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「兵庫県立柏原病院の小児科を守る会」対「医信伝心ネットワーク」(2) #827 Dec. 9, 2009 [32. 市立根室病院建て替え]

「兵庫県立柏原病院の小児科を守る会」対「医信伝心ネットワーク」(2) #827 Dec. 9, 2009

 市立根室病院の救急外来がパンク寸前の状態にあり、担当している常勤医師の疲弊を憂う記事を前回転載した。非番の医師まで駆り出すような状況にある。
 常勤医が一人減れば、病院の損益へ2億円の影響が出るという、病院側の発言は根拠がないと言わざるを得ないが、最大で1.2億円、非常勤医が2名確保しても6千万円程度損益が悪化することは間違いがないだろう。

 電話での確認をせずに強引に救急外来を利用するマナーの悪い市民がかなりの数いることも事実である。私も直接そういう事例を救急外来に行った本人から聞いている。ただのカゼだった。ただのカゼでも、ウィルスが脳炎を引き起こすことがあるから、容態の変化に注意する必要がある。そういうしっかりした知識がないと、慌てふためいて救急外来へ殺到することになる。病気への知識が患者や子供を抱えるお母さんたちにないと、救急外来は軽症患者で溢れ医師は疲弊していく。このようなマナー違反を防ぐために他の地域ではどうしているのだろう。Kさんが教えてくれた事例がある。柏原病院の小児科を守る会の活動だ。

 根室には「医信伝心ネットワーク」という組織があり、商工会議所内に事務所を置いている。いわゆる根室の「名士」が名前を連ねて、医師とのコミュニケーションをしている。ワカサギ釣り、焼肉パーティなどの飲食や医師の講演が活動の主体である。それはそれでいいだろう。写真入で活動が次のURLに載っているから、ご覧いただきたい。
 URL:http://www.soumu.go.jp/main_content/000039114.pdf

 比較のために他の地域の活動を紹介したい。比較することで「医信伝心ネットワーク」の限界も見えてくる。
 この分野では「兵庫県立柏原(かいばら)病院の小児科を守る会」の活動がつとに有名であるらしい。私は知らなかったが、Kさんが教えてくれた。
 2,007年3月に産科と小児科がなくなるということで、お母さんたちが立ち上がった。「守る会」のホームページから趣旨を引用したい。
 URL:http://mamorusyounika.com/index.html

私たち「守る会」のメンバーは、みんな子育て中のお母さんです。
妊娠、出産、そして子育てと、柏原病院の先生方には大変お世話になってきました。

2007年春、産科・小児科がなくなるかもしれないと知り、
先生の役に立ちたい!
私たちにできることをしていこう!
と「守る会」を結成しました。

私たちに何ができるだろう?
何をしたら良いのだろう?
今もなお自問自答しています。

「守る会」の活動を通して、地域医療の現状を知りました。
住民としてどうすべきか、少しずつ分かってきました。
安心して暮らせる地域づくりのため、私たちにできることを

『医師は戦わない。ただ、黙って立ち去るのみ!』 

一般的にはそう言われています。
しかし、柏原病院小児科は違いました。
「もうすぐ無くなるかも知れない」というサインを出されました。
私たち「守る会」は新聞を通じてこのサインを知り、
そして活動を始めることが出来ました。
幸い、小児科については「守る会」の活動のみならず、
様々な方面のお力添えにより、明るい兆しが見えてきました。
が、新聞には柏原病院は依然「危篤状態」だと書かれています。

医師が立ち去り、地域医療が崩壊してから声をあげたのでは遅いのです。
そうならないように全力を尽くす以外にありません。

丹波の医療を守るために何ができるのかを一緒に考えてみませんか?

夜や休日など通常の診療時間外に診察を受ける
「コンビニ受診」が医師を疲れさせる一因になっている

子供の病気などについて正しい知識を持ち、
受診すべきかどうかを判断できるようになることが大切

ちょっとした怪我や病気ですぐに柏原病院を受診するのではなく
「かかりつけ医」を持ち、まずそこで受診

日頃からお医者さんへ「ありがとう」の気持ちを伝えることも大切

本当に必要な人が必要な時に治療を受けられるよう心掛けたいものですね。

それに「病気が治って当たり前」と思って受診していませんか?
お医者さんが力を尽くしてくださったことに対して感謝の気持ちを伝えましょう。
感謝の輪が地域全体に広がっていくことを願っています。

お医者さんの心を折らないように、私たちができることを一人ひとりが
実践していくことが大切なのではないでしょうか。

◆  ◆  ◆

私たちは、丁寧に診察してくださるお医者さんから「安心」を、
看護師さんの笑顔から「元気」をいただきました。
大切な医療がなくなってしまう前に現状を知り考えることが大切です。

私たちができること・・・

それは黙っていては伝わらない「感謝の気持ち」を
声にして届ける事ではないかと思います。
安心して暮らせる地域づくりのために、一緒に考えてみませんか。

「柏原病院の小児科を守る会」のホームページに、「啓発グッズ紹介」というページがある。
そこに「小児救急冊子」と「受診目安チャート図」が紹介されている。
どのようなときに救急車を呼べばいいのか、受診の目安がチャート図になっているらしい。これらは活動の中心になっているお母さんたちが、病院の医師と共に作り上げたものだ。お母さんたちも啓蒙活動を通じて賢くなったし、医師との信頼関係も格段に改善された。
 わたしはこういう活動が根室に生まれてほしいと願う。私が医師ならこういう会の活動がある地域で仕事をしたい。そして市立根室病院を取り巻く環境が、変わってほしいと願う。誰かがこういう活動を担わなければならない。 
 
 貼り付けたURLをクリックして、自分の目で両方の活動の実際を確認し、判断してほしい。そして、ふるさとに何が必要なのかも考えてほしい。本当に必要なことは、根室に住む誰かが始める、そう信じたい。始める人がいなければ根室はそう遠くない将来財政赤字の海に沈むしかない。
 このままの状態が続けば、病院建設が引き金になって病院事業赤字が拡大し、根室市の一般財政が破綻しかねない。そうなれば市立根室病院は民間移管か廃院となるだろう。
 根室に民間の大病院はないから看護師さんの多くは職を求めて根室を離れることになるし、お金を持った年寄りは都市へ逃げ出し、人口減少は加速度を増す。そういう事態は避けたい。今ならまだ間に合う。
 「市立根室病院を守る会」を立ち上げてみたい、やってみたいと思う人が出てほしい。最初の一歩を踏み出すのは一人でも、継続するには数人の仲間が必要だ。インターネットがそうした意欲のある人の武器になる。


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