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菅直人財務大臣就任 #857 Jan.9, 2010 [91.経済]

 藤井財務大臣が健康上の理由で辞任した後を受けて、国家戦略室長の菅氏が財務大臣に就任したが、初の記者会見で早くも失言があった。為替相場について1ドル95円が妥当な水準だと就任記者会見で言ってしまった。

 そもそも国家戦略室長を拝命しながら、100日以上も開店休業状態のままなす術がなかった。厚生大臣のときは薬害資料を出させるというポイントは上げた。しかし、財務大臣の仕事は違う。

 経済も金融も専門知識がなさそうなことが一番の不安材料だ。おまけに為替相場についての発言で、財務大臣としての常識すらもたないことを証明してしまった。

 為替相場が1ドル95円でいいと言うのは、従来の自民党の発想である。自民党政権は輸出産業を守るために円安誘導をずっとやってきた。民主党政権になったのに、菅氏は従来の自民党政治家や官僚と同じ発想で輸出産業保護のために円安がいいと言明してしまった。
 知ったかぶりが一番危ない。官僚に依存しないことは大事だが、何も知らないのに闇雲に行動してはいけない。従来路線を言っておけば無難だとでも考えたのだろうか?
 財務省は円安誘導したい。なぜかというと懐事情があるからだ。外為特別会計には1兆ドルものドル資産(米国財務省証券)がある。10円円高になれば10兆円もの為替差損が発生してしまうから、できれば1ドル100円くらいに維持したいのだ。菅氏は財務官僚の望むことを知ってか知らずか発言してしまったわけだ。財務官僚は大喜びだろう。ご本人はそのつもりがなくても、これでは政治主導ではなくて、官僚主導だ。官僚側から見れば、専門知識をもたない扱いやすい人物が財務大臣に就任してくれたと言えるかもしれない。

 ところで、市立根室病院の院長が替わった。院長が名誉院長に、副院長が院長に就任した。新聞に寄れば新院長は今までと同じように道内3大学に医師就任要請を続けるという。従来路線の踏襲である。何も新しいことはない。この点では輸出産業保護のために為替の円安誘導発言をした菅・新財務大臣と変わらない。新院長殿は年間10億円を超える実質赤字に関心はないのだろうか?

 民主党も人材難の様子がありありだ。菅氏は専門知識の不足を補完するために、どのような人をブレーンに抱えるのだろう。くれぐれも、暴走しないことだ。財務大臣という役どころに「イラ菅」は禁物だ。
 当面やれることは、来年度予算の無駄探しだろう。再来年度の財源はない。どうやって歳出を削減し財務規律を維持するのだろう。国債の新規増発にストップをかけ、歳出を削減するには、民主党マニフェストのバラマキ政策を全面的に見直さざるを得ない。国家戦略室長としてほとんど何もできなかった菅氏が、財務大臣としての職務をまっとうできるだろうか?


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