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#5049 トリチウム水は体の中でどうなるのか?①:異分野コミュニケーションの必要性 Sep.2, 2023 [8. 時事評論]

<最終更新情報>9/2朝8:40<余談:見事な大政翼賛会体制の完成>を追記 
 9/2朝10時半<余談-2:先天異常>追記
 
 言葉の定義が大切ですから、これから使う専門用語をいくつかピックアップしてから、分子生物学者の河田昌東氏の動画「トリチウムの人体への影響を軽く見てはいけない」の内容をかいつまんで紹介します。
 河田氏は、大腸菌や酵母菌をトリチウム水の中で培養して、遺伝子の異常や染色体異常を調べた経験のある分子生物学者です。原子力規制庁のメンバーで、このような経験のある人は一人もいないでしょう。だから、重要な政策決定には異分野コミュニケーションが必要なのです。

 わたしも専門外なので、議論がわかりやすくなるようにまず言葉の定義をいくつかと知られている事実説明します。
 水素原子三つでできているのが、H-3のトリチウム。Tとも書きます。
 トリチウム水になると化学式はHTOです。水素とトリチウムと酸素の化合物です。分子量は「1+3+16=20」です。
 HTO(トリチウム水)とH2Oは化学的には区別がつきません。質量や密度や沸点や融点や大きさが異なるので、物理的には分離が可能ですが、化学的に分離精製する場合に比べて、コストが高いのです。

 2020年3月時点で、福島第一原発に保管してあるALPS処理水は1200のタンクに125万トン、トリチウムの量は860兆Bqですから、2023年8月24日の海洋放出直前は、1200ベクレル程度でしょう。トリチウムを分離精製したら、たった16~20gだそうです。これなら放射能は大きくても量が小さいので保管が簡単ですね。
 とここら辺までがウィキペデア「トリチウム水」からの受け売りです。

 ALPS処理後のトリチウム水の安全基準は60,000Bq/L以下となっています。
 ICRPの安全基準値は70,000Bq/Lです。

 これから述べることはwikiの解説と河田氏の解説の重複している部分です。OBTがとっても重要なキーワードです。
 HTOの中のトリチウムは有機物と結合するとOBT(Organically Bound Tritum:有機結合型トリチウム)になります。体内で有機物の合成に水素が使われますが、それは水から取り込まれます。そのときにHTOだと、トリチウムが取り込まれて組織の一部になってしまいます。体内でトリチウムがベータ線を放出して崩壊すると、もっとも安定した元素であるヘリウムHeに変わります。結合した部位が遺伝子だとすると、TがHeになることで、遺伝子の切断が起きます。こうして遺伝子が障害され染色体異常が起きます。どれくらいの頻度で起きるかはトリチウム水の濃度や量に依存します。結合した組織によっても影響の度合いが異なります。骨髄組織に取り込まれたらどういうことになるのでしょう?

 トリチウムの性質がわからなくて、FB友で信頼できる原子力工学の専門家にわたしは教えを請いました。トリチウムはベータ線を放出するが、内部被爆してもミクロン単位しか飛ばないので細胞核内にある遺伝子を傷害することはない、エネルギーも弱いと説明がありました。その一方で、植物の種子やヒト・リンパ球を使った実験ではHTOは染色体異常を起こすという論文が国内のもので2つ見つかりました。一見して矛盾した結論に見えますが、これら両方を矛盾なく説明できるメカニズムがなにかあるのではないかと考えました
 翌日に別のFB友が河田昌東氏の動画を紹介してくれたので、メモを取りながら見たのです。そして、両方を矛盾なく合理的に説明できるメカニズムが見つかりました

 細胞内でDNAを複製するときに、二本鎖がほどけて、それぞれが複製されます。この時に水素が材料として取り込まれます。HTOがあれば、水素ではなくてトリチウムTが遺伝子に入り込んでしまうのです。H2OもHTOも水ですから、化学的には区別がつきません。取り込まれたトリチウムがβ崩壊するときに、ベータ線を出すと同時にHeに変わり、遺伝子を切断してしまいます。その結果、染色体異常が起きます。
 細胞分裂が激しい胎児がリスクが一番高いということになるのは当然です。遺伝子が複製されるときにHTOのトリチウムが遺伝子の有機物材料として取り込まれてしまうのですから。成長期の子供たちも細胞分裂が激しいので、HTOからトリチウムを遺伝子に取り込んでしまうリスクが高いのです。脳細胞や神経細胞がトリチウムをとり込んだら何が起きるのでしょうね。信号の伝達がうまくいかなくなりそうです。思考や情緒に影響しそうです。低レベルトリチウム水が人間の精神や感情のコントロールにどのように影響するのかという研究はまだありません。現実の方が先行しています。実際には影響が出ているが、人間の方がそれのメカニズムを解明できていないと考える方が妥当な気がします。

 胎児の染色体異常で有名なのは21番トリソミーによって起きるダウン症です。脊椎二分裂症や無脳症も染色体異常によって引き起こされます。小児の骨髄性白血病は癌ですが、トリチウムが骨髄組織に取り込まれたら、やはり異常が起きることは想像に難くありません。

 カナダの原子力発電は重水炉でなされていますが、重水に中性子が当たるとトリチウムが発生します。だから、重水炉は莫大なトリチウムを排出しています。河田氏は動画(25分07秒)の中でカナダ政府がつくった論文が手元にあると言っています。オンタリオ湖にHTOを排水していました。オンタリオ湖はひどくトリチウム汚染が進み、周辺の飲み水が汚染されました。大気中にも放出されましたから、空気も汚染しているということで、原発周辺25㎞県内の出生児の調査をしたことがあります。1991年に報告書が公表されました。大量に放出した翌年ぐらいから、いろいろな先天障害が起こっているということが示されています。21番染色体トリソミーのダウン症は1.8倍、先天的な心臓障害などが記載されていますと河田氏が動画で述べています。
 原因についてカナダの分子生物学者のバーティルさんが研究して、OBTが問題だと言っているわけです。トリチウムの化学的性質が他の核種とはまったく異なるんです。だから他の核種よりもリスクが大きい。河田氏が大学院生の頃にバーティルさんの本で勉強した記憶があるのでよくわかっているそうです(27:05)。
(河田氏は1940年生まれで、名古屋大学理学部分子生物学研究施設大学院へ入学したのは1968年、69年に修了していますから、バーティルさんの本で勉強したというのは、年代が合わない気がします。ピカリング原子力発電所の8基の重水炉CANDUは1966~86年にかけて建設されています。)
 1991年の報告書はネットに落ちていませんでしたが、カナダ・オンタリオ州飲料水質基準移管する諮問委員会作成の報告書を紹介したサイト(2009年)を見つけたので、ご覧ください。
 「放射線核種のリスク評価をするICRPの基準」ではなくて、「化学的汚染のアプローチ」をとったとあります。これは百万人に一人しか染色体異常を起こさない厳しい基準で、年間7~109Bqの範囲となると結論されましたカナダでは現在この基準が守られています。ちなみに、ICRPの安全基準は70,000Bq/Lです。染色体異常がどれほど起きるのか、後の祭りになりますが、やってみたらわかります。
 国民の生命と健康と安全を守るカナダ政府の姿勢と一番コストの安い海洋放出しか念頭にない日本政府、どうしてこんな差が生まれるのでしょう?

 河田氏は薄めて海洋放出するのに40年もかかるのでは、全部放出したときにはまた新たな125万t×4=500万tのトリチウム水が溜まっているから、永遠に海洋放出をすることになると危惧しています。
 それから、福島県沿岸からHTOを薄めて流し続けても総量は変わらないのだから、潮流に乗って沿岸付近を漂うことになり、濃度が濃くなることを危惧しています。海洋放出したら、全世界中の海へ平均的に広がるわけではありません。排出元の福島県沿岸、東北と北海道沿岸の海へ40年間排出されトリチウム汚染が徐々に進んで行くことになります

 他の核種ではなくて、トリチウムだからこそ、危ないのです。有機物となって組織に取り込まれてOBTに変わって、ベータ崩壊してHeとなり、水素結合が切れて遺伝子を切断するのですH2OもHTOも化学的な性質は同じですから、細胞膜を通過して細胞核に自由に出入りし、遺伝子が分裂複製されるときにトリチウムが水素と一緒に有機物の材料になって取り込まれます
 政府の説明は廃炉のためにスペースを空けないといけないということですが、40年もかけて薄めて放出したのでは、その間に現在の4倍も溜まることは小学生でも理解できます。海洋放出は永遠に続くということです。

 地下水が流れ込んで核燃料デブリと接触して、膨大な汚染水が生じているのですから、凍土壁ではなくて別の方式で地下水の流入を遮断すべきと河田氏が言っています。いまも汚染地下水は海へと流れ出ています。
 沸騰水型原子炉も重水炉もトリチウムを常時排出しています。トリチウムはゼロが一番安全ですから、原則論からは原発を廃炉にするのがいいのでしょう。いまあるトリチウム汚染水は120年保管して、1/1000にトリチウムが減ってから海洋放出すべきだと仰っていました。

 福島第一原発よりも、六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場が稼働したときの方が21倍、1京8000兆Bqものトリチウム水を毎年海洋放出することになります。3km沖合までトリチウム放出用の海底トンネルがとっくに完成しています。もし稼働させるなら、大規模な出生時の先天異常調査をすべきです。
 核燃料サイクルは排出されるトリチウム量だけでもアウトです。こんなことを認めたら、妊婦や子どもたちに安心して太平洋沿岸で獲れる水産物を食べさせられなくなります。

 原子力工学の専門家と分子生物学の専門家と、トリチウム水に関してこんなにも意見が違います。政府と東京電力は、公開の場を設けて両方の分野の専門家を集めて何度も話し合って国民の理解と納得を進めてもらいたい

<余談-1:見事な大政翼賛会体制の完成>
 政府に都合の良い意見しか言わぬ原子力工学専門家を原子力規制庁に集め、必要不可欠な生物学者をボードメンバーに入れない閉鎖的な集団で議論して、事を決めています。まるで、戦時中の軍部の独裁体制とそれに批判的な報道ができなくなった新聞各社のような様相を呈しているようにわたしには見えます。
 原子力工学の専門家たちは、知らないのか意図的に無視しているのか、HTOが体内に入るとOBT(有機結合型トリチウム)となり、ベータ崩壊をした後は、ヘリウムHeとなって、遺伝子を切断してしまうという、トリチウムの化学的な性質を議論せず、放射線量だけを基準にして、似非「安全基準」60000Bq/Lを決めました。重水炉8基によるオンタリオ湖の深刻なトリチウム汚染を調査したカナダ政府はトリチウムに特異的な化学的性質に注目して、百万人に一人の染色体異常を許容する安全基準を設け、実施しています。それは年間7~109Bqです。国民の健康と生命の安全を守るための厳格な基準です。原子力工学の専門家だけではこうした議論が出てきていません。こういう狭い専門分野の人たちだけで議論して事を決めては、戦時中と同じように大きな過ちを犯します。マスメディアも同罪です。

 mRNAワクチンでも同じ構造があります。専門家会議には感染症研究者ばかりで臨床医すら入っていません。ワクチン製造技術に詳しい分子生物学者もメンバーに選ばれていません。政府に都合の良い意見を言う感染症研究者たちだけが集められ、ワクチン製造技術に無知なまま、ワクチン製造技術に由来する深刻な副作用が無視されて2000人を超える副作用死を招きました。それでも、政府のワクチン接種推奨はとまりません。
 特定の閉鎖的なグループでの議論は利権集団化し、重要な論点を見落とします。関連する分野の研究者を集めて、学際的な議論をすべきだとわたしは考えます

 新型コロナワクチンもトリチウム汚染水もそれが人間の体内でどのように作用するかを知らない特定の専門分野の人間だけを集めて議論すべきではありません。いくつかの周辺分野の専門家も集めて議論すべきです。政府の政策決定によって、健康を損ない、病気器に罹り生命を失うのは政策決定にあずからない普通の国民です

 わたしたちの子孫が数十年にわたるトリチウムの海洋汚染で、深刻な未来を抱え込むのを阻止するタイミングはいまでしょ。まだ被害を小さくできます。腹を決めて120年間陸上保管して、トリチウムが1/1000になってから海洋放出したらいいだけです。そして、壊れた原子炉地下への地下水の流れを止める手立てを考え、実際に止めるべきです。そうすれば汚染水の発生を数分の一にできます。それらのことにお金を投じるべきです。
 唯一の被爆国として日本人がなすべきことがあるなら、坦々と成し遂げましょう。

<余談-2:出生前診断検査と先天異常>
 1989年だったかな、購買課から学術開発本部へ異動して、2か月ぐらいのときに米軍から依頼のあった出生前診断検査トリプルマーカ―を導入するため、小さなシステムを設計しました。米軍の女性兵士が妊娠すると、出生前診断検査を受けることが法律で決められていましたから、沖縄米軍司令官は違法状態を解除したくて、SRLへトリプルマーカ―検査導入の協力要請が来ていたのです。ニュヨーク州から文献を取り寄せて、1か月でシステム設計と実務設計イ及びプログラミングを済ませ、関係部署への根回しも終わって、検査導入の準備ができたので沖縄米軍へ説明に出向きました。とっても喜んでいました。
 同じ時に慶応大学産婦人科医からも出生前診断検査の資料取り寄せ依頼が来ていました。慶応大学病院なら、妊婦の検体を集められるので、トリプルマーカ―MoM値の日本人基準値制定の産学共同プロジェクトをもちかけました。検査試薬は製薬メーカー持ち、検査とデータの多変量解析はSRL側で負担、担当ドクターの義務は検体を送ってくれることと、学術論文を公表することでした。もちろん否やはありませんでした。わたしがタッチしたのは、2社の製薬メーカーとの検査試薬無償提供調整と社内の応用生物統計専門家であるF川君との調整だけ。検体のハンドリングをしたことがなかったので、3か月間だけ、SRLの検体集荷ルートに乗せて私宛に送ってもらいました。実際にやってみて、納得がいったので、担当検査部門宛に送るように変更しています。あとは、ルートに乗っているのでわたしの役割はナシです。問題が発生すれば調整することになりますが、ノートラブルでした。もっとも、学術開発本部を1年半ほどで卒業して、新しくできた関係会社管理部へ異動することになりました。会社の業績を25ゲージのレーダーチャートと総合偏差値で評価するシステムを開発してもっていましたので、新部署立ち上げに必要なスキルの持ち主だったからです。

 大事なことを忘れそうになりました(笑)
 35歳を過ぎると、胎児が染色体異常を起こす確率が上がります。だから、35歳以上は胎児の先天異常を検査するために羊水染色体検査の実施が望ましいのですが、羊水穿刺は米国の資料では200例に1例の失敗確率がありました。だから、妊婦の血液でスクリーニング検査できれば、事故の確率を2ケタ以上下げられます。そこに現れたのが、hCG、AFP、uE3を組み合わせたトリプルカー検査でした。3項目のっ検査結果データと妊娠週令・体重などを変数にして計算した検査値をMoM値と言います。4年かけて妊娠週令15週から18週の妊婦の検体6000例を集めて、データを多変量解析した結果、日本人の基準値は白人を100とすると130でした。黒人が120であることが米国の文献であらかじめわかっていたので、日本人基準値は110くらいのところを予想していましたので、予想外の結果でした。
 この母体血によるスクリーニング検査が陽性になると、羊水穿刺を行い、染色体検査をして確定診断となります。スクリーニング検査が陰性なら、胎児に染色体異常はないと判断します。スクリーニング検査でMoM値が要請になると、羊水穿刺による検査で胎児の染色体を調べます。21番トリソミーによるダウン症や脊椎2分裂症、無脳症などが判明します。死産になるケースは母体の安全を考えて、掻破するケースもあります。
 卵子や精子が古いほど、遺伝子はさまざまな要因で障害されて先天異常が増えます。たいていは、受精しても育たずに死産流産して流れてしまっています。遺伝子が傷つく原因はさまざまな物質による大気汚染、飲料水の汚染、食べ物の汚染、皮膚を通じて侵入するさまざまな化学物質(例えばシャンプーに含まれる化学物質)、海洋のマイクロプラスチック汚染、水産物の重金属汚染、放射能汚染など、さまざまなものがイニシエータとなって遺伝子を傷害します。だから、卵子が若いうちに妊娠するのが生物学的には先天異常を小さくする最善策なのです。
 夫婦共稼ぎで、出産年齢が30代や40代になると先天異常のリスクが大きくなります。
 当時、学術営業のS藤君が、米国の出生前検査の妊婦向け絵本をもってきてくれました。アクリルの透明な箱に500個のピンポン玉が入っています。最初は1個だけですから、天板にあけられた穴から手を入れて玉を取り出しても赤玉をつかむ不安はありません。これが、10個になると不安が萌します。妊婦の年齢が35歳になると確率的にはそういうことだという風な説明になっていました。だから、母体血でのスクリーニング検査が必要だと。
 現在は精度の良い新しい検査方法ができたようです。クアトロマーカーという検査に置き換わったようですね。トリプルマーカ―は役目を終えました。

 福島県沖へとトリチウム汚染水を数十年にわたって垂れ流すと、500個のピンポン玉の中に赤玉を30個入れるようなことになるかもしれません。やめた方がいいとは思いませんか?120年陸上で保管してから海洋放出すれば、トリチウムの量は1/1000になりますから、そうしたらいいだけです


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ebisu

FBで、トリチウムがβ崩壊するときにどれほどの遺伝子を傷害するか、計算した記事を見つけましたので、当該部分を転載します。実際に伊方原子力発電所の検察に携わった方のFBです。
トリチウムは1回に18.6keVのエネルギーを発するので、トリチウムの1回のベータ崩壊で最大1240個の2本鎖DNAを切断すると書いてあります。人間の遺伝子にとってはトリチウムは物理エネルギー的にも化学的にも、リスクの大きい物質のようです。
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染色体損傷と放射線の関係は国内外、数多くの研究がある。そのなかでも比較的最近研究されネットでも公開されている文献を紹介しよう。
「低エネルギー放射線を用いたDNA主鎖切断誘発機構の研究」と題して立教大学,理学部,檜枝光太郎教授らによって研究されている。実験の結論を言うと
(難解であれば下記項目を飛ばして結構です)
(1)15eV電子線によって1本鎖および2本鎖切断が、総量に対してほぼ直線的に誘発された。このことは1本鎖および2本鎖切断誘発の閾値が15eV以下であることを示す。特に2本鎖切断誘発の閾値が15eV以下であることが実験的に示された成果は大きい。
(2)低エネルギー電子線は2本鎖切断を1本鎖切断の数十分の1の比率で誘発し、この比がγ線による比と極端に違わないことが示された。
(3)低エネルギー単色光子によるDNA主鎖切断は、効率は極端に低いが4.3eVでも誘発された。
簡単に言うと、15eVで2本のDNAを切断してしまうとの結論になる。
トリチウムは1回に18.6keVのエネルギーを発する。kgと同じで、kは1000倍を示している。
18600/15=1240
この1回のβ崩壊で最大約1240個の2本鎖のDNAを損傷させることになる。
先ほどの繰り返しになるが、全身から1秒間に男性で平均283回、女性で187回、18.6keVの電磁波を放出している。これらの数字に1240を掛けると毎秒全身から発生するDNAの損傷数が求まる。
 毎秒で男性で約35万個、女性で23万個、毎日で男性で303億個、女性で201億個、年間で男性で約11兆個、女性で約7兆個の染色体が最大損傷することになる。
 効率を考えるとここまでの数字にならないだろう。効率を1/1000としても年間男性で110億個女性で70億個である。
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by ebisu (2023-09-02 18:57) 

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