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#5103 冠詞の扱い:「車の直し方は何も知りません」Nov. 6, 2023 [49-4 英作文トレーニング]

 NHKラジオ英会話(10/31放送分)を聞いていて、あれっと思った。
 「それはまったくわかりません。車の治し方は何も知りません。」という英作文問題である。

 「車の直し方」は冠詞をどう処理するかで5通りあります。
 ①how to fix car
 ②how to fix a car
 ③how to fix cars
 ④how to fix the car
 ⑤how to fix the cars


 日本語には冠詞がないので、処理に困ることがある。
 ①の無冠詞は名詞の概念や機能を表現する場合なので、この和文英訳では使えない。
  I go to school by bus.
 この場合の無冠詞のバスは、移動手段としてのバス(バスの機能は人を運ぶこと)なので、具体的なバスをイメージしていない。
 ②はOKである。不定冠詞はたくさん車がある中で、その中からどれでもいいからひとつとっている感じがする。具体的な車がイメージできる。
 ③はどうだろう?たとえば時計の修理に対して車の修理のしかたというニュアンスが生まれそうだ。これもOKだろう。
 ④は話題に上っている、あるいは話者と聞き手の間で了解しているある特定の車の直し方ということになる。これもありうる。
 ⑤は水害事故でたくさんの車が水没してしまった状況があるとすると、水没事故車の直し方という意味で使えそうだ。

 普通は②でいい。

 大西泰斗先生の模範解答は
 It's beyond me. I know nothing about how to fix a car.

  beyondがいいね。車の修理は自分の能力を超えている、手に余るという感じがよく出ている。

  水没事故車なんて直したことがないから、お手上げですという場面なら、
 I have no idea(or no clue). I know nothing about how to fix the cars.

  どういうシーンを想定するかで、英文が違ってきます。提示されている和文が何通りにも読めるような曖昧なケースがあるから冠詞の扱いは厄介ですね。
 類似のことは国語の問題でもよくあります。シーンをどのように想定しているかで、答えが違ってくることはよくあることです。国語の全国模試で偏差値70以上なら、「過適応」と考えていいでしょう。受験勉強しすぎると、副作用も大きくなりますから、ほどほどにしておきましょう。
 読みが深くなると、何通りにも読めてしまうので、迷って得点が上がらなくなります。SPIテストも同じです。


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