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#2592 根室市内の中学校でCRT学力テスト導入 Feb. 14, 2014 [64. 教育問題]

 生徒がCRT学力テストをやったと話していたので、ネットで検索した。小学校では前からやっていたらしいが、中学校では初導入である。根室市議会文教厚生常任委員会は承知しているのか?

*CRT学力テストについて
http://www.toshobunka.co.jp/examination/nrt&crt.php

<現在行われている学力テストすら授業の役に立っていない>
 これは到達度調査で、教師の指導用の利便のためのテストだ。普段の学力テストの採点をすればどこが弱いのか簡単にわかる。だからなぜ屋上屋を重ねるこんなテストをするのか理由がわからない。
  普段の学力テストすら、指導の役にちっとも立っていないことは学力テストの平均点の推移を見たら一目瞭然である。年々下がっている、とくにこの5年間の低下はひどい。
 フリー授業参観を3校各2回ずつやったが、授業に学力テストの結果が反映されているようにはちっとも見えない。数学で言うと、中1年生で分数や小数の計算が満足にできない生徒の割合は50%弱もいるが、中学校の学習指導要領にはない項目だから、そんなことを教えている先生はほとんどいない。だから、そういう生徒は塾で何とかするしかない。中3になっても小数や分数計算のおぼつかない生徒が3割ほどはいる。このことからいえることは、文協学力テストすら普段に授業にちっとも活かせていないのだから、教師の指導用のCRT学力テストなど必要ないということ。きちんと文協学力テストを指導に活かせといいたい。

<偏差値表示のある全国学力テストを導入すべき>
 根室の中学生が普段受けている北海道教育文化協会のテストは、全道平均も偏差値も出ない情けない代物で、学校内の順位が出るだけである。根室市内の平均点すら出ない。市教委がやれば簡単に集計計算できるだろうが、そんな簡単な仕事すらやらぬ。

<進学勉強のスタートの遅れは6年>
 文協学力テストで全校生徒70人の学校で400点(500点満点)校内3番目の成績をとったとしよう。ずいぶんよさそうだが、全道では100人中どれくらいの成績かわからないし、全国で100人中何番目くらいなのかもわからない。
 成績がよいから根室高校普通科へ進学したとしよう。進研模試を120人全員が受験する。数学と英語と国語。数学と英語はおそらく35~50点の範囲だろう。全国偏差値では45~48、、つまり真ん中よりも少しばかり下ということだ。
 この段階で全国レベルの順位を知ってもスタートが遅れてしまっているからすでに手遅れである。小学校4年から大学進学を目標にして勉強をはじめる都会の生徒たちにくらべて、根室の生徒たちは6年間もスタートが遅れてしまうのである。その結果、国立大学や有名私立大学に入学できるのは「特別にできる生徒」だけということになる。本来の能力にくらべて、田舎の生徒達が進学できる大学のランクは一つか二つ下がる。それは就職先に影響し、就職後の出世競争にも影響する。

 根室の生徒たちは中学校で自分が全国レベルでどういう位置にいるかを知る必要がある。全国レベルで偏差値が50なのか、40なのか、それ以下なのかを知れば、それを基準にして狙える大学の目安がつけられる。どれくらい努力すれば進学したい大学に届くのかのメドがつく。

<根室市教委はCRT学力テスト導入理由を開示せよ>
 CRT学力テストはネット情報を読む限り生徒のためのテストではないようだ。先生たちの指導用に重点が置かれている。普段の文協学力テストを指導に活かすことを考えるべきで、生徒指導用のための確認テストの導入は必要なしとebisuは考える。
 なぜこのようなピント外れの学力テストを導入したのか市教委はホームページで理由を開示してもらいたい。

 根室の中学生に必要な学力テストは、全国レベルを知ることができる偏差値表示のある学力テストである。
 根室市議会文教厚生常任委員会は根室市内の中学校や小学校がどのような学力テストをしているのかをきちんとモニタリングし、委員会としての意見をホームページ上で表明すべきだ。


<偏差値表示のある学力テスト導入の障害を外そう>
 文部省は1993年に偏差値表示のある業者テスト追放を各都道府県教委に通知したが、これを撤回すべきだ。高校は進路指導に偏差値の出る全国模試を使用している、根室高校普通科も例外ではない。なぜ高校はよくて中学校で業者テストがいけないのか理由を明示できないなら、撤回すべきだ。根室市議会が全国に先駆けて「偏差値表示のある学力テスト導入」を決議すればいい
 根室のような田舎の高校生は、高校生になってから全国平均の高さに驚くとともに、己の偏差値の低さに愕然として、進路先を変更せざるをえないのが現状である。
 中学時代に学年10番前後の生徒が小樽商大に進学したいということがある。本人はこのままでその辺りが狙えると本気で思っている。もっともっと勉強しないと無理だよと笑い飛ばしておくしかない。全国偏差値でキミは40~45前後だよなんていってもこの段階ではピント来ない。生徒はそこそこできると思い込んでいるのである。
 中学校で学年5番以内に入っていれば、相当いい大学へ入学できると親も子も漠然と考えている。ところが、学年5番クラスは全国偏差値では50に届くか届かないかだから、全国レベルでは平均的・凡庸な成績に過ぎない。中学校のときに全国レベルで真ん中くらいだと知れば、6年間あるから上位5人くらいはもっともっとがんばって勉強して成績を上げる者がでるだろう。全国レベルで自分の実力知れば大学進学のためにブカツだって辞める生徒が増える。それでいいのである。
 学年5番程度の凡庸な生徒がブカツをやり続けて、偏差値50以上の大学へ現役進学できるほど世の中は甘くない。

<オール根室で取り組もう>
 正規雇用の職に就けるのは、高卒では三人に一人の割合、大卒では約半数で、専門学校はその間に位置している。正規雇用でなければ年収が100~200万円で、男子は30歳後半になっても経済的な理由から結婚もむずかしいのが現実だ。とうぜんのことだが、結婚しない男が増えたら、結婚できない女も増える。そして少子化はさらに負のスバイラルを強める。
 チャンスをたげたい、中学生のときに全国レベルを偏差値で教えてやるべきだ。今年の根室高校入試は全科が定員割れ、競争がなくなってしまっているが、進学や就職はどちらも厳しい競争がまっているのである。根室の子たちが全国レベルでどれほどの学力なのか、現実の姿を見せてやらずにどうする。ねむろっ子たちの未来にために、大人の責任を果たそうではないか。もっとまともな、偏差値表示のでる全国模試を中学生に受験させてやろう。根室の大人たちはねむろっ子の未来のために協力しようではないか。オール根室という言葉はこういうときにこそ使おう。


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ZAPPER

学力は数値だけではなく、数値に表れない学力もあって…。そんなことを言いながらも、CRTに頼るって、お笑い種ですね。でも、やらないよりはやった方がましかも知れませんけれど。

そんなことより、試験の出題レベルを学習指導要領の内容に合わせ(つまり、異常に簡単な試験ではなく、全国レベルの普通の問題を出すということ)、授業の進捗状況を監視すればいいんですよ。

仕事のツボというものが分かっちゃいませんね。積み残しとすっ飛ばし。実に簡単ですよ。それを封じ込めたなら、すぐに、それこそあっという間に学力は向上するんですけどね。もっと頭を使った方がいいって思いますよ。

プロの意見には絶対に耳を傾けず、あくまで我流でことを進めようとするのが、ウチの教育委員会と瓜二つですね。そして、その間に被害者ばかりが増えて行くんですね。
by ZAPPER (2014-02-14 00:13) 

ebisu

言っていることはよくわかります。

>そんなことより、試験の出題レベルを学習指導要領の内容に合わせ(つまり、異常に簡単な試験ではなく、全国レベルの普通の問題を出すということ)、授業の進捗状況を監視すればいいんですよ。

でもね、数学を例にとるとして、全国レベルの普通の問題を学校の授業できちんとやりきれる先生は、根室の市街化地域の3校9人の先生の中に一人いますでしょうか?

中1で約半数が小数や分数計算ができません。放課後補習もやらずにこういう生徒に全国レベルの標準問題を解説したって、わかるのはクラスに3人程度でしょう。
三人に一人だってとてもわかるような授業はできないでしょう。フリー参観でなんども授業を確認していますから。
難易度の低い問題ばかりを扱って先生たちが慣れきってしまっています。
全部の章を終わって複合問題を授業でとリあげている先生はほとんどいないというのが現実です。90%の生徒が市内の道立高校へ進学し、定員割れですから、競争がないし、道立高校問題レベルでいいのですから、プロ意識が希薄になっています。
何年もやっているベテランの先生たちは、難易度の低い問題ばかりを授業でやっているので、東京の有名私立高校数学入試問題をやらせたら、80点をとれる先生がいるのかなと心配になります。緊張感のない状態に慣れる、慣れというのは恐いものです。

市教委は外部からの批判がほとんどないので、独りよがりな判断がどうしても多くなるようですね。市議会文教厚生常任委員会がありながら、機能していないからますます増長する。今回のCRTテスト導入判断は大間違いです。誰も言わないから、ebisuが言います。

by ebisu (2014-02-14 08:53) 

後志のおじさん

後志ではずいぶん前からCRTとやらをやっていますが、もっともらしくデータ処理をしたシートを持ち帰らせて、「学校はきちんとやっています」と親に思わせるのが目的だろうと。親も親で内容の確認もせず、「うちの子は大丈夫だ。できるんだ。」とおめでたくも信じています。中学校でやるようになったのは、小学校のCRTの結果を信じている親が、「小学校では、できていたのに(CRTを根拠に)、中学校で(定期)テストで点がとれなくなったのは、学校の指導が悪い。」とねじこんだのでは?後志では、私が知る限り、こういう事例が3件ありまして、内2校はCRT導入、1校は、定期テストの出題を更に一層易しくしました。見かけの点しか見ることのできない親のレベルの反映、という面もあるでしょう。きちんとした学力をつけさせることのできない、北海道の学校の欺瞞の手法ですね。
by 後志のおじさん (2014-02-14 10:02) 

ZAPPER

試験問題、それにノートやプリントなどを見ると、のけぞって椅子から転げ落ちそうになったりします。言っちゃなんですが、超・低レベルです。こんな出題、準備体操だろうが、普通。と。でも、私はこう思うんです。

この人たち、もう5年も10年も教師をやっていて、それでいてこうなんだから、もう変えようがないし、無理だろうな。何がどう悪いのかすら、それすら分かっていないのだろう…。

私の指導教科は元々は社会科ですが、もう何年も「まともな試験(定期試験)」を見かけたことがありません。見る人が見れば分かるんですよね。まるで不勉強、おまけに教科書すらちゃんと読み込んでいないことが。

多分、北海道公立高校入試、あんな程度の易しい問題をして、「自分の指導教科」で9割に届かない方が半数とかそれ以上を占めるものだろうと思っています。いつもはあえて触れませんが、教員の学力の落ち込みがまた、ひどいですね。子ども以上の落ち込みですね、正直言って。

なので、定期試験の一定レベル保持と進度・進捗管理を徹底せよ!そこから逆算して、やるべきを考えよ!というのが私の考えなのですが、しかし、それができる管理職が現場にほとんどいないこと。市教委にはその能力がまるでないこと。指導主事室ですら、まるでそのレベルに達していない。それが大問題だって思うんです。(でも、だからこそやるべき)

小中学校教員の学力を計測したなら、とんでもない事実が明るみになることでしょう。本当に、驚くほど勉強していないですもん。ええ、あえて触れないようにしていることですが…。
by ZAPPER (2014-02-14 10:57) 

ZAPPER

北海道学力コンクール。実は学校向けに模試の販売も行っているんです。文協テストなどとは異なり、ご希望で、学校内順位はおろか偏差値までも算出が可能だそうです。(同事務局の方から伺いました)

さて、学力テストの採択権は、一応は学校長が持っているそうですね、一応は。だったら、この北海道学力コンクールの模試利用も選択肢に入れるべきではないでしょうか?

事実、道内でいくつかの中学校で採択が行われているそうですよ。きちんと下調べをしたほうがいいですよ、根室市教委さんも。模試についても、きちんとした模試、きちんとした業者を使うようにしましょう。
by ZAPPER (2014-02-14 12:56) 

ebisu

後志のおじさんへ

根室は以前から小学校でCRT学力テストをやっていたようです。

こういう超低レベルな学力テストをやれば得点は高くなるわけで、それで学校や教育行政はアリバイ作り。

簡単なテストでならされて生徒は学力が伸びずにバカになっていくが、学力テストの点数はそこそことれる。

全国標準レベルの問題をやらせるべきで、簡単な問題ばかりやっていたのでは、大学進学にたいへんな障害になります。

つまりは田舎=地元(根室)の子どもたちが低学力、低学歴で社会的にみて底辺層で生きていくということを奨励しているようなものです。
学力は社会的底辺層から抜け出す強力な武器です。CRT学力テストの導入はそれを奪うようなもの。
学校の先生からなぜ反対の声が上がらないのでしょう?
超低レベルの学力テストをやらせておけば、授業も楽だと考えている先生が多いなんてことはないでしょうね。
by ebisu (2014-02-14 22:56) 

ebisu

北海道学力コンクールの学力テストは偏差値表示つきだと公立中学校は採用できません。
文部省が93年に全国の都道府県教委へ偏差値の表示のある業者テストを排除するように通達を出しているからです。
これを撤回してもらわなければなりません。
全国どこもやらないでしょうから、釧路・根室から声をあげるしかありませんね。

北海道学力コンクールは一つ難があります。ローカルだということです。全国学力テスト四十数番目の地域・北海道の偏差値が出ても大学入試の目安にはなりません。特に上位校は無理です。だから全国規模での標準的な難易度の模試が必要です。高校で実施している進研模試のような規模と難易度の学力テストがベストです。

文科省の通達を取り消さない限り、日本にそのような中学生向けの学力テスト市場が誕生しません。

教育行政の規制改革は93年の文科省通達取り消しからです。
わたしたちはしがらみがありませんので、誰に遠慮することなく言うべきことをまっすぐに言えます、いや言わなければなりません。

by ebisu (2014-02-14 23:37) 

後志のおじさん

反語的疑問文で、ebisuさんのお考えは明確なのですが、私はCRTは明らかに欺瞞工作だと思っています。教員の基礎学力の低さを糊塗し「体制」の権威を維持するためだけの。彼らは、教員という、地方上級職レベルの処遇を維持することが第一義であり自らの仕事の結果には何ら思うところがないのだろうと思慮する次第です。そんな方々を採用した側の責任も本来追及されるべきかとも。
by 後志のおじさん (2014-02-14 23:55) 

ebisu

>私はCRTは明らかに欺瞞工作だと思っています

わたしもその通りだと思います。
必要のない屋上屋を重ねるような低レベルの学力テストは意味がありません。わたしは「アリバイ工作」と書きました、後志のおじさんは「明らかに欺瞞工作だ」と書いています。

>彼らは、教員という、地方上級職レベルの処遇を維持することが第一義であり自らの仕事の結果には何ら思うところがないのだろうと思慮する次第です。

これもその通りですね、仕事の結果に責任感が欠如しています。仕事の結果なんかどうでもいいとしかみえません。民間企業では結果の出せない仕事はゼロかマイナス評価です。

根室市教委が今年からCRTの導入をしたのは、成果がないことばかりなので、「やったふり」の一つなのだろうと受け取っています。あいかわらずの無為無策、こんな無能な市教委と教育長は根室にいらない。
by ebisu (2014-02-15 01:23) 

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