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#1615 市立根室病院の経営改善 Aug. 5, 2011 [26. 地域医療・経済・財政]

 数日前にNHK衛星放送だったか、鹿児島県の昭南病院(154ベッド)の経営改善を取り上げていた。黒字経営の民間病院である。
 なんてことはない、決算を職員に公表することから経営改善を始めた。利益の配分方式も公表しており、きわめてオーソドックスな方法である。
 民間企業のごく普通の経営改革と同じ方法を病院に適用しただけのことなのだが、それがなかなかできないから地方自治体病院の巨額赤字が続く。

*愛誠会 昭南病院概要(一般病床103、療養病床51、ケアセンター、グループホーム、訪問介護センターなども経営し、ニーズの拡大する老人医療に力を入れている
http://www.aisei-kai.com/syounan/04.html

(なんてことはない、わたしが1999年頃に横浜で構想していた病院を中核にしたシームレスな老人医療に似た形態の医療・介護クラスター施設が鹿児島県曽於市大隅町にできていた。)


 企業の上場はある種の経営改革でもある。決算は社員にも外部にも公表するし、もちろん予算も社員に周知徹底させる。部門別の予算と決算を公表しないとPDCAサイクルのPとCができなくなり、サイクルが切れてしまう。経営の基本はPDCAサイクルに現されている。

 市立根室病院は企業会計原則で組み直した決算書を職員と市民に公表すべきだ。12億円もの赤字が出ているのに公的会計基準に従って市の広報では黒字だとアナウンスするのでは経営改善ができるはずがないのである。

 診療科別・入院病棟別の月次損益計算書を作成し、予算実績対比表を作って差異分析をすればいい。こういう基本的で簡単なことをずっとしてこなかったから、経営改善だできなかったのだ。

 嘘とごまかしの公的会計基準での損益計算は市長への報告だけでいい。病院長と職員と市民には企業会計原則に従った真実の損益計算書を公表しよう。正しいデータが提供されれば、何をすべきかは職員自らが判断し行動する。それが経営改善というものだ

 手順を書いておく。
① 企業会計原則で組み換えた損益計算書と貸借対照表を病院長・職員・市民へ公表する。

② 部門別(診療科別・病棟別)月次損益計算書を翌月3日で作成し公表する仕組みをつくる。

③ 部門別予算・実績対比損益計算書を作成し、毎月差異分析を行い公表する。

 とりあえずやってみるといい。職員が真実を知れば経営改善に動き出す。病院は活気のあるいい病院へ変わるきっかけがつかめるだろう

 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」の精神で、正直に・誠実に決算と予算データを公表し経営改善に取り組めばいい、ただそれだけで経営改善の土台ができる。

 

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