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学校配置と交通環境の変化 コストカットは可能か [26. 地域医療・経済・財政]

 2,008年2月1日   ebisu-blog#065
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 大粒の雪がまた舞いはじめた。風のない夜である。交差点付近は除雪した雪が1メートル弱の高さになっている。結氷していた湾内もここ数日の暖かさで半分以上氷がなくなった。夕方から寒気が戻って、21時半頃の気温はマイナス8.7度Cである。

 留寿都リゾートの近く、せたな町島歌小学校で殺人事件が起きた。臨時職員で校務補の女性が殺され、夕方には同僚の男性が逮捕された。

 テレビ報道によれば職員が7人、生徒が13人の小学校である。このような小規模校でも校長と教頭をおいている。生徒一人の教育費はいくらかかっているのだろう。年間一人当たり500万円くらいだろうか?
 厚岸で数年前の吹雪の日に先生数人がトラックにはねられ死亡する事故があった。中学校であったろうか。職員8人に生徒が13名だったかな?記憶は定かでないが、一人当たり500万円程度かかっているだろうなと思ったことは憶えている。

 受益者負担負担を主張し、父母に経費を支払えといったら誰が払うだろう。ひとつの地域で自己負担しろといったら、応ずることのできる住民はいるだろうか?
 マイクロバスで運べないほど遠いなら別だが、多くのケースは車で30分もかからないところに別の学校がある。近くの学校へ運べばよいだけである。年間1億円かかるところを、数百万円で済ますことができるだろう。
 昔とは交通事情が違う。私は梅ヶ枝町から光洋中学まで20~25分歩いて通学した。友人の多くがそれくらい時間をかけて歩いて通っていた。根室高校へも同様の通学時間がかかった。だから、通学に30分は許容範囲と考えている。当時に較べると牧の内の細い砂利道は舗装されたし、オホーツク海側を走る道路も整備された。砂利道だった落石街道も舗装されただけでなく道路幅が拡張された。道路事情は比較にならないほど格段によくなった。
 根室半島の東側と西側にそれぞれ1校あればマイクロバスを使って30分で全員を運べる。教育はコストパフォーマンスをもっと考えてもよいのではないだろうか。境界地区の生徒たちには学校をどちらか選べるようにすればよい。
 
 古い話しで恐縮だが、高校生のときに同級生らとトサブへキャンプに行った。納沙布岬でバスを降りて、砂利道を歩いた。途中温根元小学校によった。中学の担任がそこへ転勤になっていらした。夫婦で先生をしていた。学校は木造の小さな小さな学校だった。郡部の学校とはこのような小さな規模なのかと、そこで教壇に立つ恩師が偉く見え、楽しい再会だったことを思い出した。あのときに較べると、温根元小学校はよほど立派で大きくなっている。今生徒は何人いるだろう。当時の半分はいないだろう。
 
 海星中学校はニホロの近く(東和田)にある学校である。2年ほど前に2校が統合されて新築された学校であるが柏陵中学校まで車で15分程度の距離である。柏陵中学校では2チーム編成できずに部活さえママならなくなっているクラブが出ているほどほど生徒数が減少しているのに、なぜ統合しなかったのだろうか。マイクロバス3台もあれば通学の確保はできるだろうに。コスト意識が薄いように思える。

 道路事情が40年前に較べると格段によくなった。根室市内に小学校や中学校は何校必要なのか、どの学校に統合すれば、マイクロバス等を使った通学に便利なのか、地理・交通の面から検討できるのではないだろうか。廃校になる比較的新しい校舎は少しお金をかけて、老人用の施設等へ転用すればよい。
 わたしの大雑把な見通しでは西根室には厚床地区に一つ、東根室方面は歯舞に一つあればあとはマイクロバス30分で通学可能である。小学校は12校ある。中学校は7校である。統合による経費削減額は年間5億円近くにのぼるだろう。経過期間中はそうは行かないが、教員が大量に退職する数年後にはそれくらいの規模の経費が削減できる。
 10年間で50億円以上の新たな財源が生まれるだろう。その半分を教育投資に使えばよい。残りはこれから増える老人医療に使おう。
 体育館の修繕費を捻出できずに困っていることなどが報じられているが、いくらでも捻出できるし、千葉県のように私立大学医学部生へ3000万円の奨学金を出し、7年間の勤務義務を課すような施策も可能になる。      

 市立病院のコストは改善の余地がないだろうか?無駄な人員配置はないだろうか?そういう目で見渡せば、結構改善の余地があるだろう。
 市役所も同じことが言えないか。働いているのは窓口の数人だけのように見える課はないだろうか。手持ち無沙汰でおしゃべりがなかなか止まらない様子を目撃した経験のある市民は小数だろうか?一生懸命に働いている人がいることももちろん認めたい。親切な窓口対応をしてくれる職員もいる。すべからく公僕とはそうありたいものである。

 18年前に、勤めていた会社で業務削減プロジェクトを担当したことがある。学術開発本部という準社員(非正規雇用)も含めて当時は35人ほどのセクションだったのではないだろうか。開発部と学術情報部と精度保証部が一つの事業部を構成していた。わたしは本部スタッフで主として開発部の仕事に従事していた。製薬メーカとの2検査試薬の共同開発、共同開発作業手順の標準化、慶応大学病院との出生前診断検査項目に関わる共同研究、米軍向け出生前診断検査項目検査システム開発などである。学術情報部の「ラボ見学担当」業務も海外の製薬メーカを中心にお手伝いしていた。学術開発本部に席を置いたのはわずか2年余りだった。業務カットをした後に約束外の人員カットがなされ、学術開発本部にとどまることを潔しとしなかったらからである。新設された関係会社管理部の人員公募があったので、応募した。購買課から学術開発本部へ引っ張ってくれた取締役のIさんには後で大変叱れらたが、副社長が絡んでいたこともあり人事部長から異動について上司への報告を堅く口止めさ、事前に報告できなかった。結果として直属の上司であるIさんにとって寝耳に水の人事異動となった。恩義があるので、申し訳ないことをしたと思っている。
 業務削減プロジェクトは全社の管理部門の業務を対象になされた。わたしは学術開発本部の業務の30%をカットした。手順は次のようになっている。まず、各人のやっている仕事の棚卸しをする。日次業務、週次業務、月次業務、四半期業務、半期業務、年次業務にわけて棚卸しをして、個別に面接をしながら内容を確認し、重要度の低いものから順に業務を30%をカットした。機械化できるものは機械化した。
 機械化は精度保証部の書類、3000検査項目の標準作業手順書ファイルの電子化が威力を発揮した。新規導入項目や、新検査試薬のへの切り替え、作業手順の変更などが頻繁に起きるが、電子化ファイル化したことでメンテナンスが可能になった。作業量も数分の一に逓減できた。
 業務を30%カットしたが、実際、何も支障がなかった。なせばなる、のである。


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