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#1719 消費税増税発言の真相 :三度目の正直 Nov. 8, 2011 [B7. 政治に求めるもの]

 今朝(11/8)の朝の国会討論冒頭で茂木敏充自民党議員の質問に野田総理が答え、「G20でアクションプランを求められてそれに書き込んだ」という発言をした。
 膨大な財政赤字を減らす具体策に窮して慌てて書いたということだろう。そのとき、数ヶ月前の国内向けの発言「消費税増税の賛否を国民に問うために衆院を解散し、その後に増税する」は頭の隅にあったのだろうか。

 仕事は具体的で現実的なものであるが、政治家にはどうとでもとれるような発言が多い。ところが国際舞台では具体的な政策・具体的な発言が求められる。いつ・どこで・だれが・なにを・どのような理由で、どうやるのかを説明しなければならないのである。そうでなければ、発言は外交の場で説得力をもたぬ。頭の中が真空状態の総理に、財務官僚が囁いたのかもしれぬ。
「総理、財政健全化のために消費税増税法案を通しその後衆院解散とすれば、「消費税増税前に衆院を解散して信を問う」という以前の発言と整合性が維持できます。どうです、それでG20を乗り切りませんか」、詭弁であるが定見がないから乗ってしまった。

 25年の街頭演説修業はしたが、その分他人様よりは仕事をしていない。30代はサラリーマンならある程度の責任をもたされて仕事に邁進する季節であるが、そういうときに毎日街頭演説に励んでいたのである。それはそれで偉いことだが、普通の人が全力で仕事を通して積む何かが抜け落ちてしまった。
 G20に出席して具体多岐な仕事のプランを求められ、やったことのない仕事に慌てて「消費税増税法案が通過してから解散」という発言になったのだろうとはebisuの憶測である。
 この人は財務大臣の時代も財務官僚の言いなり、総理大臣になったいまも財務官僚のシナリオに忠実に動いているように見える。
 繰り返すが、鳩山・菅・野田に共通しているのは30代でしっかりした仕事の経験がないということである。そういう人々が総理大臣になって行政府の長として具体的な問題解決にあたらねばならないことになったが、やったことのないことはできぬ次第になっている。三度目である、もう気がついてもいいのではないか?
 そうした"欠陥"を補う方法はある。自分の能力の限界や弱点を自覚し、しっかりした実務屋を数人ブレーンにもつことだ。

(茂木議員の質問のうち、三次補正で今度の津波の規模に耐えられる防潮堤を造れというのは土台無茶な話しである。25㍍の高さの防潮堤で太平洋岸を埋め尽くせということだ。建築業界には美味しい話だろうが、財政的には途方もない話しである。それで過疎化・高齢化し続けている町に若い人たちが戻ってくるわけではないだろう。防潮堤300㎞のうち190㎞が破損したという。)


*「#1717 【二枚舌】消費税増税の前に衆院解散して信を問うと言っていたはず 」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-06-3

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コメント 3

もやしさんま

増税を掲げて選挙に勝てた人はいないのに?と誰もが思うところだと思う。
菅政権はそれを言って、橋本政権は消費税率を上げて、竹下政権は消費税を導入して、みんな参議院選挙で負けた。野田政権は衆議院選挙でそれをやろうとするから理解に苦しむ。財務官僚は民主党が下野しても痛くも痒くもない。もしかしたら何にもわからなくて操縦しやすい大臣がいなくなって残念がるかも。
駒沢大学の先生が、消費税税率を上げても増収になるとは限らない、橋本増税の時は減収した、国有財産の売却で復興財源は捻出できるが国有財産を管理する特殊法人つまり官僚の天下り先がなくなるせいなのか検討の対象になっていない、などの指摘をしている。
http://diamond.jp/articles/-/14650
私の感想は、「野田政権の増税は正直者がバカをみる財務官僚一人勝ちの民主党の自爆テロ」である。二年前に期待した人達に同情する。
ただ私はebisuさんの30代に仕事をしなかった人はダメだという考えには全く同意できない。まあその考えはいつか気が向いて時間のある時に書きたいです

by もやしさんま (2011-11-08 18:06) 

もやしさんま

でもこの指摘には賛成、同意です。
「そうした"欠陥"を補う方法はある。自分の能力の限界や弱点を自覚し、しっかりした実務屋を数人ブレーンにもつことだ。」
筆が走れば間違いは避けられない。また予選落ちだ。

by もやしさんま (2011-11-08 18:12) 

ebisu

消費税増税をするなら、堂々と議論を戦わせ、しかる後に衆院を解散して信を問うてほしいものです。仕事は正直に・誠実にしてもらいたい。子どもたちのお手本にもなるでしょう。選挙で損得の問題ではないのだろうと思います。
どうしても必要だと思うなら、正直に手続きを踏んでおやりになればいい。それで総選挙大敗したっていいじゃありませんか。

民主党政権は歳出カットが思うように行かなかったので、結局プライマリーバランスの回復は増税しか手がなくなったのでしょう。
言ったことの数分の一しか歳出カットができないというのは、見通しの甘さと共に歳出カット作業という仕事の不首尾(=仕事ができない)を現しています。
こういう杜撰な長期計画を立てて失敗したら、上場企業なら大問題になりますね。取締役は能力を疑われ、責任を問われるでしょうね。

>ebisuさんの30代に仕事をしなかった人はダメだという考え

これは一言弁解しておきます。
私が言ったのは「やったことのないことはできぬ次第になっている」ということ。
30代に仕事をしなかった人が人格的にダメだとは言いません。

10年間のトレーニングは相当に重いものです。
たとえばブカツを10年続けた人とそうでない人を比べると、ブカツに関するスキルは比較にならないものがあるでしょう、そういう話です。
仕事のできる人間は、仕事の中で自らを磨き・鍛えて仕事のできる人間へと成長するものだと思います。
そういう経験ナシに10年自分を磨いた人よりもぬきんでることができるというのはよほどの才能の持主です。
メッタにいないのではないでしょうか?

でも、もやしさんまさんにもなにか有力な根拠がありそうですね。いつか気が向いたら書いてください、楽しみにしています。
by ebisu (2011-11-08 22:56) 

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