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#3367 授業参観への関心が薄いのはどうして? July 17, 2016 [55. さまざまな視点から教育を考える]

 先週、中学校で授業参観があった。生徒に状況を聞いたら、3年生のあるクラスは10人以下、2年生のあるクラスは4人だったという。最後の懇談会に残ったのは2名だけ、ちょっと寂しい気がする。
 東京にいたときに一度だけ中学校の授業参観をしたことがある。35~40人学級だったが、後ろは保護者でいっぱいだった。東京郊外で、とくに教育に関心が強い地域ではないが、授業参観後の懇談会でも20人程度は参加していたとは女房の話。授業参観している保護者の中にはたまに一流大卒もいる。どこの大学を卒業できるかで、就職先企業のグレードが違うから、首都圏の親たちは学力に関心が強いことは事実だろう。上場企業の本社のほとんどが東京にあるから、「本社エリート」の数も地方に比べると圧倒的に多い。根室の子どもたちも7割は根室から出て、就職せざるを得ない。半数程度は首都圏の競争の激しいところで戦うのである。
 高校を卒業してから十年位して、小学校のときの同級生が葉書を寄こして東京へ出て来るといってきたが、力になってやることが出来なかった。どこにも伝(つて)がないから苦労したと思う。根室から東京の大学へ進学した者はみんな何の伝もなく、社会人となって自分の道を切り拓いてきた。そこそこの大卒でなければ、選べる職業はかなり制限される。まあまあの業績の中小企業へ就職するのだって、競争をくぐりぬけなければならない。

 数分の一しか保護者が来ないということは、教育への関心が根室は極端に低いと判断してよいのだろう。
 懇談会への参加も極端に少ないということは、学校の先生と話をする必要を感じていないからだろう、学校へ預けっぱなしでよいと思っている保護者が多いということ。
 こういうのを「ネグレクト(無視)」という。家庭内での「ネグレクト(親が子どもを無視すること)」は欧米では児童虐待で犯罪である。保護者が学校をネグレクトしている、こんな地域は珍しいのではないか。学校側ではどう受け取っているのだろう?反応がほとんどないのだから、張り合いないことは想像がつく。

 家庭がこういう状況では、市議会議員たちが教育に関心が薄いのも無理はないし、学力問題は票にも結びつかない。しかし、地域の未来を左右するのだから市議は教育へ関心を寄せてもらいたい。
 経済団体も教育への関心が薄い、だから地元企業の経営改革も進まないし、地域全体の地盤沈下がとまらない。(釧路は経済団体も市議会議員も学力問題への関心が非常に強い)
 水産業も、ロシア海域でのサケマス流し網漁が禁止になったから、引き網漁への転換を急がなければならない。漁の方法や船の改造も含めて、問題に対処するには学力の高い有能な人材が必要である。そういう人材が不足しているから、いま水産業界は右往左往するばかりでジリ貧になっている。30年前に学力問題に目を向けて、地元水産会社が経営改革を進めて、人材育成を図っていたら、もっと軽やかな対応が出来たはず。いま学力問題に正面から取り組んでおけば、24年後の2040年に人口が1.8万人に減少しても豊かに暮らすことが出来る。
 
 せっかく授業参観日を設けても、参加する保護者が少なく、懇談会にも数名しかいなければ、一部の授業に問題があっても批判の声がでないし、ある先生がすばらしい成果を挙げてもほめてくれる保護者もいない。保護者による学校教育のネグレクト、反応がないことが一番始末におえない。
 東京都では通学する公立中学校を選べるから、学力で評判の悪い学校は生徒数が減って「自然消滅=廃校」になる。学校選択制ではない根室はどんなに学校が荒れても生徒が減るなんてことがない。学力問題に真剣の取り組み成果を挙げても、生徒が増えるということもない。やってもやらなくても同じ、保護者の関心も薄いとなれば、意欲をなくす先生が増える。なんとかしよう。

 根室の市街化地域の中学校は数年後に3校が1校に統合される。
 教育へのこの異常な関心の低さ、さて、どこから手をつけたらよいのだろう?

 誘い合わせて、授業参観にもっとたくさんのお母さんたちが押しかけてください!
 学校教育に関心を持っていることを行動で示そうではありませんか。



*#3366 「一流の育て方」から:母親視点の正論 July 16, 2016  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-07-16


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