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#3366 「一流の育て方」から:母親視点の正論 July 16, 2016  [55. さまざまな視点から教育を考える]

 小学生低学年のときの家庭学習を含む躾の重要性を何度も書いてきましたが、ZAPPERさんが面白い本を紹介してくれていますから、教育に関心のある根室のお母さんたちに広くお読みいただきたい。

ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8518496.html
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2016年07月15日

ダイヤモンド社「一流の育て方」から(母親視点の正論)

おもしろかったです。「一流の育て方」(ダイヤモンド社/ミセス・パンプキン、ムーギー・キム著)。塾経営者としては言いたくてもなかなか言えない(笑)、しかし核心を捉えた記述を抜粋引用しましょう。

中高生の子どもが「勉強しない」と嘆く親御さんの話を聞いていますと、小学生のときに、何も手を打っていないことが多いものです。そのような親御さんに多いのは、自分の行動が、子どもの将来にどれだけ重要な意味を持つかという認識に欠けていることです。

育児中の親で忙しくない人はいません。しかし子どもが勉強しないと嘆く親御さんほど、自分はいつもテレビにかじりついているか、お付き合いなどで外出していることが多いものです。つまり、親自身が「子どもの教育第一」の生活をしていないのです。「子どもが勉強したくなる環境づくり」を最優先に考えて自分の時間配分をしている親御さんの子どもさんとは、ここでまず大きな差がつきます。

(中略)「勉強しなさい」と言葉だけで強要し続ける親御さんは私の周囲にも多いものですが、やがて「お願いだから勉強して」とか「頼むから勉強して」という言葉が加わるようになります。そのようにお願いしている時点で、それが「親から子へのギフト」だという発想がなくなっています。そして勉強嫌いの子どもが、「親のために勉強をさせられている」と勘違いすることにつながるのです。

(中略)子どもにとって最も大切な勉強環境とは、そばにいる親自身が「学習習慣」を持っていることです

(中略)親は何も努力せず、子どもの指導を塾や家庭教師に丸投げして、言葉だけで勉強を強要しても効果はありません。子どもが自然に学習環境を持てるように、親自身が日々の行動で見本を見せてあげたいものです。

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おもしろい本でありました。我々が言ったり書いたりすると波風が立つ部分ではありますが(笑)、中室牧子さんの『「学力」の経済学』もそうですが、主婦として、また子どもの母親として正論を述べていただけると、とっても助かる!などと思う次第であります。いえ、本当に。(^∀^)
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〈 ebisuの一言 〉
 母親が教育に関心をもち、小学校低学年の内に家庭学習習慣や挨拶、返事の仕方、箸の持ち方、鉛筆の持ち方、座る姿勢、歩き方などをちゃんと躾けることができるかどうかが、子どもの将来を左右していることに案外気がついていません。
 母親の役割の重要性を考えるとき、性差による役割分担は自然なことであり、子どもを生んだら10年間は育児に専念してもらいたい、目指すべきはそうした余裕のもてる社会です。
 いわゆる「男女共同参画社会」は欧米の社会類型であって、日本の文化的伝統とは相性が悪いのです。

〈 余談:この本の評価 〉
 この本には「ビジネスでも勉強でもずば抜けて活躍できる子を育てる」という副題がついていますが、ビジネスで活躍できるという実証データがほとんど存在していないというレビューがいくつかありました。大学生へのアンケートと、そこに書かれた数行のコメントを取り上げて論じた本のようです。
*アマゾンのこの本のレビュー・ページ
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%80%E6%B5%81%E3%81%AE%E8%82%B2%E3%81%A6%E6%96%B9%E2%80%95%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%82%82%E5%8B%89%E5%BC%B7%E3%81%A7%E3%82%82%E3%82%BA%E3%83%90%E6%8A%9C%E3%81%91%E3%81%A6%E6%B4%BB%E8%BA%8D%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E5%AD%90%E3%82%92%E8%82%B2%E3%81%A6%E3%82%8B-%E3%83%9F%E3%82%BB%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%97%E3%82%AD%E3%83%B3/dp/4478061467/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1468709699&sr=1-1&keywords=%E4%B8%80%E6%B5%81%E3%81%AE%E8%82%B2%E3%81%A6%E6%96%B9

 一流国立大卒でもビジネスで活躍できるのは5%程度というのがわたしの狭い経験の中での感覚です。はっきりしていることは受験勉強のやりすぎは、その方法が毎日繰り返され、習慣化することで、思考パターンを固定化してしまうのでよくない結果を生むことがあるということ。
 勉強のやり方に思考パターンを固定化しない鍵があるのだろうと思います。受験問題集レベルの学習は半分以下にしておいたほうがよいでしょう。大数学者の岡潔先生も大学生が問題演習で使うようなものを旧制中学時代にやっています。

 私の場合は高校では受験勉強レベルの問題集の消化はほぼゼロでした。理由は簡単、高卒で公認会計士になるために商業科を選択したことと、大学進学を決めたのが高校3年の12月だったからです。高校の2年と3年のときは公認会計士受験参考書と、経済学、哲学などの本を読み漁っていました。ビジネス分野ではそこそこ「活躍」できたほうかもしれません。
 

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ZAPPER

ご紹介ありがとうございます。総論賛成、各論は???といった部分も多くあり、有能なビジネスパーソンとやらの定義も数字の根拠に欠け、我が子3人をいわゆるエリートに育てた大卒の母親による執筆ゆえに反感を買う向きもあろうかと思いますが、なかなかおもしろい本でありました。

最終章での著者の訴え、「躾は厳しく」が一番言いたかったことなのだろうと思います。子どもの学習習慣形成は、靴をそろえて置くことや時間を守ること、ちゃんと挨拶をしたり準備や後片付けをしたりと、日常における躾となんら変わらないものであること著者は重ねて指摘しています。

実際、今の時代、躾と子どもの学力には密接な関係があるというのが我々の痛感するところでもあります。小さな子どもを持つお母さんにこそ読んで欲しいものですが、まぁ、よほど意識の高い人しか読まないのでしょうね。そしてまた、そうした人は躾をきちんとやっている。そう言ってしまえば、身も蓋もない話ではありますが…。
by ZAPPER (2016-07-17 12:43) 

ebisu

ZAPPERさん

いいところをピックアップして紹介してくれましたね。
親がちゃんとしていれば、子どもも7割がたは親の普段の挙措を見て、身につけていますから心配要りません。
それでも3割は外れます。(笑)

親がちゃんとしていなければ、子どもは7割がたダメになる。しかし、どんなに親がダメでも2割くらいは反面教師ととらえて、親のようにはなりたくないと、立派に育ちます。7割は親と同様になるので、這い上がれる歩留まりがぐんと落ちます。

まず大人が自分を点検すべきですね。仕事の関係の本は読んでいるか。昨年何冊本を買って、何冊読んだか。
しょっちゅうスマホをいじっていないか。
箸は正しい持ち方をしているか、箸で小豆がつまめるか、鉛筆はちゃんと持って字が書けるか、机に向かっているときに背中を丸めたり、片側に傾斜していないか、歩くときに背筋が伸びているか、毎朝7時前に起きているか、夜12時過ぎまでテレビを見ていないか、よその家にいったときにはちゃんと挨拶をしているか、靴を脱いだときにそろえているか、子どもに品のよい言葉で話しかけているか、電話で話しているときに品のよい言葉で話しているか、毎日数品は手作りのものを食べさせているか、等々。

まあ、親というのはたいへんなものです。特に母親の役割は大きい。

子どもを生むことができるのは母親、子育ても母親が圧倒的にかかわりが大きい。男は生むこともできないし、おっぱいをあげることもできません。
せいぜい土日の休みのときに、子育ての苦労の軽減をしてあげられるだけです。

子育ての主導権はお母さんたち、がんばれ!

補足:
一流大学へ入学しても、卒業してからが勝負です。たしかに一流大卒だと、出世コースには乗りやすいですが、そこそこ優秀な人でもせいぜい部長どまりですよ。
どれだけ困難な仕事をいくつこなしたかで取締役になれるかなれないかの勝負が決まります。
そういう人材は一流大卒でも数%で、受験勉強の出来・不出来とはほとんど関係がありません。正解のある問題を解くわけではありませんから、受験勉強の方法は肝心なところで通用しなくなります。能力の判断基準は仕事で実績を上げたか、あげなかったかです。
釧路や根室にいたらわかりません、一流大卒がいませんから。
念のために書いておきますが、東京の一部上場企業では、早大は一流大卒には入りません。もちろん北大もです。
学歴ではなくて、ちゃんと仕事で勝負すればいいんです。(笑)
そこに焦点を当てて勉強させましょう。

根室の中学校で学年一番をとっても、全国レベルではまったく意味はないのです。そんな低レベルな目標を掲げて勉強していたら、ものにはなりません。
全国レベルでトップ層に食い込むためには、全国レベルを目標としていたのではダメ、目標設定は受験レベルを超える必要があります。
全国最低レベルの北海道で、真ん中よりも低い支庁管内の中学校で、学年トップは「井の中の蛙」ですから意味がありません。そんなことを気にしているうちに、全国レベルでトップレベルの生徒たちは、ぐんぐん水をあけていきます。
やるべきことは受験勉強だけではないのです、それは半分以下に過ぎません。
能力のある生徒が学年トップにこだわったら、自ら成長の芽を摘むことになります。
なかなか難しいものですね。
by ebisu (2016-07-17 18:15) 

後志のおじさん

東大文Ⅰ落ち、早稲田政経政治卒です。(笑)

確かにバブル前とは異なり、早稲田卒は上場企業ではごくありふれた大学名となっているようですね。(依然難関ではあるようですけど。)


「受験勉強」という言葉自体が凄まじく雰囲気的なものですから(塾に通って朝から晩までねじり鉢巻、が「勉強だけが全てではない。」論の方のイメージでしょうね。)

出身校の名前をいい年こいて吹聴して、仕事や昇進のことを愚痴る管理職もいましたねぇ。職場では、出身校名ではなく、仕事で、周りの評価が決まります。いつまでも出身校名にしがみつくは、「みったくなし。」



私の場合、依然にも書きましたが

大学受験英語には、胡散臭さを感じ、ひたすら「ラジオ講座」と長文を読む勉強に徹しましたが、却って「英検2級」後の「ほんものの英語」を身に付けるステップとまっすぐ繋がっていてよかったのでしょう。

因みに「数学」は、受験経歴からご推察頂けると思いますが、高校受験ごときなら中学生のうちに日本の最高レベルまで一通りはみています。


難関大学受験という、限られた年数のうちに、

入試で高得点をとる道筋を、

自らリスクテイクして見つけ出したもの、

塾や予備校で与えられたことを「素直」に身に付けたもの、

どちらも合格するでしょうけど、この違いが
解のない問題に直面した時の違いになるのでしょう。


by 後志のおじさん (2016-07-18 08:48) 

ebisu

後志のおじさん

いつもコメントいただいているのに、失礼しました。口は災いの元ですね。(笑)

>東大文Ⅰ落ち、早稲田政経政治卒です。(笑)

難関校ではありますが、一部上場企業に限っては「一流大卒」には入りません。学力エリートであることは紛れもありません。

歴史のある名門一部上場会社の例を二つ挙げて見ます。
折半出資で治験合弁会社をつくったときの相手は、創業百年を超える超有名繊維企業でした。財務部次長さんが「早大(商学部)」出身で、「わたしは早稲田出身でして・・・」と身体を縮めて肩身の狭そうな感じでした。本社エリートの主力は東大と一ツ橋でしたから早稲田で財務部次長職は異例だったのです。
当時のI川常務とM橋専務は一ツ橋、Y社長は東大でしたが、数十人いる中でそこまで出世できるのは数人だけです。
百年を超える歴史を持ち、学歴エリートがひしめく一流企業でも、解のない答えを出すのは不得手で、常務のI川さん、合弁会社はうまくいったことがないとぼやいていました。
東大と一ツ橋で固めるからそういうことになるのです。合弁会社の社長は本社部長職が就任しますが、ほとんどの人が経営できません。赤字の合弁企業を黒字化するために、経費を削るだけ、削った経費以上に売上がシュリンクします。赤字は雪だるま式に増えます。そのうちに精神を病みます。何をしたらよいのかわからないのです。

2例目は病院建て替えの仕事で関係した新日鐵です。
2000年に首都圏のある病院の建て替えをしたときに担当だったのが、大手ゼネコンのフジタの営業部長(早稲田出身・一級建築士)でした。理事長の要求でキックバックの危ない話が進行中で、仕様変更とそのはねっかえりで、11億円の予定が15億円を越してまだまだ増えそうだったので、建て替えを依頼されて常務理事に就任して2ヶ月くらいで、フジタとの仮契約を解消し、新日鐵のゼネコン部隊に切り替えました。予算額を伝え、大きな仕様変更はないように院内でしっかりつめる、そして支払いは国の補助金が交付されたら翌日に振り込むことを約束して、東大卒の一級建築士の営業部長が2名が担当になってくれました。ある歌手の講演会のメンバーに東大卒の新日鐵の一級建築士がいました。その方に依頼しました。新日鐵は東大卒が多い、日本は歴史のある名門企業には一流大卒がたくさんいます。
約束どおり11億円で300床弱の療養型病院の建て替えができました。特例許可老人病院だったので外来は精神科と内科だけでした。病棟は一般病棟よりも少し広い。坪単価65万円で、市立根室病院の半分です。
 産業廃棄物(瓦礫)が棄てられていた谷地で地盤が軟弱だったので、下の岩盤まで百本ほどの支持柱を立てて建物を支えてあります。地震対策です。現病棟のすぐ隣に建てたので音の出ない工法でやってもらいました。
フジタのほうの早稲田出身の一級建築士の営業部長さんは、フジタが2度会社更生法の適用を受けて減資したので、社員持株会の株が反故になってしまいました。いいときには3000万円くらいの時価だった。同じ一級建築士でも早稲田と東大では天と地ほどの差ができてしまいます。
お受験エリートは、一流大学を出て、名門企業に就職して、あまり出世しないことが企業で生き残るコツかもしれません。

仕事はやり方しだい、段取りで7割が決まってしまいますから、そこでミスしたら一大事です。決めるべきところをしっかり固めておくだけで十分です。そのあたりの見極めをつけられるかつけられないかが分かれ目ということでしょう。

>難関大学受験という、限られた年数のうちに、入試で高得点をとる道筋を、自らリスクテイクして見つけ出したもの、塾や予備校で与えられたことを「素直」に身に付けたもの、どちらも合格するでしょうけど、この違いが解のない問題に直面した時の違いになるのでしょう。

おっしゃるとおりですよ。受験勉強まっしぐらで、余裕のなかった人は、企業人になって、ある程度の責任を背負わされたときにぽっきり折れることが多いものです。
「正解のない仕事」で行き詰ります。
リスクテイクをしてこなかったから、50歳になってから部長職を任されてもほとんどの人がリスクテイクができないことは当たり前。40代半ばを過ぎるともう手遅れです。だから、ほとんどの人がそこで暗礁に乗り上げてしまい、取締役への出世というコースから脱落していきます。

残念ながら、根室では早慶や難関国立大に入学しただけで何か一流になったような勘違いを周囲の人ばかりでなく本人もしてしまいます。
事実は社会人として有利なスタート台に立てただけのことで、それまでの勉強の仕方と、大学でも勉強の仕方が人生を決めることに気がつきません。やりかたがわるければ、難関大学へ入学した時点で終わっています。出世しないほうが無事に済みます。下手に出世すると大きな仕事を任されて、大穴を開けてしまい、外されます。精神を病む人が少なくありません。

塾で受験勉強のやり方を教えてもらって、難関大学へ入学できても、それまでの勉強方法が悪ければ、必死の努力をして難関大学へ入学できただけのことに終わります。社会人になってからでは遅いのです。中学高校と6年間やってきた受験勉強スタイルが、習慣となり、性格にまでなっていますから、社会人になっても、それまでに作り上げてしまった「鋳型」を壊すことができません。
後志のおじさんには釈迦に説法ですから、これはペリフェリ(田舎)で育つ子どもたちやお父さん、お母さん向けに書いています。

18歳でふるさと根室を離れて、35年間東京で暮らしてわかったことが、僻地で育つ根室の子どもたちと親たちの役に立つことを願っています。

by ebisu (2016-07-18 10:54) 

ebisu

< 東大文Ⅰ 友人の思い出話 >
SRL社に東証Ⅱ部上場準備要員として最後に採用されたのですが、1ヶ月くらい前に採用されたK藤と一緒に研修を受けました。全部で6人くらい採用されたのですが、ほかの人たちは半年から1年前に採用されていたので、研修で一緒になったのは2歳下のk藤だけでした。
二人ともリクルート社の斡旋で就職したので、SPI試験を受けており、偏差値がいくつだったか教えろと研修の合間に彼がいいました。断ると、自分の結果表(紙の切れ端)を見せてどうだというので、「ずいぶん高い偏差値ですね」と感想をいうと、自分のを見せたのだからebisuさんのも見せろというのです。そんな約束はしていないといってもしつこく見せろというので根負けして見せました。たかが偏差値ですから、そのときの調子によってもぶれます。気にする必要はないのですが、ずいぶん気にしていました、数字を見たときの表情がおかしくて笑いました。

セクションが違うのにときどき電話がかかってきて「今日は夜予定はあいているか?新宿の××でまっている」とよく二人だけで飲みました。
あいつは、東大入試がなかった年にぶつかり、しかたなく東大文Ⅰ受験をあきらめて中大法学部へ入学したのです。家庭の事情で浪人できなかったといってました。「あのとき東大入試があればオレは確実に東大法学部卒だった」、運命のいたずらでした。
数年間同じ会社で仕事をしていましたが、彼は独立しました。企業相手の健康管理企画に関する新規事業をスタートさせましたが、最初の一年間躓き、その後順調にやっていました。
2年目くらいに経営コンサルタント関係の仕事が舞い込み、仕事の段取りがわからないので手伝ってほしいと頼まれました。そちらの仕事はわたしの専門だったからです。非常勤取締役として1件だけ手伝ってやりました。月に一度くらいの頻度で、土曜日だけ非常勤役員として手伝ってよいか人事部に伺いを立てたら、ノーの返事、そのまま彼に伝えました。
当時は関係会社管理部で、子会社のほかに、よその臨床検査会社の経営分析、経営改善、買収、資本参加交渉を担当していました。二つの案件が進行中で、経営建て直しのために買収した臨床検査会社か、出資交渉をまとめた臨床検査会社へ出向するような段取りになっていました。
そういうときに、K藤からコンサル関係の仕事の比重が増えているので、副社長に就任してくれと頼まれましたが、主力の健康事業関係は私にはまったく興味がなかったので断りました。
断ると今度は社長に就任してほしいと再び依頼がありましたが、それも断りました。職位が気に入らないというわけではなかったからです。
断ると、彼はすぐに事業を分割して社員へ営業譲渡しました。その1ヵ月後に癌を発病して4ヶ月で亡くなりました。
親父の49日法要の日に奥様から、「今朝具合が悪いと言い、すぐに入院してモルヒネを打ってもらい、そのまま亡くなりました」と電話をもらいました。用事を済ませてから、東京へ戻るとすぐに横浜の超高層ビルの彼の住まいを訪ねて線香をあげました。
いいやつだった。

東大文Ⅰと聞いて彼のことを懐かしく思い出しました。享年41歳、奥様は東大理Ⅲ卒です。

by ebisu (2016-07-21 00:38) 

ebisu

後志のおじさん

過去ログ#3035を見ていて気がつきました。
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-04-28

早稲田政経は慶応大経済、東大文Ⅱ、一ツ橋大経済と同じランクなのですね。2015年の河合塾偏差値67.5となっていました。
京大経済は65となっていました。

早稲田政経なかなかすごい。

by ebisu (2016-07-28 01:24) 

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