たちが遺伝子解析した結果によれば、新型コロナウィルスのゲノムの半分が新しい系統のものだということ。同じ属内の他のウィルスとの遺伝子上の近接関係はないということ。これらのことから、新型コロナウィルスは既存の属とはかけ離れた新しい品種である。たとえて言うと、「親の見つからない孤児」のような存在である。2019新型コロナウィルスが種類の異なるコロナウィルスとの間でランダムな突然変異から生まれたという仮説をこれらのギリシア人科学者たちはあり得ないことだとしている。ただしこの論文はプレプリントであり、査読されていない。科学論文は査読がすまないと掲載されない。
 話の要点は、新型はいままでのコロナウィルスとはまったく違っているということ。

 インド工科大学の研究者によれば、短期間で蝙蝠由来のコロナウィルスにHIVウィルスの一部が組み込まれるようなことはありえないのです。

Pradhan et al. added, “To our surprise, these sequence insertions were not only absent in S-protein of SARS but were also not observed in any other member of the Coronaviridae family. This is startling as it is quite unlikely for a virus to have acquired such unique insertions naturally in a short duration of time.”

 "Pradhan et al."とあるので、プラダハンだけでなく、彼を含むその他の共著者が主語です。

 新型コロナウィルスによる重篤の肺炎症状にはエイズ治療薬が効く。
 新型コロナウィルスはHIVの遺伝子を取り込んでいるようなのだが、HIVとどれくらい近接しているか、その%は書かれていない。いまの段階では特定の部位にHIV遺伝子が混ざっているということが言えるだけで、定量的な分析は今後の研究待ちということか。


 中国の国立ウィルス感染症予防研究所のRoujian Lu教授とその共著者は次のように述べている。「“recombination is probably not the reason for emergence of this virus.”」(遺伝子組み換えはおそらくこのウィルス出現の理由ではない)
 これは中国政府の言い訳でもあるのだろう、自分のところで生物兵器として開発していたウィルスが流出したものではないよというメッセージ。
 時間をかけて研究が進むだろうから、自然の突然変異でどうしてこんなに短期間で組み換えが起きたかはいずれ理由が判明するだろう。ここで注意しておきたいのは、中国人科学者は"probably(おそらく)"と副詞をつけて表現しているところ。やっていないことを証明するのは困難だから、こういう表現になる。


 すでに経路のわからない市中感染が広まりはじめたから、検査体制、隔離体制の整備・拡充が必要になる。公的機関だけではやれないのだから、官と民との協力体制が対策の鍵だろう。
●新型コロナウィルスのPCR検査を保険収載する⇒標準臨床検査項目コードがあるので民間検査センターと全国の病院はすぐに対応可能になっている。SRLが標準コードの事務局になっているので対応の段取りをすぐに話し合うべき。
●標準治療手順を公開する
●治療情報を収集・分析して、効果的な治療法に関する情報を厚労省のホープページ上で告知・更新する
●隔離施設の建設
 騒ぎがおさまるのは、梅雨入りするころになるのだろうか?東京オリンピックはいまのところ、ギリギリセーフのようにみえる。
 日本政府はダイアモンド・プリンセス号の乗客と乗員を船内に閉じ込めて、新型コロナウィルスの蔓延になすすべがないことを証明してしまった。感染症対策は低レベルで劣悪であることを世界中に知らしめてしまったのである。これから、万全の対策を構築して、具体的な感染症対策のある国であることを証明すればいい。


*#4181 武漢新型コロナウィルスの正体:HIV遺伝子が組み込まれている Feb. 14, 2020
https://nimuorojyuku.blog.ss-blog.jp/2020-02-14




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