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JICAはだれのもの? #810 Nov.24, 2009 [57. 塾長の教育論]

JICAはだれのもの? #810 Nov.24, 2009

 事業仕分けでJICA(国際協力機構*)が槍玉にあがっていた。麹町に引っ越して年間27億円もの家賃を支払っているという。坪単価は47000円だそうだ。

 12年ほど前に日本橋と立川の拠点を新宿に移そうと物件探しを検討したことがある。坪単価は半分ほどで物件はたくさんあった。
 JICAは国際協力のための機関であるから、そこに配られる予算は国際協力に使われるべきもので、事務所経費はできるだけ少ないにこしたことはない。麹町で坪単価45000円は最高クラスの賃料であるが、そういうところを使う必要はないだろう。JICAはJICAの職員のための機構ではない。
 事業仕分け作業で次々と「とんでもない無駄」が掘り出されている。どうしてこういう無駄がいたるところで行われているのか、いろいろな公的な機関や職員の金銭感覚が麻痺しているとしか言いようがない。国の借金残高が今年度末には900兆円を超えそうだというのに、まるで使わないと損だといわんばかりである。
 機構設立の目的を忘れ、JICAのためにJICAが存在している。半額の家賃の物件はすぐにも見つけられるから、早々に引越し、本来の目的を思い出すべきだろう。

 さて、市内の市街化地域の3中学校の期末テストが1週間延期になった。新型インフルエンザがまだ下火にならず、3校とも学年閉鎖が相次いでいるためらしい。
 学校閉鎖が各校1週間あった。さらに学年閉鎖が相次いでいるから、2週間休みになった学年が半分以上だろう。しかし、冬休みの短縮は3日間であるらしい。終わりが3日延びるだけではなく、あるいは冬休みが始まるのが早まるのかもしれない。
 予定通り冬休みにしてほしいという父兄からの要望も強いと聞く。根室の中学校は英語や数学の進み方が遅い。3年生が4月に2年生の確率の章を勉強しているなどというケースがあるし、3年生が数学の教科書の最後の方をやれなくて、「あとは自分でやれ」などということすらある。遣り残してしまうと翌年の学力テストの平均点が下がる。学力テストの平均点が全道14支庁中、最低であるのは授業速度が遅いことにも関連している。年間授業計画をたてているはずだが、実際は消化しきれない。各校の校長は担当の先生たちの授業計画の進捗状況をどのような頻度でチェックしているのだろうか?基本を忠実にやっていればこのような状態はない筈である。
 40%の生徒が百点満点で30点以下しか取れないのだから、これらの生徒が自力で習っていない教科書の単元を消化できるわけもない。根室の子供たちの学力を上げるためには、1年で教えるべきことは1年ですべて教える、2年生で学ぶべきことは2年生のときにすべて教える、3年で学ぶべきことは3年次にすべて教える、つまり仕事をきちんとすることだ。そして、前の学年までに学びきれていないことは次の学年に持ち越さずに、当年度できっちり補習をして学ばせることだ。
 仕事をきちんとやり遂げるというのは、まことに大変なことである。いい仕事をするために努力を惜しまない人のことをその道のプロという。

 学校は誰のためにある?


*JICA
 
http://www.jica.go.jp/
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