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根室の現状 高校求人38.7%減少 [87.根室の話題]

      根室経済の現状 高校求人38.7%減少
   根室管内・新高卒求人数⇒わずか19人

 8月22日北海道新聞夕刊より
【根室】根室公共職業安定所は7月末現在の、管内の高校三年生を対象とした求人状況をまとめた。管内の事業所からの求人数は19人で、前年同期比38.7%減と、大きく落ち込んでいる。
 就職を希望しているのは0.8%増の251人。うち、161人が管内での就職を望んでいる。管外の事業所も含めた求人数は同4.3%減の157人だった。
 昨年より管内の求人数が大幅に減ったのは、一つの事業所で数人の求人を出すケースが減ったためで、「今後の雇用情勢は厳しい状況が予測される」(同職安)。
 事業所別では、食料品製造業の求人が11人で最多だが、同42.1%の減。また、前年は6人あったサービス業からの求人が、今年はまだない。高三対象の求人は6月25日に受付が始まった。

《新聞記事へのコメント》
 根室管内での就職を希望する高校三年生161人に対して、求人数はたったの19人である。地元で就職を希望する高校三年生の11.8%しか地元に残れない。この記事は誤報ではないのだろうかと思うほど極端に少ない。これでは高校卒業者のほとんどが管外へ流出せざるを得ない。根室から出ても容易に職に就けないという北海道経済の弱体化もあり、管内で失業状態になり親に寄生せざるをえない新高卒が増えることになる。
 管内人口はおおよそ8万4千人であるが、根室、別海町、中標津町、羅臼町を含めて1市3町7道立高校+1町立高校で19人しか地元に就職できない。
 逆算すると、前年の根室管内の新高卒求人数は31人だったということだ。この31人が今年は19人に減った。農業や漁業などの自営業の後継者を除けば、希望者の1割しか残れないということだ。若年人口が激減するのは当然である。今後10年間で結婚数も出生数も現在の三分の一程度まで減る可能性がある。根室の20年後の人口は1万8千人という推計値が最近の新聞に載っていたが、あながち的外れではないようだ。大卒者を雇う企業もあるし、自営業を継ぐ者もいるので、同年齢の若者が19人に減るわけではないが、根室市内に限れば地元で働ける新高卒は50~60人もいるだろうか。
 大学を卒業して根室に戻ってくるものは5%に満たないのが実態ではないだろうか。他から流入してくる数も根室市の人口統計を見る限り減少し続けている。出生数が激減していくのは目に見えている。
 市内の小学校の新入生合計が現在よりも100人程度減少し、150人を割る時期が意外に早くやってくる。おそらく今後10年から20年の間だろう。あらゆるところに影響が出るだろうが、対策が打てる時間は少ない。打つ手を見つけることも至難の業だ。保育所、幼稚園、学習塾、小学校、中学校、高校へと順次影響が出る。スーパーやサービス業の売上も漸減していく。地元商店も売上減少で経営継続が難しくなりさらに半分程度になるだろう。将棋倒しのような光景が今後20年にわたって繰り広げられる可能性が大きくなっている。

 似たようなパターンで田舎の市や町や村が一斉に潰れつつある。人材を都会に供給し続けている地方が潰れれば、次に潰れるのは都会である。そしてついには日本全体が沈没する。
 日本沈没という映画があったが、あれは地震で日本列島が海底下に沈む話しだった。実際には別のシナリオで沈没しそうだ。地方に人が住めなくなり、都会の活力が失せ、日本が経済破綻で沈没することを作者の小松左京氏は予感していたのかもしれない。
 政府や国会議員は地方をどうしたいのか?さっぱりビジョンが見えない。このままでは手遅れになる。地元の国会議員や道会議員にビジョンを訊いてみたいものだ。今必要なのは地元へ利益を誘導してくれる政治家ではない。日本の将来を見据え、しっかりしたビジョンと実行力をもった政治家である。
 
 中高生は、就職の現状がこれほど厳しいものだということを知っておくべきだ。一部の幸運なものを除いて根室に残ることはほとんど不可能である。
 
田舎でのんびり18年間過ごした者が競争の渦巻く都会で生き抜くのはなかなか厳しいものがある。自宅から通勤できるわけではない。部屋代や光熱費だけでも毎月10万円近くかかる。いくつかの会社でわたしは地方出身者を見てきたが、都会出身者よりずっと生活が大変だ。実感ないだろう?就職しても3年間は金銭的余裕なんてない、「ゆるくない」ぞ。だが、東京を支える地方出身者のほとんどが、それに堪えて頑張っているのも事実だ。
 戦いには周到な準備が必要だ。勝負の行方を決める要素の大半は、準備の仕方にある。
 上場企業の中には管理職になるための諸要件のひとつにTOEIC600点を要求する会社もある。係長と課長職では年収で100~200万円の差がつく。
 二つ以上の技能や専門分野をもつものに重要な仕事が集中する。なぜかというと、重要度の大きな問題になるほど、その解決に分野の異なるいくつかの高度なスキルが要求されるからだ。
 成果をあげるためには重要な仕事を任されるような人間になれ。そのために中高生の内に興味のある分野の勉強が自然にできるような生活習慣を築け。
 中高生に告ぐ!
 来るべき戦いに備え、悔いのないように一生懸命に勉強しろ。  
 
 2008年8月22日 ebisu-blog#267
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