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#2368 平成25年金刀比羅神社例大祭宵宮 Aug. 9, 2013 [88.金刀比羅神社のお祭り]

 緑町交差点御旅所前で4祭典区の山車の競演があった。お囃子の太鼓にはそれぞれ特徴がある。東部のそれはどこかのんびりしたムードが漂い、西部の山車太鼓は力強く練習量が半端じゃないだろう、一区が標準的だろうか、三区はテンポが速い神田囃子で楽しさが伝わってくる。

 山車の競演のときはスピーカを切ってもらいたいと思うのはわたしだけではないだろう。機械の力を借りずにガチンコ勝負の山車のお囃子競演を見たいものだ。
 トレーニングメニューの差がはっきりでてしまうのではないか。実力の違いがはっきりでれば切磋琢磨が生まれ全体のレベルがもっと上がる。いまでもずいぶんレベルが高いのだが、和太鼓が盛んになっているのでやりたい中高生が多い。ふだんの厳しい修行とハレの日の目一杯の演技、充実した楽しさのあることがいい。
 11年前にふるさとに戻り2年目だったかな、和太鼓のあるグループに入っていた中3女子生徒が道内のある都市で開催された3日間の和太鼓合宿に参加した。なんと入試2ヶ月前の1月の話しだ。自分が抜けるわけには行かない、そして何が何でも参加したいというのだ。そのあとで約束したとおりに死に物狂いの勉強、なんとかぎりぎり間に合い合格したからいいが、内申は足りなかったし点数も30点ほど上げないといけなかった、本気でやれば何とかなるもんだが、冷や汗をかいた。彼女はいまでも太鼓を叩いているのだろうか、もう20代半ばだ。いまでも名前を覚えているよ。
 和太鼓に夢中になっている中学生諸君、ふだんから勉強のほうもしっかりやっておけ。頭と身体を使ってやることでは和太鼓も主要五科目もかわらぬ。

 根室のお祭り名物男であったSaさん、7月下旬に生中継されたNHK喉自慢にもでていたが、めだたぬ装いで参加していた。「赤褌」姿をやめて何年になるだろう。35年ぶりで根室へ戻りお祭りを見たときに、金比羅さんのお祭りを盛り上げるすごい男がいるなと思ったが、あれから11年経ちすっかり卒業してしまった彼には風格が備わってきたように見える。見守り役に代わったようだが年齢に応じた祭りへのかかわり方を見つけたのかもしれない。
 祭りはこうした祭り好きのたくさんの住民と祭りへの参加を率のよいアルバイトと割り切る子供たちにも支えられてある。
 社会保障・人口問題研究所の地域別人口推計によれば2040年には市内の中学生は1学年約100名となる。現在220~260名だから、半分以下になってしまうのだが、金比羅さんのお祭りへも影響がでる。智慧を絞って伝統をつないでもらいたい。

 浴衣を着た元塾生数人とすれ違ったが、きりっと隙のない姿勢でずいぶん大人びてみえた。背中をまっすぐにしてそぞろ歩くと美しく見えるものだ。浴衣に合わせて髪型にまで気を配った品のよい着こなしはむずかしいものだが、そういうところをめざしてもらいたい。
 うっすら化粧してワンピース姿の中学生の塾生もいた。女子はみんな友だちと一緒に歩いていたが、つるんで歩いている男子の塾生には遭わなかった。
 男女で行動パターンが違うようだ。着飾る楽しみは男子生徒にはない。大人の男だって浴衣を粋に着こなして・・・なんていうのはとってもむずかしいのである。こういうことは若いうちにきちんとした着方や作法を学んでおくべきだ。品のよい挙措は動作の基本ルールや着付けの仕方を身につけてこそ可能になる。ふだんから頭と身体を使えということだろう。

 4祭典区の山車の競演が終わったのが8時頃だが、8時20分くらいから交差点に西部祭典区が太鼓を並べ始めた。和太鼓の数は15個、それに三味線に似た中国の「ニ胡」。
 直径2尺の皮に2尺5寸の木胴の太鼓が10個、直径2尺胴長4尺の太鼓が一つ、直径3尺胴長5尺の大太鼓が一つ、それにベルトで片に掛ける太鼓が三つ。根室太鼓のSさんが一番大きい太鼓を叩いていた。合計15個の和太鼓が発する音はアスファルトを伝い脚から身体を震わし、同時に空気を伝って鼓膜が震わす。2mほどの距離まで来て太鼓の皮をこちらに向けて思いっきり叩くと音は急激に大きさを増す。女の手であのスピードで叩いても撥を落とさない、皮が振動してはじいているはずだがそれをものともしない。あれだけ力を入れて叩けば同じ力ではじかれるはずだがピンと張った皮の振動に腕の力が負けていない。和太鼓15台の演奏は8時45分頃から始まり9時5分に終わった。
 司会役をやった西部祭典区の委員長、ユーモアがあってなかなか上手だった。

 昔はこういう大太鼓の演奏がなかった。大人の迫力のある金棒は失われたが、新たな伝統がつくられているということか。それにしてもあの大人の金棒のだす音がなつかしいと思い出す世代は団塊世代かそれよりも前の世代だ。同好会をつくって有志が20人くらい集まり金棒のお手本をみせてやってほしい。掛け声と金棒のシャンシャンという音がひとつになって聞こえてくる、みごとな技だ。

 風に流される霧がライトを受けて暗い夜空に白い模様を描いていた。今日は日中から6本目の電信柱が見えないほどの霧。4時頃に牧の内を十数キロサイクリングしてきたが、霧が深くて300m先がまったく見えなかった。

 明日は先太鼓の競演の日だが、それがはねた後でまた各祭典区の大太鼓の競演がある。これがみものだ。

*和太鼓のサイズは目見当、定規で測ったわけではない。10個同じタイプの和太鼓は直径を掌を開いて計測してみたら、指を一杯に開いて二つ分と10センチほどあった。勝手に他人様の道具に触れてはいけないので5cmほどの距離をとって測ってみた。指を一杯に開くと23センチあるから2尺≒60センチにはすこし足りないのかもしれない。

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#1627 金比羅さんのお祭りと人口減少 :根室の伝統文化の伝承 Aug.12, 2011 
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