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#2313 目標設定とPDCA :目標は具体的に! May. 27, 2013 [64. 教育問題]

  急に暖かくなり、オホーツクから少し内陸に入った遠軽町では31度の真夏日を記録。根室も暖かかった。夜になっても9.6度もあったのだから、数日前まで3度前後だったのか嘘のようだ。ぬるい風に誘われて庭の千島桜の蕾がひとつ開いた。アッツ(島)桜はまだ蕾のまま。紫つつじの木にはたくさんの花びらが咲き誇っている。

 ブログ「情熱空間」に学校の研究テーマに関する情報が載っていたので、今回はそれを採りあげます。

 学校の研究テーマは民間会社にたとえると年次計画そのものであり、民間会社では年次計画は年次予算に集約されています。PDCAサイクルのPの部分です。
 (plan⇒ do⇒ check⇒ act⇒ plan⇒ ・・・)

 中期や長期の経営目標が設定されると、それを実現するためのおおまかな戦略計画が示されます。そして年次の経営目標が設定され、少し企業規模が大きい会社は部門ごとに目標達成のための実行計画作成が要求されます。
 それが部門別年次計画書です。民間企業では数値目標のない年次計画書はありません。計画と実績に差異がでると、部門別に原因の分析がなされ、月次単位で対策が打たれます。四半期単位ではさらに徹底したチェックがなされます。年次計画に実際を近づける具体的な努力が毎月毎月要求されます。
 たとえば、外食産業では週単位で店舗別の損益計算書が出力されて、前年実績比較、予算比較の両方で分析がなされています。店長の仕事はたいへんですよ、ですが、これが外食産業では普通のパターンです。

 そういう目で、転載した記事にリストアップされた学校の研究テーマを見てください。学校ではあたりまえかもしれませんが、民間企業ではこのような主観的・抽象的な目標設定はありえません。
 一つ一つよくご覧ください、なんと見事に主観的な目標ばかりで、結果が客観的に測定できない項目がずらりと並んでいます。生徒には学期ごとに評価をつけるのに、自分の仕事が評価されることを嫌っているように見えます。これはただのわがままでしょうか?客観的な評価項目を含んだプランとチェックがないと評価はできません。

 これでは学力が上がるわけはありませんよね。客観的案評価項目が一つもないのですから、チェックができない、したがって、評価もありえないし、翌年度に改善計画を織り込むこともできません。こんなバカなことを毎年繰り返しているから、根室の子供たちの学力が下がり続けるのです。

 いついつまでに、全国学力テストの校内平均点を何点に上げるか学年別・科目別に数値目標を設定し、学年別科目別に結果のチェックをしてください。
 普段やっている学力テストでも同じことをやってみてください。何をしなければいけないのかが具体的に理解できるようになります。放課後補習の重要性も骨身に染みて理解できるでしょう。
 もちろん、学校ごとの平均点は全国一斉学力テストの平均値を超えられることでしょう。よく見れば改善の種はごろごろ転がっています。

ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/6548703.html
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2013年05月26日

言葉遊び(やらずぼったくり)

内側の同志に教えていただいた、「学校の研究テーマ」とやらからの抜粋です。

自ら考え、生き生きと取り組む子の育成
基礎・基本を身につけ、生き生きと学ぶ子どもの育成
自ら学び、考え、ともに学び合う子どもの育成
一人ひとりの子どもの良さや能力などを的確にとらえ、個に応じた授業の創造
主体的に学び、生き生きと学習する子どもの育成
確かな学力を身につけ、主体的に自分の考えを表現する学習指導の工夫
自ら進んで学び、豊かに表現する子どもの育成
課題意識を持って意欲的に学習に取り組む子どもの育成
生き生きと活動させるための実践
見通しを持って自分から学習を進める力を育てる学習指導の工夫
自ら学び続ける心豊かな子どもの育成


どれも似たり寄ったりの、美辞麗句が並んでございます。本当に本気で、本心からそう思ってらっしゃるのでしょうかね?似たり寄ったりの、とてつもなく抽象的な表現が並び、自分の家族をべた褒めする方を目の前に見ているかのように、体がかゆくなってきそうなのは私だけでしょうか?これって、ララミー牧場から流れてくる、眠気を誘う音楽か何かですか?(下線のものだけは、まだ少しまとも)

自ら考える。自ら学ぶ。生き生きと学ぶ。主体的に学ぶ。意欲的に学ぶ。

あのー、お題目はいいからさ、それをきちんと達成しましょうよ。10年も20年も前からまったく同じことを言っていながら、この低学力モードは一体全体どうしたわけなの?現状は、自ら考えるとか自ら学ぶとかの正反対でしょ、正反対。つまり要するに、これって希望的観測ってわけですよね?そのために、何をどうするべきか。それが丸ごと欠落しているってことに、なぜどうしていつまでも気づかないんだべか?

これ、民間で言うところの「経営方針」でしょ?こんなレベルの低い、抽象論に始終したそれを、万が一会社が掲げたならば、どうなると思いますか?(それ以前に、部課長から書き直しを命じられることになりますが)速攻で潰れちゃいますよ。だって、何一つ数値目標がないんだもん。数値がないわけだから、印象だけがはびこる。そうしてますます数値と乖離してを繰り返し、蓋を開けたときにはもはや打つ手なし。

言葉遊びはもうおやめになって、もうそろそろ、計測可能な数値を用いて粛々と業務を遂行していくようにしませんか?いくら美辞麗句を並びたてたとて、結果が伴わなければ意味がありませんよ。世間一般に、それを「やらずぼったくり」と言います。一つ教えて進ぜましょう。自ら学ぶとか主体的に学ぶとかとかってですね、「ある一定値をクリアしていること」が前提になるんですよ。ええ、年齢の発達段階に応じた「譲れない部分の学力」ってわけですね。本当はそれに気づいているんでしょ?だったらもう、こうした意味を成さない目標を掲げるのはお止めになるべきでしょう。

《05/27追記》
ebisuさんからお寄せいただいたコメントです!

ケッサクな達成目標ですね。
1990年代初頭に勤務していた会社が業績評価制度を一新しました。
こういう主観的な目標は書き直しを命じられます。
いついつまでに何をどうやるのか、具体的に書いて来い、と言われます。

そもそもこんな目標を書くような社員を会社は管理職にはしません。会社がつぶれてしまうからです。

仲間内だけでやっていると、こういう非常識なことになるんですね。民間企業という鏡に自分達の姿を映して見るには、外部の意見を謙虚に受け入れることです。
こんな目標では成果が出るはずがありません。
目標が具体的でないから効果の測定が主観的なものになります。単なる自己満足。
こんな目標やこんなやり方では、釧路と根室の小中学生の学力が低くなるわけです。


《05/27追記2》
後志のおじさんさんからお寄せいただいたコメント。

この目標とやら
 
子供たちの側からしたら、授業中の内職奨励ですね。

(あんたの、くだらない話は、聞いても役にたたないから)、
「主体的に、自らすすんで、学びの喜びを体感しています。先生は、邪魔しないで下さい。」

って、できる生徒から言われたら、どうするのかな? 


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【学校別・科目別学力テストデータ公開の必要性】
 全国学力テストデータの学校別科目別情報を公開しなければ、学力向上のための具体的な数値目標の設定ができないということです。そして、結果についてのチェックも、改善も不可能になるということです。
 普段の学力テスト(財団法人北海道教育文化協会作成学力テスト)でも全道の基本統計量を公開し、学校別の科目別情報を公開すれば、年次計画にとりこめます。だから、学力テストのやり方を改めて全道の平均値や標準偏差などの基本統計量を公開すべきです。低学力の改善はこうしたまっとうな努力の積み重ねの上に可能になります。
 ちなみに、文教学力テストは点数の集計すらなされていません。問題の難易度は低いし、テスト範囲表で示されたスケジュールも遅い、問題だらけですが、変えられます。
 データを入力して、基本統計量を計算して、全道の偏差値や地区別偏差値(たとえば根室市内)、学校別偏差値などを公開しましょう。
 全国最低レベルの北海道の子どもたちの学力向上にはこういう基礎データが必要とはおもいませんか?学力向上はマジックではないのですから、こうした地道な仕事の積み重ねが効果を発揮します。



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コメント 2

Hirosuke

僕が派遣されていた大会社の所属部長が
2年連続で掲げた年頭挨拶

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ベクトルを揃えよ!
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僕:「あのー、ドッチにドレくらいですか?」
(心の声)

by Hirosuke (2013-05-28 10:44) 

ebisu

おはようございます。

その部長さんはその大会社の部長職しかやれませんね。(笑)
きっと部下たちがしっかりしていたのでしょう。

歴史の浅い蓄積の薄い会社でそういう人が数人部長職なら、すぐに会社が傾くでしょうね。
by ebisu (2013-05-28 11:55) 

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