FRB政策金利0.25%、実質ゼロ金利へ

FRB政策金利0.25%、実質ゼロ金利へ

　米国経済浮揚のためにFRBは実質ゼロ金利政策へ転換し、政策金利（年初は3.5%）は0.25%となった。日本は0.3%である。30年以上続いた日米金利差2~4.5%超に終止符が打たれた。これで、邦銀の利益の源泉の一つがなくなるので、邦銀の収益は急速に悪化するだろう。

　日本の預金者からお金を集めてドルで運用すれば、実に簡単に2%以上の利ざやが稼げた。ぼろもうけだった。簡単に儲けられるために、30年以上にわたり資金運用に磨きをかける機会を失ってきた。今後どうやって利益を出すのだろう？30年間ぬるま湯につかってきたが、いま寒空にぬるま湯から放り出された。風邪を引く程度では済まないだろう。

　日銀は邦銀保護と輸出産業保護のために異常な低金利政策と円安誘導を基本政策としてきた。「金融危機」と「百年に一度の経済危機」対応で景気浮揚策が必要となり、FRBはゼロ金利へ政策転換した。これで邦銀の利益の重要な源泉たる日米金利差が消失してしまった。経営危機に適切に対処できる都市銀行経営者はいるだろうか？

　米国のゼロ金利政策は数年続くだろうし、円高は止まらない。邦銀と輸出産業にとっては大事件の出来（しゅったい）である。

　2008年12月17日　ebisu-blog#446
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