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新型インフルエンザ、冬に備えて人工呼吸器の配備を急げ [35. 感染症および自己免疫疾患]

新型インフルエンザ、冬に備えて人工呼吸器の配備を急げ

  夏だというのに、新型インフルエンザが猛威を振るっている。ほとんどの人が免疫をもっていないから夏でも感染拡大するのだろうか。
 死亡した人は二人、基礎疾患のあった人であり、健常人の死亡例は日本ではまだない。夏でこれほど感染拡大しているから、秋以降が心配される。10月にウィルスが変異を起こし、毒性が強くなれば、高校の修学旅行にも影響しかねない。

 変異を起こし強毒化すれば、呼吸不全症状を起こす患者が激増するだろう。呼吸不全症状を起こした患者の治療には人工呼吸器が必要である。
 定額給付金などばら撒かずに、人口呼吸器を地域の拠点病院に配備すべきだった。これからでも遅くはないので、配備を急ぐべきだ。

 1月15日blog#489『産婦人科医が着任』で人工呼吸器配備の必要性を採り上げているので、再掲する。
 URL ⇒http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-01-15

 ・・・・・ひとつだけ残念なことがある。地方医療協議会の斡旋で春に産科医の赴任が決まっていたが、根室市はこれを拒否した。その医師が月に一度離島への診療を希望したからである。離島も根室も医療事情は同じだろう。どうして連帯感がもてないのだろう?自分の都合だけ主張していては、地域医療はますます状況が厳しいものとなるし、産科病棟再開も遠のいてしまう。
 假定の話しだが、その医師がいたら常勤医2名体制で産科病棟を再開できたかもしれない。根室では年間200人ほどしか生まれていないから、月に一度だけ、2~3日なら常勤医が一人待機していればやりくりできるかもしれない。産科学会のガイドラインはあるが、地域の実情に合わせて臨機応変なところがあってもいいのではないだろうか。妊婦の数が少ないから、実務上シビアな問題が生じない可能性がある。根室市のほうで妊婦に状況の説明を丁寧にして理解を求めればいい。緊急の場合は1時間あるいは2時間かけて別海や釧路へ運ぶほうがはるかにリスクが高い。刑事事件で立件されない限り、医療事故による民事の損害賠償は根室市が保証すればいい。
 このような体制がとれれば、市外の病院へ通うよりも、根室病院を選択する妊婦が多いのではないだろうか。日本最東端の地を故郷とする市民は「完全な医療」を求めているわけではない。市や病院から丁寧な説明があり、理解と納得できればいいと私は思う。トライしてみる価値はあっただろう。可能だったら、新年度、根室病院の赤字が3億円程度減らせた。産科病棟を再開できなければ、医師が増えても病院赤字は縮小できない。

 3億円の赤字縮小ができれば、H5N1亜型の新型インフルエンザに備えて、人工呼吸器(1台300~1000万円)を10台購入できる。新型インフルエンザ流行の兆しについては春に何度かブログに書いた。治療法についても言及した。
 SARSの治療に人工呼吸器は不可欠だ。患者は急性の呼吸不全を起こすので、それを乗り切らないと助からない10台もあれば半年ぐらいの流行期間の内に数百人の市民の命が救えるだろう。無駄になってもいい、備えておくべきだ
 人工呼吸器は取り扱いが難しいから、普段からトレーニングをして慣れておかなければ、パンデミックがおきたときに看護師さんたちが対応できない。取扱説明書は分厚いし、メーカごとに取り扱いが異なる。
 機器をそろえることも、機器に慣れておくことも、すべては先を読みパンデミックから市民の命を守る努力だ。
 病院はあっても、医者も看護師も十分にいても、人工呼吸器がなければ呼吸不全症状を起こした患者の治療はできない。抗ウィルス剤タミフルだけで新型インフルエンザの治療ができるわけではない


 判断ひとつ間違えばツケは途方もなく大きくなる。目先の事柄にとらわれることなく、はるか先を見て判断し、平時にきちんと経営改善度努力をすべきである


*5月2日blog#『"Flu fears spread as cases stack up"』
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-05-02

 患者の命が助かるか否かは、ひとえに患者のそばに人工呼吸器とそれを操作できる看護師がいるかどうかにかかっている。
 市立病院の年間赤字10億円を5年も放置したので、新型インフルエンザのパンディミックに備えてわが町は必要な台数の人工呼吸器を購入する余裕がなかった。全国のどの自治体も似たり寄ったりの状況だろう。仕事は準備が7割だ、急げ。

 時間はまだある。冬の到来まで関係機関の連絡の取り方、検査の仕方、治療用医療機器(人工呼吸器)の増産と配備など、さまざまな準備が要る。国費で賄う部分と地方自治体で負担する部分を具体的に協議すべきだ。

 

 2009年8月23日 ebisu-blog#718
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ys(8月23日19時05分)


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