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#1364 霧島連山噴火と通貨の信任の行方 Feb. 1, 2011 [91.経済]

 おかしなタイトルだ、そう思われた方が多いだろうが、ご推察のとおりである、何の関係もない。なんとなく並べてみただけ。そんなにがっかりしないで欲しい。

 霧島連山新燃山が1日7時54分「爆発的噴火」をした。テレビニュースでそのもようを見たが、出来損ないの核爆弾の爆発のようでおぞましい。明るい朝の空に2段階に崩れたきのこ雲が上がっていた。噴煙は2000mに達し、3キロ以内は火山弾が飛んでくるために立ち入り禁止となっている。
 溶岩ドームが直径500mになっていたから、爆発噴火の危険性がアナウンスされていた。フタが厚ければ溶岩が噴出さないこともあるが、大方は爆発の規模が大きくなる。4回目の爆発的噴火で溶岩ドームの端のところからガスが噴出しただけのことで、深部の圧力は高まっているという解説あり。

 イスラム国家チュニジアで大統領が国外に逃げだし、政権が転覆した。インターネットのツール、フェイスブックがデモの引き金になったようだ。リビアを跳び越していまエジプトへその火の手が飛び火している。ムバラク大統領はいつまでもつのだろう、この数日が山場だろうとみられている。政治腐敗や専制に苦しめられた民衆がインターネットというツールを得て、異議申し立て・反乱を起こすケースは広がり続けるのだろう。

 北朝鮮はいうに及ばすミャンマーなど専制政治の国家は少なくない。一番の大本は中国とロシアだ。ロシアは一度崩壊したが、また元のような国家へと後戻りしつつあるように見える。
 中国がGDPで世界第2位になった。いまや大学卒業者が毎年600万人もいる。経済成長率が10%あっても、これら大卒へ就職先を提供できない。数年前まで年間100万人だったから、大学の数も定員も大幅に増やす政策がとられているのだろう。経済成長を続けるためには必要な措置である。その一方で、情報管理が厳しくなっている。1949年に出版されたジョージ・オーウェル『1984』の舞台「オセアニア国」に一番近いのが中国だろう。共産主義を標榜しながら世界で一番貧富の差が大きいのはなんという皮肉だろう。泉下でマルクスが泣いている。
 中国という巨大な活火山で溶岩ドームが急激に膨らみ分厚くなっていく。噴火したら人民元は紙切れだから、経済規模が大きくなっても人民元が国際通貨としての信任をえるのはむずかしい。
 そうした間隙をついて、インド・ルピーが国際通貨として認知され、評価が上がっていくのかも知れぬ。

 国債及び借入金に政府保証債務を加えた残高は2010年9月末現在で954.5兆円である。日本政府が背負っている債務は膨らみ続けている。民主党政権になってから税収が37兆円しかないのに、90兆円を超える予算が組まれ、国債残高の膨張は加速度をつけたかのようだ。
 最近、S&P社が日本国債格付けを一つ下げた。だがそれで国債価格が下がるわけではない、いくらでも日銀が買い入れる。ゼロ金利で金利上昇による国債発行へのブレーキという歯止めも失っている。議席欲しさにできもしない公約を叫びまんまと政権を手に入れた民主党。政府の借金が1000兆円を超えてさらに膨らみ続ければ、時間の問題で円への信任はなくなる。
 その一方で、財務省と日銀はゼロ金利で金融を緩和し続けなければならない。手詰まりなのだ。金利を上げれば膨大な借金の山に関わる利息が税収を超えかねない。
 何かがきっかけになって円への国際的信任がなくなれば、途方もない円売り圧力が円を見舞う。日本でも借金という火山の溶岩ドームが巨大化しつつあるのだ。

 もちろんドルも例外ではない。イラク、アフガンと戦争を続けて米国財政も巨額の赤字にあえいでいる。対ドルレートで円を見ていたら判断を誤る。古典的な金相場を基準に見なければ、ドルと円の減価の度合いが判断できない。

 気象と同じで、通貨や国際経済は不安定の度合いを大きくしつつある。いつ何が起きるかだれも予告できない。変化はとつぜん訪れるのだろう。その時期も、規模や影響度合いもわたしにはわからない。"危ない"としかいいようがないのである。

 折りしも国会は空転中、なんと危機感のないことよ。あってもどうにもならぬから、いくところまでいこうというわけか?がんばってもろくな策(民主党政権公約)が出てこないなら、無為無策がいいというわけではあるまい。
 自公政権にしろ、民主党政権にしろ、財政問題はやっかいだ。国会議員全員がそれぞれ自分たちの党を解体するくらいの覚悟がなければ対処できぬ問題なのかもしれない。まあ、できないだろう。そのうち大噴火がおきてなにもかも吹っ飛ぶことになるのだろうか。

 さて、菅総理大臣よ、なんのために政治をやろうとしたのか、原点に戻って現在の自分を省みよ。何をなすべきか、考えることも迷うこともあるまい。誰になんといわれてもいい、文字通り政治家としての命を懸けてなすべきことをなせ。政治家にならんとしたときの信念と覚悟を思い出せ。

 
*霧島新燃岳噴火
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110201-OYT1T00168.htm?from=top

エジプト、ゼネスト?
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011020102000040.html?ref=rank

「中国GDPが世界2位へ」
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0120&f=business_0120_177.shtml

ジョージ・オーウェル『1984』
http://ja.wikipedia.org/wiki/1984%E5%B9%B4_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)



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