SSブログ

#1363 地域医療問題へのある論評 Feb. 1, 2011 [26. 地域医療・経済・財政]

  #1354「医師不足:ある記者の提言」で医師不足について道新記者の記事を紹介し、補足をしたら、私の書いた部分にコメントしてくれた人がいる。強い調子で反論を書いてから読み返したら大半はまともな指摘であることが理解できた。真意を誤解したようなのでお詫び方々本欄で採り上げたい。

>実際にはお隣の厚岸町立病院のように一般会計か
>らの繰出金を3億円程度に減らすことに成功した
>町もある。 ほとんど規模が違わないのに根室は
>今年度13億円の赤字補填が必要になる。

これはちょっと拙い表現ですね。根室と厚岸では規模が違います。
厚岸は常勤医4名だけでその他のスタッフも根室の半分以下です。従って診療科も内科、外科、小児科、それに整形外科が週に1度、脳外科が2週に1度の外来だけです。
病床数は根室の半分の98床(一般56、療養42)です。外来数は1日250人余りでこれも根室の半分です。
要するに規模が根室の半分だから厚岸の赤字も少ないことに成ります。根室の赤字は常勤医が減っても多くの診療科を維持するために割高な非常勤医を多数呼んでくる人件費が大きな原因です。
因みに道東での病院の規模は、市立根室=町立中標津>町立別海>町立厚岸でしょうか。赤字も規模に比例しているようです。
by 通行人 (2011-01-30 00:44) 

ebisuの反論

>これはちょっと拙い表現ですね。根室と厚岸では規模が違います。
(その通りかもしれない。たしかに規模は違う。わたしも最初は規模の違いが頭の片隅に浮かんだから当然の批判である。一番比較したかったのは経営改善のベクトル、方向が逆である。3億円の改善と3億円の悪化。病床数や外来患者数には一切言及していないので、読み手がその辺りの事情に詳しければ、比較の対照ぬならぬとの論の余地が生ずる。
 病床数に関しては比較の対象足りうるという判断を下した。
 外来患者数はわたしの念頭になかった、コメント主殿の主張が正しい。だが、病床数と外来患者数は頭の中のことで、文面にはない。だからこそ、コメント主はそのことを私が見落としたと思ったのだろう。
 どう違うのか、次に論拠がコメント主から明らかにされる)

>病床数は根室の半分の98床
市立根室病院の病床数は150からさらに減床してすでに135ではないですか?実稼動は90程度ではなかったですか?ずいぶん事情に詳しい様子なので、ご存じないわけはないと思います。

(ひょっとしたら、コメント主は市立根室病院の病床数を数年前の199床だと勘違いしていたのかもしれない。単に最近の事情に疎いのだったら言い方が礼を失していた。ずいぶん事情に詳しいようなので、知っていてタメにする議論をしているのだと思い込んでしまったので、強い調子になった。失礼の段お許しいただきたい。
 実際には49床が休床で数年前から150床である。そして、さらに135に減床している。
 今年度の実稼動数は80~90の間だろう。厚岸のベッド稼働率が何%か分からぬが、療養病床は90%程度の稼働率を確保できるから70前後かもしれぬ。実稼動数ではせいぜい20%程度の差しかない。厚岸町立病院の医師数やスタッフ数についてはわたしは情報を持っていないので、コメント主の情報はたいへん参考になった。この点は感謝)

厚岸町立病院に療養病床が42あるのは知りませんでした。地域医療に関する考え方がしっかりしていますね。根室も必要です。根室の老人は困っています。療養病床が一つもないのですから。
療養病棟を設置すれば年間2億円は赤字を減らせると何度もブログで取り上げたはずですが、建て替え後の新病院にもニーズの大きい療養病棟がありません。愚かなことです。
(病院経営上、療養病棟のないことが赤字額を増やしている。療養病棟を設置すれば市立根室病院の赤字額は年間2億円以上改善できるだろう。なんどか具体的な数字をあげて言及している)

それと、厚岸は6億円あった赤字をこの数年間で半減したと新聞報道にあったように記憶しますが、その間に根室は10億から13億円に赤字幅を増やしたのではないでしょうか?赤字を3億円減らした病院と3億円増やした病院、何も感じませんか?

仮に厚岸町立病院が根室の半分だとして、かの病院の赤字を2倍してもわずか6億円です。根室の今年度の赤字は13億円です。厚岸町と町立病院長のそれなりの努力を素直に認めて良いのではないでしょうか。その上で市立根室病院を市民ニーズにあった病院にどのように変えていくかについて語り合いたいものです。

>根室の赤字は常勤医が減っても多くの診療科を維持するために割高な非常勤医を多数呼んでくる人件費が大きな原因です。

これも事実と違いませんか?常勤医が16名に回復しても赤字の幅は増えたのではなかったでしょうか?
その間の内部事情については書きませんが少しは承知しています。
なぜ書かないかをご推察ください。
(非常勤医を多数手配しているから人件費が膨らんでいることはコメント主の指摘どおり事実である。昨年度決算でおおよそ2億円だった。しかし、常勤医が16名になっても赤字が増え続けるのは他にも問題のあることを示しているが、理由があって具体的にこの問題を書くわけにはいかない。)

もうすこし前向きなご意見をいただけるとありがたいと思います。

因みに道東での病院の規模は、市立根室=町立中標津>町立別海>町立厚岸でしょうか。赤字も規模に比例しているようです。
(この部分はコメント主の主張するとおりであり、ebisuに異論はない)

---------------------------------------------------

  久しぶりに地域医療問題を採り上げたが、反論コメントの文面ががきつかったと反省している。
 そしてもう一つ反省しなければならないのは、厚岸と根室の比較の眼目は経営改善のベクトルの相違にあったのだが、伝わらなかった点。これはわたしの落ち度かもしれない。私はしばしば文章が冗長になり周辺の余計なことを書きすぎる場合が多いので、そうはならないように心がけながらも、50~60点辺りの不出来なものしか書くことができない。あまりカットするとこれも誤解を生む元になるから、このあたりのバランスは今後も課題だ。不特定多数に向かって意を伝えることの難しさを肝に銘じたい。相変わらず誤解を生んだり、間違えたことも書くだろう。でも、当分書き続けるぞ。(笑い)

注:( )内はebisuが追加した部分であり、元のコメントにはない。

 #1354 医師不足:ある記者の提言
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-01-26-1


にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ

*メモ 1月のアクセス数(47,574)、1163日累計アクセス数(617,988)


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0