SSブログ

#473 この国の成り立ち(1)邪馬台国とは? Jan. 4, 2009 [A9. ゆらゆらゆ~らり]

この国の成り立ち(1)邪馬台国とは?

 魏書の東夷伝、倭人の条に「邪馬国」の名が見える。この「壹」の字は「ト」と読める。卑弥呼の後継者が「與(ヨ)」である。これをトヨと読むのに「邪馬国」をなぜヤマノクニと読まないのだろう。専門家ではないわたしは不思議でならない。
」が恕用漢字にはないので「台」と書き換えるのもとんでもない話だ。「台」に「ト」という読みはない。

 中国に使いが行く、そしてどこの国のものだと問われた使者が「ヤマトノクニ」の使いだと名乗る。それを中国側が「邪馬台国」と侮蔑的な漢字を当てて書き記したと素直に考えていいのではないだろうか。
 中国は自分の国だけが文明の中心「中華」で、周辺は野蛮な国だとし、東夷、西戎、南蛮、北狄と虫や獣の関わる旁や偏をつけている。

 倭国大乱の後、話し合いで国づくりをして成立したヤマトの国に大きな和を意味する漢字を当てて「大和」と日本側では記したのだろう。中国は実に非礼な字「邪馬台国」の字を当てたように私には見える。邪は「よこしま」と読む、そして「馬」である。

 同じことは「卑弥呼」にも言える。卑弥呼=日御子説は和辻哲郎(哲学・倫理学)も何かに書いていた気がする。最初にだれが言い出したかはネットでも調べたがわからない。
 しかし、文字だけ見ても卑弥呼が蔑称であることは歴然としている。やはり、使者が行き、王は誰かと問われて天照の子孫だから「ヒノミコ(日御子)」と答え、中国側は「卑弥呼」と記録したのだろうと想像される。

 これらの主張は何人もの人が本に書いていることだ。しかし、いまだに教科書では「ヤマタイコク」と読ませて、「ヤマトノクニ」とは読まない。
 私は社会の補習をするときにはこれらのことを生徒に説明している。中国が中華思想で周辺国をどのように思っているかが如実に現れているからだ。

 同じ思想は1700年のときをへたいまも流れ続けている。日本に対する中国の見方の根っこに「自分が世界の中心文明国で、周辺にある日本は中国より遅れているべきだ」だとする世界観が横たわっていることを知っておかねばならない。そうした世界観はそうではなかった歴史を歪曲する動力となる。世界観にあわせて、歴史もそうであるべきで、そうであったという史観が常に頭をもたげる。徹底した儒教の国である朝鮮も同じ世界観を共有している。だから、韓国も北朝鮮も日本を非難することはあっても、中国を非難することははなはだしく少ない。隣国で中国の侵略を何度もうけて属国であったのに、「宗主国」を批判することはほとんどない。これらのことは井沢元彦が『逆説の日本史』シリーズで主張しているので、そちらを読んで欲しい。もう15冊出ている。日本通史が書ける歴史学者は少ない。井上清の『日本の歴史』(岩波新書)は上・中・下の3冊あるが、これと読み比べてみるといい。わたしはこの本をはるか昔、予備校時代に読んだ。その後何度か読んでいる。昔は手ごろに手に入る適当な通史がこれしかなかった。

 新年にあたり、かねがねヘンだと思ってきたことを記す。

*卑弥呼について面白いネット小説(習作)を見つけた。29ページあるが、道教や宇佐神宮、兎狭族と月信仰などと関連付けて物語っている。世の中にはいろいろ調べて面白い主張をする人がいる。この着想をベースにすれば、1000ページぐらいの長編古代小説が書けそうだ。
http://novel.fc2.com/novel.php?mode=rd&nid=3391&pg=1

 2009年1月4日 ebisu-blog#473
  総閲覧数:61,347/405 days(1月4日10:30分


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0