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Actor Paul Newman dies of cancer at 83 [22. 人物シリーズ]

Actor Paul Newman dies of cancer at 83

  2008年9月29日Japan Times1面の記事の見出しである。
 ポールニューマンが癌で亡くなった。享年83、日本式だと85歳だろうか。個性的ないい俳優だった。
 記事の中から拾ってみる。原文のほうがずっといいが拙訳を載せる。
「伝説的な映画スターであるポールニューマン(きらきらした青い瞳、見た目のよさと才能で60年間もハリウッドのトップスタートして君臨した)が長い癌闘病生活の末に83歳で死去した」

 9回オスカーにノミネートされて1986年"The Color of Money"で主演男優賞。監督やF1レースドライーバーとしても活躍した。自分の食品会社をもち、その利益から2億5千万ドルを世界中の数千の慈善団体に寄付をしたとある。
 5人の娘の署名のあるステートメントによれば、「父は自らの幸運に限りない感謝を捧げていた、父自身の言葉を借りると"いまここにこうしていること自体が光栄なことだ"」とある。
 共演者であったロバートレッドフォードの哀悼の言葉は原文のままがいい。
"There is a point where fellings go beyond words. I have lost a real friend. My life -- and this country -- is better for his being in it."
 「言うべき言葉もない。いい奴だった。私の人生は彼があることでいまも実り豊かなものとなっている。」

 1925年1月26日クリーブランドの郊外に生まれ、第2次世界大戦では太平洋戦線で通信兵であった。オハイオのKenyon大学へフットボールの奨学生として進学するも、酔っ払って喧嘩してクビになり、そこから俳優への道を目指すことになる。いかにもニューマンらしい。

 人生とは不思議なものだ。酔って喧嘩しなければ俳優になることはなかっただろう。不運が幸運の始まりとなった。
  2億5千万ドル、米国の成功者はチャリティに半端ではない金額の寄付をする。マイクロソフトの創業者ゲイツも慈善団体へ数千億円の寄付でつとに知られている。慈善精神は宗教が絡んでいるからか、日本人は真似ができない。日本では自らの信じる宗教団体へ多額の寄付をする人は数限りないが、慈善団体への寄付は珍しい。
 
 ただ、ひとつだけ残念なことがある。映画「ハスラー」のことである。ヨーロッパの貴族のたしなみとしてマナーの厳しいビリヤードが「ハスラー」によって品のないものとなってしまったことである。
 もともと貴族の遊びだった。皇族は教養の一つとして霞会館でビリヤードを習う。小林先生の後、いまも町田正さんが教えているのだろうか。昭和30年代中ごろまではビリヤード・ボールは象牙製だった。四つ玉と言われるボールが一番大きい。スリークッションはそれより小さい。エイトボールやローティションゲームはもっとボールが小さくなる。どういうことかというと、ボールは使っていると傷がつく。傷がつけば削ることになるが、次第にボールは小さくなる。最後がポケットゲームである。くずボールを使うしかなかった経済的に一番下層のビリヤードゲームといえる。マナーも当然悪くなる。映画「ハスラー」によって、品格にかけるビリヤードが全世界に紹介され、それがビリヤードだと思われてしまった。そのことが残念である。ポールニューマンは演技が実にうまかった。相当練習したろう。そこに彼の役者魂を感じる。それだけに影響力も甚大だった。

 ハスラー以後にビリヤードを習った人はマナーを知らない人が多い。すでに故人だが、歯科医の田塚先生や福井先生が品のよいビリヤードだった。中央ハイヤーの斉藤社長がその頃をご記憶だろう。彼は一度だけ吉岡先生のゲームの相手をしたことがある。根室では一番腕のよい人だが、そのときばかりはコチコチだった。
 昭和天皇のビリヤードコーチであった吉岡先生は白髪で穏やかな品のよい人だった。札幌中央通にあった先生のお店「ビリヤード白馬」がなくなってからもう二十数年たつ。
 存命の戦中派には懐かしい東京八重洲の桂姉妹のビリヤード店、戦後の八王子町田先生のお店(巨人の星の星飛雄馬のお父さんのような人である。鉄製の素振り用のキュウが在った)、平成では新大久保の小林先生のお店と八王子駅近くのビルにある町田正さんの「シルクハット」など名店をいくつか知っているが、「ビリヤード白馬」の品格は群を抜いていた(関西のビリヤード店は一店も訪れたことがないのでコメントできない)。
  
 楽しい映画をいっぱい見せてくれたポールニューマン感謝をしつつ・・・合掌

 2008年9月30日 ebisu-blog#326
  総閲覧数:36,334/308 days(9月30日9時15分)


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