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#1452  3月14日の3号機の爆発は何か? Mar. 28, 2011 [13. 東日本大震災&福島原発事故]

 今日のニュースで空から見た原発の写真が出た。ずいぶん近くからだったので、米軍の無人偵察機が撮影したものだったのだろう。
 ほぼ真上から吹き飛んだ建屋の残骸の中に黄色い構造物が丸見えになっていたが、その黄色いドーム状の頭の部分が壊れて黒く内部がむき出しになっていた。
 RIの管理区域は黄色のマークが貼り付けられているのを思い出した。ドーム状の物体は鮮やかな黄色だったから、ひょっとして原子圧力容器ではないのか?その頭頂部が割れて吹き飛んでいたら、核燃料が回りに大量に飛び散っているはずだ。2秒くらい映っただけだから確認できない。

*RI標識の実例⇒管理区域に張られる黄色い標識がたくさんならんでいる。私がテレビで目撃したのはこの黄色に塗られた頭頂部がドーム型の構造物である。半分ほど吹き飛んで内部が黒く見えた。
http://isotope.c-technol.co.jp/pdf/14RIHyoshi.pdf

 どうも東電や原子力安全保安院側の発表がおかしい。昨日「ヨウ素134」が1cc当たり29億ベクレルと公表した。わたしは最初セシウム134の間違いかと思い、ヨウ素の同位体を確認したら「ヨウ素134」というのが半減期52分でリストに載っていた。1時間ごとに測定したデーターが無いのでこれが瞬間的なものなのかそうではなくて数日続いているのかで、原子炉内の状況がまるで違うだろう。
 今日の発表では、測定の間違いだったと訂正された。セシウム134が通常の原子炉内の水の10万倍の濃度だという。こんな基本的なミスをするだろうか?
 融けた核燃料と接触した水が漏れ出していることは事実のようだ。2号機は原子炉建屋が無傷であるが、原子炉格納容器が壊れていることを東電が認めているようだ。建屋が壊れていないのにどうして原子炉格納容器が破損したのだろう?原子炉内部の燃料棒の損傷がひどいことは漏れ出しているセシウムの濃度(通常の原子炉内の10万倍)からもはっきしりている。格納容器だけではなく、原子炉圧力容器から水が洩れている。

 もし、あの頭頂部が吹き飛び黄色の構造物が原子炉圧力容器で、それがむき出しになっているのが3号機だとしたら、プルトニウムが爆発事故のあった14日に大量に飛び散ったことになる。プルトニウムの測定結果が23時過ぎに公表されたが高い濃度ではない。格納容器の頭頂部が損傷していて、爆発で大きな構造物の落下が確認できて、それでもプルトニウムの実測値が通常の値とわずかしか違わないというのは・・・

 測定に使われた測定器ICP-MSが壊れているのか、手技がまずいのか、情報を隠蔽しているのかのいずれかしか考えられない。資料はどこから誰が採り、計測を担当する施設にどういう搬送をしたのか。業務上の守秘義務があるだろうがことは重大である、計測した本人にもマスコミはインタビューを試みて欲しい。
 資料採取が一番問題だ。東電以外の者が複数人で確認をして採取すべきだ。精確な記録を残すためには、データの精度が問題になる。資料採取から搬送そして計測まで、きちんとしたプロトコルを公表してやるべきだ。普段から事故の際のデータ計測のプロトコルについてマニュアルが整備されていなければならない筈だが、マニュアルはあるのか、そしてその通りにやられているのか?マスコミはそういう点も取材してもらいたい

*土壌からプルトニウム検出、「通常の土壌環境中の濃度レベル」
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110328/biz11032823580029-n1.htm


 発表数値がどこかおかしい。何かを隠しているように感じる。もし、何らかの事情で事実を伏せたとしたら、いずれ現実と現象面でいろいろな齟齬が生じてしまうから、それを修復しなければならない。現実のほうへ合わせていくしかない。こういうことをすると現象と数字の辻褄が合わなくなるから注意してみていれば専門家なら容易に推察がつくだろう。一つ数字の嘘をつくと、次々に嘘をつき続けなければ数字の間に辻褄が合わなくなる。そして、起きている現象と齟齬が起きてしまう。しどろもどろのわけのわからない説明となる。

 メールで3号機の爆発時のビデオのURLをいただいた。テレビ番組の録画がyou-tubeに流出したようだが、1号機の水素爆発とはまるで違う。すさまじい爆発と同時に赤い火が出て黒い煙が勢いよく真上に吹き上げ、その中から大きな構造物がばらばらと落ちているところが映っている。原子炉圧力容器内部で爆発が起きてその天井が吹き飛び、原子炉格納容器と建屋の地上部分の3分の2が吹き飛んだのではないか。まさかとは思うが水素爆発ではなく臨界爆発の可能性はないのか、専門家の意見を聞きたい。

(高速増殖炉"もんじゅ"はこの原子炉とは比べものにならないほど危険に満ちているようだ。燃料の問題と冷却に使っている金属ナトリウムだ。水や空気と触れると爆発が起きるし、温度が下がると固まってしまう。今回のように水をかけて冷やしたら爆発してしまうからやっかいだ。英国で爆発事故が起きている。
 2010年8月26日に炉内中継装置(3.3㌧)が炉心に落下する事故が起きた。24回も落下物を取り除く作業を試みるもことごとく失敗。運転も廃炉もできないまま1日5500万円の維持費がかかっている。過去に次長と課長が自殺し、情報の隠蔽体質が批判されている・・・)。
*高速増殖炉"もんじゅ"
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85

 何がどうあれ、黄色いドーム型の構造物の天井部分が吹き飛んでいればMOX燃料が原発周囲に飛び散ってしまったことになる。もちろんその中に4~9%含まれているプルトニウムも。現地は重大かつ深刻な放射能汚染に見舞われている可能性がある。プロトコルを公表してきちんとデータをとり、安心させて欲しい。いまのままでは政府発表は重大な事実を隠していると疑われてもしかたがない。

http://www.youtube.com/watch?v=d1WW18QId50



 無用の誤解を解くつもりがあるなら簡単だろう。米軍の無人偵察機の協力を仰いでいるから、いくらでも上空から3号原子炉建屋を撮影可能だし、入手済みのはず。3号原子炉建屋を上空から写した写真を公表してもらいたい。いったい何が起きているのか。

 16日に米国大使館は慌てて50マイル(80㌔)圏から避難勧告を発令した。#1450でニュヨークタイムズ紙に載った避難勧告の解説をしている。米国はMOX燃料のプルトニウム原子炉圧力容器が爆発を起こしたことを知っているから80㌔圏内からの避難勧告を出したのだと思ってしまうのである。プルトニウム239の半減期は2.4万年である。セシウム137の30年(セシウム134は2年である)とは比べものにならぬほどことは重大だ。




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現場の声⇒
 「泥だらけ遺体「少しでもきれいに」 福島・南相馬市 検視の警部補」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110329/dst11032910250013-n1.htm

【プルトニウム】・・・30日午前0時追記
 プルトニウムで体内被曝すると強いアルファー線がでるから、放射線で遺伝子や染色体が傷害され癌を引き起こす。体内被曝した場合の人体への影響はセシウムやヨウ素の20倍といわれている。水に溶けやすいようだから、海へ流出し拡散たらどういうことになるのだろう。重いセシウムだってチリとなって遠くまで飛んでいくから、プルトニウムが飛ばないなんてことはないのかもしれぬ。
*「プルトニウムQ&A 検出にはどんな意味があるのか」産経ニュース、(2011.3.29 14:31
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110329/dst11032914350033-n1.htm
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通行人

アメリカの無人偵察機が撮ったと思われる福島原発の写真です。最後の写真にある白煙が、もしかすると問題の原子炉からの煙かも知れません

http://yama1.iza.ne.jp/blog/entry/2210232/
by 通行人 (2011-03-31 09:43) 

ebisu

通行人さんへ

写真のアドレス提供ありがとうございます。
3号機なのでしょうね。でも黄色の構造物はまったく映っていませんね。

あれだけ破壊されて原子炉格納容器が無事なら、格納容器がむき出しになって映っていてもいいはずですが、ありませんね。

原子炉格納容器と原子炉圧力容器の色を確認したいですね。
テレビニュースで一度だけ黄色の構造物が見えただけですから、私も絶対にそうだという自信がありません。
by ebisu (2011-03-31 10:09) 

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