SSブログ

#1094 国技(相撲)とヤクザ July 5, 2010 [B2. トピックス]

 紛糾していた大相撲名古屋場所開催が決定された。「琴光喜と大嶽親方解雇」と今朝の北海道新聞1面の見出しにある。
 野球賭博は違法行為であり、明るみに出れば当然処分されざるをえないだろう。しかし、相撲の地方巡業を仕切ってきたのは地元ヤクザである。こうした「慣行」は江戸時代からとすると三百年をこす歴史をもっている。先代、先々代・・・と連綿と続くつきあいだから、現在の親方たちがそうした歴史と「伝統」をにわかに断ち切れるわけがない。

 国技として伝統を背負っているのは技だけではない。地方巡業も含めて一つのシステムとなっている。地方巡業へのヤクザのかかわりも昔とはずいぶん変化しているのだろうが、この先そうした「関係筋」とどういう付き合い方をするのか、けじめの線をあきらかにしていくしかないだろう。相撲協会も部屋の運営もたいへんだな。伝統的なやり方をそのまま継承すれば世間の批判を浴びる。何を継承し、何を継承しないのか、相撲協会員や親方一人一人がまっとうな価値判断を求められている。

 金だけではない、義理と人情が絡んでいる。義理と人情に関してはヤクザやさんはその道のプロと言ってよい。よほど警戒していても、その警戒を解除する技を身につけているし、気がついたら「義理と人情」のがんじがらめになっているようなことは朝飯前だ。そういう付き合いは、なんてことのない飲み食いや軽い賭け事、趣味、スポーツ(ゴルフなど)からはじまる。手際は見事なものである、実に巧い。

 名古屋場所は19人の力士が出場できない。
 「特別調査委は野球賭博をした力士と親方ら計27人の氏名を公表。琴光喜関を除く力士23人のうち、18人が謹慎処分で、名古屋場所に出場できない」

 大相撲という国技とは何か、その歴史と伝統を省みる場所にしたいものだ。どれほど厳しい処分をしても、義理と人情部分があるから付き合いは残る。親方や力士がよほどしっかりしなければ、この先も危うい。

 *なかにし礼氏は「名古屋場所は開催すべきではない」、つまり不開催として謹慎すべきと云う意見である。わたしも賛成だ。長い目で見ればそれがいい。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0