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#2777 大学四年生就職戦線:中学校の先生にも知ってもらいたい Aug. 15, 2014  ID:9vxolp [60. 進路(進学・就職)]

 大学四年生が来た。就職が決まったか聞いてみたら、3月に内定したという。内定の出るのが実に速い。同じゼミの学生数人は4月に内定をもらったという。給与条件も道内企業では破格である。東京の大企業でも上のレベルの給与だ。偏差値55の大学の学生である。偏差値の高い学校の学生は企業側の評価も高いということ。
 偏差値45(成績下位30.9%)以下の大学は事情がまったく違う。分野によっては道内企業は大卒でも月給12万円~15万円程度、仕送りしてもらわないと生活できない。いきおい地方公務員へ殺到するが、そこは狭き門だ。学力がかなり高くてもコネ優先でパスできない市町村もある。

<有効求人倍率1.1のナカミ>
 有効求人倍率は全体では1.1倍だが、建築土木関係や外食産業が人手不足だ。
 正規雇用の有効求人倍率は0.68倍で、女子事務職員の有効求人倍率は0.19倍である。
 女子事務職については5人に一人の難関である。Sさんはそういう難関を突破した。
(今回メールをもらって読んで「おやっ!」っと思った。文面がビジネス文書の趣がでており、きちんとした大人のものに変わっていたからだ。ebisuはビジネス文書はずいぶん読んだし、自分でも二つの会社で1200本以上書いたから、書き手の文書能力大体判断がつく。この生徒は全国模試で何度も学内ナンバーワンだった。小さい頃から「本の虫だった」とは幼馴染の評。男の生徒も数回国語が一番だったが、その生徒は北海道教育大札幌校だ。中学校時代に学力テストで英数同時に百点とったすごい奴だ。高校1年御11月には日本商工会議所簿記検定2級(全商簿記検定1級相当)合格。国語の能力が高い生徒は「読み・書き・そろばん」のうち二つが強力なのだから、学力全般が高くなるのは当然のことだ。)

<大学のレベルによっておおよそ三パターンに分かれる>
■[L-1] 偏差値55(上位30.9%)以上の大学だと大学4年生になった四月の時点で就職内定をもらっている確率が高い。
■[L-2]  偏差値45~50の大学だと大企業の求人はほとんどない、中小企業が主力だ。
 四月の内定はほとんど例外的で、7月~10月が就職内定の山場になるのではないだろうか。
■[L-3] 偏差値40前後(成績下位16%)の大学は正規雇用の求人が著しくすくないから就職が厳しい。学力レベルは専門学校生と変わらない。就職という点から考えると、授業料を支払って卒業する値打ちがあるのかどうか疑問だ。

 正規雇用比率は68%だから三人に二人しか正規雇用の職に就けない、下位16%ではそのゾーンを遠く離れている。したがって大半が非正規雇用だろう。

<大学のレベルとSPI試験結果という二つのハードルがある>
 就職にはハードルが二つある。一つは大学のレベルで、もう一つはSPI試験である。大手企業はSPI試験をやるが、これで高得点を取らないと就職試験をクリアできない。この試験は簡単にいうと読みや計算の速さと正確さと測るものだ。仕事の能力は読みや計算の速さと関係している。企業側にはSPI試験の得点と偏差値等の数値情報と性格分析情報が通知されている。
 偏差値46で上位65.5%である、正規雇用はそこまでということになる。女子事務職は有効求人倍率0.19倍だから偏差値59以上が要求される。偏差値50以下の大学の女子学生が正規雇用の事務職員の職に就くのは著しく困難なことがわかる。
 偏差値の低い学校の学生はSPIも低く出る。だが、大学に入学してからがっちり勉強して学力が上がる者もいるから、努力をあきらめてはいけない。偏差値45以下の学校だとそういう学生は上位数%だろう。

<就職の勝負は中学校の成績でついてしまっている>
 結論を言うと、中学校あたりでほとんど勝負はついてしまっている。道立高校の入試問題の難易度が2年続けてガクンと低下してので、それに連動して今年の春から文協学力テストの難易度が低下した可能性がある。
 以前の学力テストで500点満点で400点が高校の全国模試で偏差値45~48くらいだ。このレベルの生徒はいまでは市街化地域の3校1学年約170人中5~12人しかいない。8年前には約50人いた。全国レベルで戦えるのは10%未満ということになる。
 中学校で学力テスト五科目合計点400をクリアできなければ、偏差値50以上の大学への入学はほとんどできない学力テスト400点は大学入試や就職を考えるとクリアすべき最低ラインにすぎない。文協学力テストで400点前後は大学入試偏差値で測ると45~48である。大学入試と卒業後の就職を考えると勝負は中学校でついてしまっているといえる
 学力テストで五科目合計点が一度も400点クリアできてないのに、ブカツに夢中になっている君、いいのかね、そのままでは手遅れになるよ。ブカツは最大5時半まで、文武両道を心がけさっさと帰って勉強もしよう。

<具体的に考えよう>
 根室では、根室高校普通科に入りさえすれば、正規雇用の職があると漠然と考えている生徒が多い。成績の比較的よい生徒が地元で正規雇用の職に就くが、優良企業の数は少ない。同期が250人とすると、地元にある比較的優良な就職先は20~30くらいだろうか。
 成績のよい者は大学進学をする。それは三階層に分けることができる。偏差値56以上の大学、偏差値45~55の大学、偏差値45以下の大学。そして学力的に大学進学が無理な生徒が専門学校へ進学するが、専門学校を卒業して正規雇用の職に就くのは実に厳しい。根室高校では学力の比較的高い層に属する偏差値45(根室高校では上位1/4だが全国レベルでは下位1/3)クラスの大学生ですら半分くらいが正規雇用の職に就けないのだから、専門学校生で正規雇用の職につけるものはわずかである。周りを見たらいい、専門学校を卒業した後で、正規雇用の職に就けずに、バイトしながら職探しに苦労している者がだんだん増えている。偏差値50付近の大学卒ですらそういう苦労をする者がでている。

<正規雇用は狭き門>
 若年労働力の不足が言われ始めているが、それは非正規雇用の分野だろう。正規雇用で大企業あるいはしっかりした経営の中小企業はあいかわらず狭き門なのである。女子事務職については5倍の難関である。
 そういう現実を踏まえて、中学校から学力を上げておかないと、しっかりした経営の企業に正規雇用で雇ってもらえない。

<マジメにコツコツ努力できる学生は会社を支える宝>
 中小企業経営者に言いたい。学力が高いがコミュニケーションが苦手な学生が少なくない。こういう学生の中には、生真面目でこつこつ努力を惜しまない者がいる。そういう人材も将来会社を支える力になりうるから人物をよく見て採用してほしい。面接ではきはき受け答えのできる者だけ雇っていたら会社の未来は危うい。バランスを考えて採用してはいかが?

<「北海道 大学偏差値一覧2014」参考資料>
*http://daigakujyuken.boy.jp/indexhokkaidou.html
偏差値55以上の道内の大学
 北大・医 73 ~ 水産 57 
 旭川医大・医 68  
 札医大・医 70
 帯広畜産大・畜産 66
 酪農学園大・獣医 61
 北海道教育大・札幌校 57
 小樽商大 55
 札医大・保健医療 58
 札幌市立大・看護 55
 北星学園・文学部 55


*#2230 それぞれの進路 : 大学へ Feb.28, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-28

 #2709 偏差値と「100人(百校)中の順位」対応表 June 22, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22

 #2756 偏差値55以上の大学受験生対象の塾はビジネスとして成立たぬ現実(根室)  Aug. 1, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-01-1


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