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#2727 金融機関に法人税減税5.4 兆円の事実をあなたはを知っていたか? July 6, 2014 [91.経済]

 根室は7月がお盆である。北海道では函館と根室のみ。8月は金刀比羅神社のお祭りが9日から3日間あるから、そのあと13日から休むわけにはいかないという漁師町の事情があるのだろう。しかし、歯舞は8月がお盆。
 今日は天気がよかったので、市営墓地までお墓の掃除に行ってきた。雑草を抜いて、石粉を撒いて墓石を拭いてきた。なんだか気分がすっとしている。
 ■1北斗小学校のグラウンドでカトリック幼稚園の運動会が、花咲小のグラウンドでつくし幼稚園の運動会が開催された。朝は曇っていたが、お昼頃には晴天だったから子どもたちは日焼けしてマッカッカになっただろう。花咲小学校と成央小学校そして北斗小は先々週(6/22)運動会だった。
*コメント欄にカトリック幼稚園の運動会ですと書きこんでくれた親切な人がいました。謹んで訂正いたします。

 さて、本題に移ろう。リーマンショックが2008年だった、その際に日本の金融機関がどれほどの損失を出したかご存知だろうか、おそらく記憶にないだろう。なんと1490億ドルである、現在のレート102円/$で換算すると約15兆円もの損失を出した。■2
 ■3
 大きな仕掛けがあった。巨額損失15兆円は「繰延税金資産」という勘定科目で処理され、その後5年間に渡り利益と相殺され続けている。
 繰延税金資産の有効期間は5年間だから、2008年度決算で生じた損失15兆円の繰り延べは2013年度(2014年3月期)までであったが、2012年に法律を改正して繰り延べ期間を2年間延長し7年と改めた
。至れり尽くせりとはこういうことをいうのだろう。これで15兆円の利益が圧縮され、法人税支払が免除されたのである。実効税率(法人税+法人住民税等)を36%と假定すると、5.4兆円の免税となっている。■4
 政府は消費税の3%値上げによる平成26年度増収分を5兆46億円と答弁している。5.4兆円の大きさがわかるだろう。
*http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b186101.htm

 法人税の実効税率は利益の約36%であるが、経済界は法人税本体の税率30%を20%に減額要望している、安倍政権はこれに応えて法案を提出するつもりのようだが、繰延税金資産勘定を利用することで金融機関は7年間で約5.4兆円の減税措置を受けている。この制度はずっと有効だから、二度目のリーマンショックが起きても大手都市銀行は安泰である。また税金の減免で自己資本の増強を図ればいい。
 こういうことは金融機関の経営にモラルハザードを招く。ハイリスクの金融派生商品に手を出しても、万が一の大損失には税金の減免がまっている。

 法人税収はリーマンショック後6兆円に減少したが、通常は年額8兆円から10兆円である。法人税率を20%に下げることでさらなる減税をするのだ。消費税は4月に5%から8%に引き上げられ、来年10月には10%へ再引き上げされる。大震災の復興税はすでに免除されている。

 金融機関に限らず、法人は「繰延税金資産勘定」を利用することで、法人税の大幅減税がすでになされているのである。そのうえ30%の法人税を20%にまで下げようというのだから、その強欲さには空いた口がふざがらぬ。金融機関に限らず企業経営者たちはモラルハザードを起こしている。
 政府財政は1000兆円を超える国債残高を抱えて青息吐息なのだから、法人も応分の負担をして財政健全化に貢献するというのが日本の企業のとるべき道だ

 財界人の中から国の行く末を憂い、財政健全化のために法人税率を40%に上げようという意見が出てくることを期待したい。経営者は強欲な人間ばかりではない、まともな人も少なくないだろう。いるならぜひ声を上げてもらいたい

 「小欲知足」
 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」


*リーマンショック後の経済金融危機における財政投融資の対応財務省理財局財政投融資課資料)
 15ページに日本の金融機関が被った損失が1490億㌦(米国の金融機関は2兆7120億㌦、日米欧合計で4兆500億㌦の損失)と推計されているのでご覧戴きたい。世界の金融機関はハイリターンを求めて非常にリスキーな投機ゲームをしている。
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_filp/proceedings/material/zaitoa230621/03_3.pdf


*繰り延べ税金資産(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%B0%E5%BB%B6%E7%A8%8E%E9%87%91%E8%B3%87%E7%94%A3

*法人税の実効税率
http://www.jetro.go.jp/invest/setting_up/section3/page3.html


<6日21時修正完了>
 法人税および法人住民税などの現行税率とそれを考慮した実効税率を調べたところ、考え違いがあったので数箇所削除・修正しました。
 とりあえず、記憶している情報に基いてブログを書いてアップしてから、念のためにネットで関連情報を検索してチェックするようにしています。ですから、数時間後に必要に応じて、削除・修正・加筆作業をしていますので、ご了承ください。
 漢字変換ミスもよくやっるので、アップしてから一両日は訂正や加筆をしています。自己チェックですから、すこし時間をおかないとミスが検出できないのです。(笑)

 ついでだから、考え違いの内容も書いておきます。
 ①実効税率のナカミに法人住民税が含まれていたことを忘れていました。⇒’実効税率'をネットで検索、確認
 ②損失額の15兆円がそのまま法人税と相殺になると早合点がありました。実際には利益と相殺されるので、浮いてくる法人税は利益の額の36%ですから、金融機関が手にする減税額は、
  15兆円×36%=5.4兆円
という計算になります。簡単な算数ですが、算数はいろんなところで役に立っています。早とちりや式の間違いに注意しましょう。それには事前チェックと事後チェックをすること、事後チェックは少し時間をおいたほうが客観的にやれます。

<7日23時訂正>
 コメント欄にHN「時白須」という方から本文中に事実誤認の箇所がある旨の指摘がありました。その通りなので、該当箇所に二重線を引いておきます。
 時白須さんへ感謝申し上げます。

<8日8時修正>
 読みづらいので、削除部分を以下へ移動する。該当箇所へ番号をつけてどこから移動したか明らかにしておく。

■1北斗小学校が運動会だった
■2BIS規制をクリアできないほど自己資本が毀損し政府が資本増強した。そのご金融機関はこの株式を全部買い戻しているどうして短期間でそんなことが可能になったのか、カラクリがある
 一つは振り込み手数料など諸々の手数料を数倍に値上げした。他の業界でそんなことができるはずがないが金融機関は足並みを揃えてやった。独禁法に抵触しないのが不思議だ
■3一つは振り込み手数料など諸々の手数料を数倍に値上げした。他の業界でそんなことができるはずがないが金融機関は足並みを揃えてやった。独禁法に抵触しないのが不思議だ
■4大手都市銀行は政府にもってもらった増資分の株式を法人税を免除されることで買い戻した

 移動後の文章は論旨明解で、余分なものが取り払われ、前の文章よりもずっとよくなった。もちろんHN「時白須」さんのコメントのお陰である。

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コメント 8

根室人

北斗小はカトリック幼稚園が運動会でしたよ。
市内3校は6/22でした。
by 根室人 (2014-07-07 12:29) 

ebisu

ありがとうございます。

北斗小も他の2校と一緒でしたか。
カトリック幼稚園の運動会を北斗小のグラウンドでやったのですか、知りませんでした。
本文を訂正しておきます。
by ebisu (2014-07-07 12:41) 

根室人

ちなみに昨日はつくし幼稚園も花咲小で行われましたよ。
by 根室人 (2014-07-07 13:57) 

ebisu

ちびっ子達は日焼けしてまっかっかだったでしょうね。鼻の頭が日焼けで皮の剥けた子もいたりして・・・
お昼頃にはいいお天気でした。
HN「根室人」さんはご覧になったのですか?

重ね重ね楽しい情報をありがとうございます。
これからもこういう情報教えてください。
感謝です。
by ebisu (2014-07-07 14:09) 

時白須

リーマンショック後に政府による邦銀への資本増強(いわゆる公的資金注入)ってありましたか?むしろリーマンショックでは邦銀は体力があり、リーマンブラザーズの社員を受け入れたり、外銀を吸収したと記憶してます。

邦銀の損失は保有株式の時価評価下落が主要因ではありませんでしたか。

また、主要行の手数料がリーマンショック後に数倍になったという件ですが、私もメガバンクの1つに口座ありますが、手数料改定の記憶がありません。出展元があれば教えていただけませんか?
by 時白須 (2014-07-07 19:46) 

ebisu

時白須さんへ

記憶をたどってはっきりしているものからお答えします。
リーマンショック後に手数料が改定されて事実はありませんね。もっと前ですから、わたしの記憶違いです。
他行への振り込み手数料はいま864円ですね。300円くらいだったのはリーマンショックよりも前(?)のようです。

資本注入がいつであったか、これもあなたの指摘の通り記憶違いがあるようですね、ネットで調べて追ってアップします。

訂正はまとめてします。


by ebisu (2014-07-07 23:00) 

ebisu

調べました。
1998年ですね。不良債権処理に関わる自己資本毀損で主要21行に1.8兆円の資本注入がなされています。銀行はそのご買い戻しています。
https://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/32155/1/WasedaSyogaku_409410_00_004_Kawaguchi.pdf

ご指摘どおりなので、本文からどちらもカットします。

ひとつひとつネットで確認して書くべきですね。
HN「時白須」さん、ご指摘ありがとうございます。

by ebisu (2014-07-07 23:04) 

ebisu

「早期健全化法に基く資本増強一覧表」によれば、増強年月は平成11年3月、劣後債や優先株式の返済もしくは買取は平成16年から21年まで。
リーマンショックにはまったく関係ありません、それ以前の話でした。

http://www.dic.go.jp/katsudo/shihonzokyo/jisseki-soki.html

お陰様で、ごちゃごちゃになっていた記憶棚の整理が少しできたように感じます。

書いていることに間違いがあればこれからもよろしくご指摘ください。
by ebisu (2014-07-08 01:27) 

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